SRA 2021年の振り返り

SRA 2021年の振り返り

この記事は英国SRAのニュースを翻訳し抜粋したものです。

2021年は、まるでジェットコースターのような1年でした。ロックダウンから始まったこの1年(英国)は、 始まりの場所で終わりを迎えてしまいそうな勢いです。多くの人が、最も困難な状況にもかかわらずビジネスを続けるために、いや、成功させるために全力を注いだ1年でもあったと思います。しかしこの業界は混沌とした世界に身を置いています。この業界が切実に必要としているリーダーシップ、サポート、認知が足りない状況ではありますが、この機会に、今年1年の成果を振り返ってみたいと思います。 

供給の不足、コロナによる閉鎖、業界としてこれまで経験したことのないような大規模な人員不足にもかかわらず、驚くほど粘り強く、革新的な、そしてクリエィティブさを目の当たりにしました。業界全体としては、残念なことにいくつもの店が閉まってしまいましたが、多くの人が懸念していたよりも少なかったように感じます。そして、サステナビリティにおいては新たなエネルギーを感じ危機感を目の当たりにしました。小規模なレストランでは地元のサプライヤーを支援するためにメニューを減らし、大規模なチェーン店では牛肉を減らし、野菜を増やし、50%以上がプラントベースのメニューに移行しているのを目にしました。



また、パッケージデザインの革新という面では、コンポスト(堆肥化)を促すものであったり、循環型のテイクアウト用のパッケージのトライアルが行われました。チーム内で記録的な数のサステナビリティリードを採用し、二酸化炭素排出量を計算し、途方もない努力をし、平均気温の上昇を1.5度までにとどめるという英国政府の2050年の目標に先立って、ネットゼロを達成するための科学的根拠に基づいた目標を発表しました。そんな中、Food Made Goodのコミュニティに新しい企業を迎えることができたのは、とてもうれしいことです。目標達成のために、彼らは私たちと「今決定的な行動を起こす」というコミットメントを共有しています。 

SRAもまた、この12ヶ月の間に様々な変化を経験しました。過去5年間にわたりリーダーシップを発揮してきた前CEOのアンドリューや素晴らしい同僚が卒業していきましたが、夏には、チームは再び成長し始めました。秋には、10年以上前に設立されて以来、初めて「メンバーシップ組織」という肩書をはずし、私たちのモデルを変更することを発表しました。これは、単にビジネスの計画を認識するだけでなく、行動を証明することに重点を置き、コミュニティの信頼性を深めることを目的としています。



また、このコミュニティは、指と指を合わせるように業界で働くすべての人をつなげるというコミットメントのもとにリニューアルしました。

私たちSRAは、グローバルにおける展望を再考し、別組織としてグローバルでの展開を進めてきた「Food Made Goodグローバル」と再び合併し、香港と日本のパートナー・ハブとの連携を実現し、2025年までに世界中の10万個のキッチンと共に働いていくという大きな目標を掲げました。 

パートナーであるNet Zero Now、コカコーラ・ユーロパシフィック・パートナー、英国ペルノ・リカールとともに、パブ、レストラン、バーのための業界初のNet Zeroプロトコルの認証を開始し、このセクターの企業に気候変動対策のためのツールを提供することが可能になりました。

すでに、英国SRAの加盟レストランである「Hawksmoor」「ahaca」、「Pizza Pilgrims」、「Peach Pubs」などが、私たちSRAのサポートにより温室効果ガス排出量ゼロを達成するために、この業界基準を実行しています。今年も多くの企業と協働できることを楽しみにしています。



2022年の幕開けとして、HSBCのスポンサーシップで#OnePlanetPlateキャンペーンを開始します。このキャンペーンは、レストランがより良い食の未来にどのように貢献するかを示す機会であり、食事をする人や家庭で料理をする人が食の選択において行動を起こすよう喚起するものです。あなたのレストランの「One Planet Plate」料理を投稿して、日本での今後の展開にもご期待ください。

2021年、多くの皆さんと皆さんのビジネスを深く知ることができとても嬉しく感じました。皆さんの献身と信念、粘り強さと回復力には、本当に感心させられました。そして、より強く、より環境に優しい未来を築くために、これからも協働していくことを楽しみにしています。







アボカドの種は捨てないで。調味料棚に仲間入りを!

アボカドの種は捨てないで。調味料棚に仲間入りを!

