保護中: アジアのホテルが直面するサステナビリティの課題と可能性
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メキシコのChablé Yucatánが、The World’s 50 Best Hotelsの今年のエコ・ホテル・アワードを受賞しましたことをお知らせします。受賞は、パリで発表されました。
CEOのJuliane Caillouette Nobleは、今回の受賞について次のように語っています。「Chablé Yucatánの2026年エコ・ホテル・アワード受賞、おめでとうございます。同ホテルのメニューは、地域の料理を称える素晴らしいものになっています。ビターオレンジ、ホハ・サンタ、エパソテといった伝統的な食材は、73基のカアンチェ(伝統的な高床式の栽培床)を使って自社農園で育てられ、在来種であるメリポナ蜂のハチミツとともに収穫されています。また、植林やサンゴ礁再生のパートナーシップを通じて自然の生態系を支えており、スタッフと地域コミュニティの双方でごみ拾い活動を企画し、これまでに250kg以上のごみを回収しました。舞台裏でも、廃棄物とエネルギー消費の削減に素晴らしい成果を上げています。チーム全員の皆さん、よくやりました。」
Chablé Yucatánで実施されている優れた取り組みについて、さらに詳しくご紹介します。
Chablé Yucatánのメニューは、地元の料理と、ビターオレンジ、ホハ・サンタ、エパソテなどの伝統的な食材を紹介するよう考案されています。食材の一部は、この地域に古くから伝わる高床式の栽培床「カアンチェ」73基を使い、敷地内で栽培されています。ホテルの食材の多くがこれらのカアンチェから供給されており(2025年12月から2026年4月までの収穫量は合計465kg)、ここのキッチンはフードマイルの削減に積極的に取り組みながら、宿泊客にユカタン半島の味を届けています。
敷地内には、宿泊客も訪れることができる「Abu’s Farm」もあります。この農場には、ホテルで使う卵を産む鶏のほか、ポニーやロバもいます。ホテルでは養蜂も行っています。「Xunan Kab」はユカテコ・マヤ語で、おおまかに訳すと「高貴な女性の蜂」を意味し、ユカタン半島原産の針を持たないミツバチ、Melipona beecheiiのことです。この蜂は、マヤの伝統的な養蜂(メリポニカルチャー)で3,000年以上にわたり育てられてきました。ホテルの蜂が生み出すハチミツは、4つのキッチンとスパの需要をすべて満たすのに十分な量です。
キッチンでは、有機廃棄物を堆肥化して庭や農園で使い、循環を完結させることで、土壌の栄養を豊かに保っています。
Chablé Yucatánのチームの大半は地域コミュニティの出身で、そのほとんどが無期雇用の契約を結んでいます。ホテル全体で、リーダー職の43%を女性が占めており、充実した研修プログラムも用意されています。
チームは、ボランティア活動やイベントへの参加を通じて地域で活発に活動しており、地元の子どもたちに、ペットを責任を持って世話する方法を教える研修まで提供しています。ホテルは周辺地域の清掃活動も主催し、従業員と地域住民の両方の参加を促しています。これまでに回収した廃棄物は250kgを超えています。
ホテルにはソーラーパネルが設置されており、2025年には使用エネルギーの4分の1以上を賄いました。照明にタイマーを取り付けるなど、エネルギーの削減にも取り組んでおり、有機廃棄物と無機廃棄物の両方の削減にも積極的に努めています。
この1年間で、敷地周辺での植林キャンペーンを実施し、約20本の樹木と150株の観賞用植物を植えて、地域の生態系の再生を図りました。さらに、環境保護団体とのパートナーシップによる植林やサンゴ礁再生を通じて、その影響を広げています。
Chablé Yucatánのチームの皆さん、この素晴らしい取り組みに拍手を送ります。
(左から)下田屋 毅(一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会 代表理事)、
三浦 和也 氏(辻調理師専門学校 東京)、東 庸介 氏(辻調理師専門学校)