参照:Sublimely satisfying: Tom Hunt’s mole negro with avocado and tacos. Photograph: Tom Hunt/The Guardian

*アボカドをはじめとする輸入食材に関しては、特にフェアトレードなどの認証がついているものが好ましいです。

アボカドの種は、ナツメグと同じようにすりおろすと苦みが出て、調味料の棚に仲間入りさせるのに魅力的なアイテムです。また、アボカドにはコレステロールを下げる栄養素や抗酸化作用があるとされていますが、科学的な研究はまだ始まったばかりです。

モーレは25~35種類の材料を使った風味豊かなメキシコ料理で、アボカドの葉は多くのレシピに登場しますが、甘みとのバランスをとるために、アボカドの種をすりおろして使うといいでしょう。肉と一緒に食べるのが一般的ですが、砕いたアボカドと一緒にタコスにするのもおすすめです。

【モーレ・ネグロ】
モーレ(mole)とはメキシコ料理で唐辛子を入れた煮込み料理やソースのことをさします。ネグロnegroは黒いという意味。モーレは気品があり、美味しく、最終的には満足感を与えてくれます。様々な種類のメキシコのドライ唐辛子を使うことで、本格的な味わいと深みを出すことができます。メキシコではネットや大型スーパーで購入できます。普通のハラペーニョやスコッチボネット(唐辛子の種類)を使っても美味しくできますが、辛さには注意が必要です。シンプルにトルティーヤと一緒に食べたり、揚げたジャックフルーツ(日本語ではパラミツと呼ばれ、クワ科パンノキ属のフルーツ)と一緒に食べたり、潰したアボカドと一緒にタコスにしてライムを絞って食べたりします。一度調理したモーレは、冷蔵庫で1週間以上保存可能です。

下準備 10分
調理時間40分
4~8人分

アーモンド、クルミ、レーズン、かぼちゃ、ゴマ:各大さじ1
クローブ:1個
オールスパイスの実:1個
シナモンスティック:1本
ローリエの葉:1枚
メキシコ産乾燥唐辛子(アンチョコ、ムラート、チルハクル、グアヒーロの混合):4本(種を取り除き、茎を取る)エシャロット(小):1個
ニンニク:8片
トマト:220g
トーストされた古くなったパン:1枚
乾燥タイム:小さじ1
すりおろし生姜:1つまみ
ナツメグパウダー:小さじ1揚げ油(コーン油、キャノーラ油、菜種油):揚げ物用
黒砂糖:大さじ1
オアハカン・チョコレート(またはダークチョコレート) :40g
すりおろしたアボカドの種:小さじ1(お好みで)
塩、黒胡椒:適量

1.耐熱皿にアーモンド、クルミ、レーズン、カボチャの種、ゴマ、クローブ、オールスパイス、シナモン、ローリエを入れ、210℃で5分ほどローストしておく。唐辛子を加え、さらに3分ほど炒める。ボウルに唐辛子を入れ、沸騰したお湯を加えて蓋をする。スパイスを取り除き、トーストしたナッツ、レーズン、種を片側に寄せておく。

2.鉄板を中火にかけ、エシャロット、にんにく、青唐辛子、フレッシュトマトを時々返しながら、少し黒っぽくなるまで乾煎りする。火を止めて冷まし、エシャロットとニンニクの皮をむく。

3.唐辛子を水から取り出し、エシャロット、ガーリック、青唐辛子、トマト、トーストしたナッツ、レーズン、種、トーストしたパン、タイム、ジンジャー、ナツメグパウダーと共に滑らかなペースト状にし、必要であれば唐辛子の漬け汁を少々加える。

4.大きめの鍋に油をひいて中火で熱する。熱くなったら、ペーストをよくかき混ぜながら10分ほど炒める。仕上げに、唐辛子の漬け汁150ml、砂糖、チョコレートを加えて沸騰させ、アボカドの種のすりおろし、塩、コショウで味を調える。さらに15分ほど煮て、できあがり。

 

森林、人類、私たちの地球を守るために。英国主要企業が署名した「英国大豆マニフェスト」とは?

森林、人類、私たちの地球を守るために。英国主要企業が署名した「英国大豆マニフェスト」とは?