一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会は、食および料理分野におけるサステナビリティの推進ならびに次世代人材の育成を目的として、辻調理師専門学校とアカデミックパートナー協定を締結する運びとなり、2026年8月28日、辻調理師専門学校 東京校におきまして調印式を執り行いました。
また同日、同校の教員のお二方にアカデミックアドバイザーにご就任いただきましたので、お知らせいたします。
【アカデミックアドバイザー就任】
・辻調理師専門学校 東 庸介 氏
・辻調理師専門学校 東京 三浦 和也 氏
調印式では、一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会 代表理事の下田屋 毅より、これまで同校と取り組んできた「未来のレシピコンテスト」などを基盤として、次世代の料理人にサステナビリティの考え方を広げ、実践につなげていきたいとの期待をお話しさせていただきました。
アカデミックアドバイザーに就任した東 庸介氏は、「この協定を具体的な教育実践につなげ、学生が料理人としての専門性を活かしながら、食を取り巻く課題を自分自身のこととして考え、行動につなげられる学びの場を大切にしたい」と抱負を述べ、
また三浦 和也氏は、「サステナビリティを抽象的な言葉にとどめず、実際の教育プログラムに落とし込み、そこから得た学びや教育成果を食の現場と社会に広く発信していくことが重要だ」と決意を語りました。
今回の協定を契機とし、形式的な合意にとどめることなく、具体的な活動へとつなげ、次世代の料理人・食人材の育成と、持続可能な食文化の発展に取り組んでまいります。また、両者の知見とネットワークを活かし、学生のみなさまへ、食の現場に関わる多様な方々からの学びの機会を提供し、サステナビリティ実践できる教育環境づくりを進めてまいります。
Eメールアドレス info@foodmadegood.jp
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日本サステイナブル・レストラン協会は、日本の加盟店のすぐれた取り組みを、英国のThe Sustainable Restaurant Association (The SRA) と連携し、The SRAのウエブサイトやソーシャルメディアを通じて、業界のみなさまに共有しています。
2026年7月のテーマは、Celebrate Provenance (産地を賞賛する)について、SRAジャパン加盟店、ヒカリヤニシ(長野県松本市)の、田邊シェフに話を伺いました。インスタグラムでは一部の取り組みのご紹介にとどまったため、こちらで、取材の全文を日本語で紹介します。
ヒカリヤニシでは、地域資源に新たな価値を持たせることと同時に、地域の自然環境との結びつきをより深めることを、念頭において食材の調達を行なっています。
1年のうち、わずかな時期しか手に入らない希少な食材は、独自の料理へと仕立てることで、その土地の旬を表すことができます。
料理のラインナップに、確かな土地の個性をもたらす特別な食材は、そうした生産者たちとのつながりがあってこそ手に入るものなのです。
その取り組みについて詳しく詳細をご紹介します。
―ヒカリヤニシでは、食材調達において最も大切にしていることは何でしょうか。
「私たちが使う食材のほとんどは長野県内で調達しています。長くお付き合いしている生産者さんが多く、20年近く関係が続いている方もいます。」
そう話すシェフは、「顔が見える関係」であることの大切さを何度も口にします。
取引先には、小規模経営のため有機認証を取得していない農家も少なくありません。しかし、長年築いてきた信頼関係があるからこそ、どのような思いで野菜を育てているのか、畑で何が起きているのかまで理解したうえで食材を仕入れることができるといいます。
「高齢の農家さんの中には、『孫に食べさせたい野菜をつくっている』と話される方もいます。その思いや愛情まで含めて、お客様に届けるのが私たちの役割だと思っています。」
料理には、食材だけでなく、生産者の思いも一緒に盛り込まれています。
―自家農園にも取り組まれているそうですね。
「はい。グループのレストランで使う野菜を育てる農園を運営しています。」
農園では露地栽培で旬の野菜を育てるだけではありません。