この記事は英国SRAのニュースを翻訳し抜粋したものです。

 

2021年11月、英国の28の主要企業が集まり、2025年までに英国のサプライチェーンから森林破壊に加担している大豆を除外していくことに合意。「英国大豆マニフェスト」に署名しました。

署名企業には、Nando’sやケンタッキー・フライド・チキン(KFC)などの主要な英国のレストランでチェーンを展開する企業、またすべての主要なスーパーマーケット、食肉生産者が含まれており、これらの企業の大豆の仕入額の合計は、毎年約200万トンにのぼり、英国の総消費量の半分以上(60%近く)を占めます。

IPCCによる2019年の気候変動に関する特別報告書で、世界の人為的な温室効果ガスの排出量の4分の1(23%)は農業、林業、その他の土地利用によるものであり、これらの排出量のほとんどは森林破壊が原因であることが報告されています。英国の大豆消費量(2020年には350万トン)は、世界的には少ないものの、南米のカンポ・セハード、大西洋岸森林、グランチャコ、チキトスなどの自然豊かな大平原などの生物多様性に負担をかけています。2017年に英国で大豆が消費された結果、推定3,081ヘクタールの森林破壊が発生しました。これは、ロンドン市の2倍の面積です。しかし、本来このような森林破壊をする必要はありません。大豆のような作物は、新たに森林を開拓することなく栽培することができます。

英国企業は、この「英国大豆マニュフェスト」の前の数年間、森林と生態系を保護するためのアクションを行ってきました。持続可能な大豆に関する英国円卓会議を通じて、企業はサプライチェーン全体で大豆に関する透明性の確保と情報共有の体制を改善し、大豆の持続可能な生産をサポートするための認証の使用を大幅に増やしました(2018年は15%の輸入量に対して2020年には32%に増加)。ただし、より大きな変革を行うにはマーケットソリューションが必要であり、サプライチェーンに関わる企業全体が協力して行動する必要があります。

この変革を支援するために、「英国大豆マニフェスト」の署名企業は、森林破壊と大豆の農地転換を生み出さない強固なコミットメントを設定し、直接、自社のサプライヤーに対しても同様のコミットメントを求めていきます。

KFC UK&IのマネージングディレクターであるPaula MacKenzieは、次のように述べています。
「サプライチェーンを管理するのは私たちの責任ですが、流通と規模が複雑であるため、持続可能な大豆に移行するには、私たちの影響力だけでは不十分です。食品業界全体のコレクティブ・アクションが必要です。」

重要なのは、「英国大豆マニフェスト」のコミットメントが企業のサプライヤーとの契約上の義務として含まれ、サプライヤーが目標を達成できるようにサポートをしていくことです。署名企業は、英国に輸入する大豆が森林破壊や農地転換に加担していないことを確認するために、これらの進捗状況について毎年報告するとともに、英国全体においてレポートを改善していきます。

「英国大豆マニフェスト」は、パズルのほんの一部に過ぎません。このマニフェストは「フランス大豆マニフェスト」などの同様のイニシアチブと連携して構築されており、ヨーロッパ全体の業界におけるニーズと行動計画が増えていることを示唆しています。また、ブラジルなどの生産国で持続可能な生産を促進するための資金的なインセンティブと技術的支援を提供するためにグローバル市場への要求もあります。英国の業界は、「森林と土地利用に関するグラスゴー首脳宣言」と、「森林、農業、コモディティ貿易(FACT)対話」共同声明とロードマップを通じて、森林や他の重要な生態系を保護しながら、持続可能な開発と貿易を促進するという、COP26で発表されたコミットメントを歓迎しています。

 

▼「英国大豆マニフェスト」の詳細はこちらから
https://www.uksoymanifesto.uk/

 

【2/16(水)開催】初のフォーハンズ・サステナブルダイニング「持続可能な食の未来 “Future Dining Table”」

【2/16(水)開催】初のフォーハンズ・サステナブルダイニング「持続可能な食の未来 “Future Dining Table”」

SRA-Jは2022年2月16日(水)、「持続可能な食の未来 “Future Dining Table”」を開催いたします。

今回の企画では、SRA-Jの持続可能性の評価項目にもある「プラントベース」と「食品ロス削減」をテーマに、トップシェフ2名にお話いただき、実際にシェフが腕を振るった、この日限りのスペシャル・ヴィーガンコースをお楽しみいただきます。

「プラントベース」とは、植物由来の原材料から作られた食事のこと。
最近では健康的であるだけでなく、動物由来の食材から作られた料理に対して環境負荷が低いことから、今世界的に注目されています。また、本来食べられるにもかかわらず廃棄される「食品ロス」は年間約621万トン。これは全世界の食糧援助量の約2倍にあたります。さらに世界の食料廃棄によって発生するCO2は米国と中国に次ぎ3番目に多く、気候変動の大きな原因なっています。

この企画は、ミシュランガイド一つ星とグリーンスターを獲得したイノベーティブイタリアンレストラン「FARO」エグゼクティブシェフの能田耕太郎氏と、「ONODERA GROUP」エグゼクティブシェフでSRA-Jのプロジェクト・アドバイザー・シェフでもある杉浦仁志氏をパネリストに迎え、食の背景にある環境的・社会的な課題意識と、それらに対するソリューションへの考え方をお聞きしながら、なぜ「プラントベース」の食事を提供しているのか、クリエイションの源泉について深掘りしていきます。

トークセッションの後は、パネリストのシェフ2名によるヴィーガン料理と、「FARO」のシェフパティシエ加藤峰子氏によるデザートをご堪能いただきます。食材は、生産者・レストラン・企業をつなぎ、規格外食材の利用を促進する「株式会社フードロスバンク」からもご提供いただきます。 

持続可能な食の未来を、シェフのトークと料理を味わいながら一緒に考えてみませんか?