レストランから出る食品残渣は堆肥へと生まれ変わり、再び畑へ還される。レストランと農園を循環で結ぶ仕組みを整えることで、廃棄物の削減にもつなげています。
さらに、この農園はスタッフの学びの場でもあるのだそう。
「畑に入って土に触れることで、食材がどのように育つのかを実感できます。料理人にとって、とても大切な経験だと思っています。」
長野県は全国有数の果物の産地として知られています。
「地域の果樹農家さんとのつながりがあるからこそ、一般には流通しない食材を料理に使うことができます。」
例えば、摘果した若い果実や、ワイン用ブドウ・シャルドネの新芽や葉。ブドウの葉は6月のわずか1〜2週間しか収穫できない貴重な食材です。
こうした地域ならではの素材を料理へと昇華できるのも、生産者との信頼関係があってこそだといいます。
松本市を囲む豊かな山々も、食材として活かせるかもしれない。そう考え、ヒカリヤニシでは、この地域全体の価値向上を目指し、身近な資産である「山」に着目。
その発想から生まれたのが、専門家とともに開発したボタニカルドリンクです。
間伐されたカラマツなどの針葉樹や、豊かな水で育つ葉ワサビを使い、最後に炙った針葉樹を液体に浸すことで、森を思わせる香りを引き出しています。
地域資源を活かした新たな価値創出のプロジェクトとして広げたい。— そんな思いが込められています。
長野県では、古くから狩猟文化が根付いています。
猟師と加工事業者が連携し、捕獲後すぐに適切な処理を行うことで、高品質なジビエが地域資源として流通しているそう。
「私たちは店で使うだけではなく、地域全体で積極的にジビエを活用する取り組みをを広げていきたいと考えています。」
そのため、自店だけでなく他の飲食店にも利用を呼びかけ、地域産業としての発展を後押ししています。
肉類についても、牛・豚・鶏は信頼できる地元生産者から仕入れています。
さらに近年は、新たな挑戦として地域事業者と連携した鴨の養殖にも取り組んでいます。
「フランス料理に欠かせない鴨を地域で育てられれば、輸入に頼らない持続可能な調達につながります。」
フットプリントの削減と新たな地域産業の創出という視点も、このプロジェクトには込められているのです。
松本市には、小規模な農家が多いのだそうです。
だからこそ欠かせない存在が、飲食店向けの卸売機能を担う「八百屋」。
「新しい農家さんと取引を始めるときも、八百屋さんが間に入ってくださることで、お互い安心してスタートできます。」
発注量の調整や物流まで支える八百屋の存在は、生産者とレストランを結ぶ重要なパートナーになっています。
ヒカリヤニシではフランスワインに加え、近年は長野県産ワインにも力を入れている。
県内には約90ものワイナリーがあり、日本を代表するワイン産地の一つです。
「地元の食材には、やはり地元のワインがよく合います。」
料理とワインを通して、生産者や地域の魅力を伝え、地元産品の消費拡大を通じて地域経済の活性化にも貢献したいと考えています。
「私はマクロビオティックの『身土不二』という考え方を大切にしています。その土地で、その季節に採れたものを食べることが、人にも環境にも自然なことだと思っています。」
だからこそ、旬を外れた野菜や遠くから運ばれてきた食材ではなく、その土地の恵みを選びます。
「地域で調達するということは、単に近いから選ぶのではありません。農家さんや畜産事業者、加工・流通に携わる方々との信頼関係を築きながら、地域全体で産業を支えていくことだと思っています。」
伝統野菜や地域食材を料理として発信することで、農業や食文化の継承にもつながる。
「産地を賞賛する」ことは食材調達の取り組み方だけではなく、人と人との信頼関係を育み、地域の産業を盛り立て、地域の食文化を未来へつなぐ取り組みです。この姿勢が、ヒカリヤニシの料理と地域の価値の向上に貢献しているのです。
栃木県出身。1975年生まれ。
「エコール・キュリネール・国立」を卒業後渡仏し、一つ星レストランに入店(現二つ星)。
その後、欧州名店を巡り帰国。
「ジェイキュイジーヌトビラ」料理長を経て、現在「ヒカリヤ」の母体である
「明神館」の統括料理長を務める。マクロビオティック・アドバイザー免許を有する。
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