【日時】2022年2月16日(水)11時開場/11時30分開演15時終了予定
【会場】「FARO(ファロ)」 (東京都中央区銀座8丁目8−3 東京銀座資生堂ビル10F)
【会費】¥18,000(税・サ込)
【メニュー】食材ロス削減をテーマにしたスペシャル・ヴィーガンコース+ノンアルコール・ペアリングドリンク

【タイムテーブル】
11:00 開場・受付
11:30 開演・SRA-Jについてのご紹介
11:40 能田シェフ・杉浦シェフによるトークショー
12:40 コラボレーションによるスペシャル・ヴィーガンコースのご提供
15:00 終了予定

【登壇者】
●「FARO」エグゼクティブシェフ 能田耕太郎氏
●「ONODERA GROUP」エグゼクティブシェフ 杉浦仁志氏
● 「一般社団法人 日本サステイナブル・レストラン協会 」代表理事 下田屋毅

【こんな方におすすめ】
● 食のサステナビリティの重要性を理解したい方、実際に取り組みが知りたい方
● トップシェフのサステナブルな取り組みに関心がある方
● 「未来のレシピ」や「これからの美食」について、一緒に考えたい方

【定員】大好評につき満席となりました
【主催】一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会

【お申込み方法】下記のURLまたはからお申込みをお願いいたします。

 ※当日の様子を撮影することがございますのでご了承ください。
 ※相席にになることもございますのであらかじめご了承ください。

【登壇者プロフィール】
「FARO」エグゼクティブシェフ 能田耕太郎氏

愛媛県生まれ。1999年に渡伊。2007年までイタリアの名店で修業を積み、その後、現地でシェフとして活躍。2013年、「ノーマ」(コペンハーゲン)など最高峰の北欧料理店での研修を経て再びイタリアへ。自身が共同経営するローマの「bistrot64」では、ネオビストロのスタイルで人気を支える。2016年11月『ミシュランガイド・イタリア 2017』 にて二度目の一つ星を獲得。イタリア料理のシェフとして二度の評価を得るに至った初の日本人となる。2017年には「テイスト・ザ・ワールド(アブダビ)」の最終コンペティションにローマ代表として出場し優勝。「ファロ」では、風情や旬を大切にする日本文化の中、イタリアで培ってきたことを東京・銀座で発揮し、自身の感性とチーム力で“お客さまが楽しむレストラン”を創り上げていく。「ミシュランガイド・東京 2021」にて一つ星を獲得。「ミシュランガイド・東京2022」にてグリーンスターを獲得。

「ONODERA GROUP」エグゼクティブシェフ 杉浦仁志氏

大阪府生まれ。2009年に渡米し、料理業界のアカデミー賞とされる「ジェームス・ビアード」受賞シェフであるジョアキム・スプリチャル氏のもと、 LA・NYCのミシュラン星つきレストランで感性を磨き技術を習得。2014年から2年連続で、国連日本代表団レセプションパーティーにて日本代表シェフを務める。海外で培った国際的な食経験を通じ、日本におけるヴィーガン・プラントベース調理の第一人者として活躍。多数の受賞歴を持つ。現在は“Social Food Gastronomy”を提唱し、より多角的な視野から社会貢献とイノベーションを展開。2050年に向けた次世代のシェフモデルとして注目されている。SRA-Jプロジェクト・アドバイザー・シェフ。

 

【株式会社フードロスバンク】
フードロスバンクは、多くの人を繋げることにより、食品ロス削減から始まる環境改善を目指し2020年9月に設立されました。「多様性を尊重し・循環性があり・持続可能である事」この3つを軸に活動をしています。 サーキュラーチェインの中で誰も取り残されることなく、人や食物、生物の多様性を活かしながら、社会課題の解決と同時に地球を支える企業なども経済成長できるスキーム、また個々も一人の力を信じて参加できるモデルを目指し、未来のために地球人としての義務を果たしていきます。  
https://www.foodlossbank.com/

 

(この企画は、地球環境基金の助成金を受けて開催しております)