アワビが「絶滅危惧種」に!今後、保護を求める動きが出る可能性も

アワビが「絶滅危惧種」に!今後、保護を求める動きが出る可能性も

各国の政府や環境団体などでつくる「国際自然保護連合」(IUCN)は世界の生き物の絶滅危険度を評価したレッドリストの最新版を昨年12月9日に公表しました。高級食材であるアワビですが、日本で採取される3種(クロアワビ、メガイアワビ、マダカアワビ)を含む20種が絶滅危惧種に選定されました。日本で採取される3種は、近い将来に野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危機(EN)」と評価されており、3段階ある絶滅危惧種のランクのうち、2番目に深刻な評価となっています。主な要因に乱獲や密漁、気候変動や環境汚染などが挙げられています。

カナダ・モントリオールで2022年12月7日~12月19日まで開催された国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)の会場で発表され、IUCN事務局長ブルーノ・オベール氏は「人間の持続可能でない活動が、世界の海洋生物を大規模に死なせる最悪の事態を招いている」と、述べました。レッドリストに法的な拘束力はありませんが、今後、保護を求める動きが出る可能性があるといわれています。

 

【参照サイト】“高級食材”3種類のアワビ レッドリストの絶滅危惧種に指定

【参照サイト】IUCNレッドリスト

ベターミートとは?

ベターミートとは?

「Food Made Good サステイナビリティフレームワーク」の10項目の中に「より多くの野菜とベターミートの使用」という項目があります。ベターミートとは一体何を意味するのでしょうか?今回は、ベターミートについて詳しくご紹介するだけでなく、コミュニティアプリ内にベターミートの調達先のリストも掲載しました!ぜひ参考になさってください。

養殖魚に対する不安を解消する

養殖魚に対する不安を解消する

参考記事:https://www.foodmadegood.org/conquer-your-fears-about-farmed-fish/

ロレイン・ギャラガー( Aquaculture Stewardship Council(水産養殖管理協議会)の英国とアイルランドの市場開発マネージャー)

ASCとはMSCのような天然の水産物だけでなく、養殖による水産物にも、MSCと同様に認証する仕組みがあります。「ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)」は養殖版の認証制度です。

ホスピタリティ関係者(ホテルや旅館、レストランなどの飲食産業など)が養殖魚に対して抱く心配や誤解を解くことが、私たち養殖管理協議会(ASC)の使命です。 

国際的に水産物の養殖は、残念ながら過去に悪い評判がありました。しかし、責任ある養殖を実践している養殖場は世界中に何千とあり、一部の非倫理的な養殖業者のせいで、責任を持って業務を行なっている業者の仕事が妨げられてしまっています。私たちASC(水産養殖管理協議会)の仕事は、どういった養殖が良いのか、責任があるかの基準を常に設定し、評価を行いできるだけ多くの養殖場にその基準を目指して努力してもらい、私たちの認証を受けるよう奨励しています。

養殖の評判を上げるためには、「養殖」という言葉から恐怖心を取り除き、正しい基準を守っていけば、養殖魚は健康的でおいしく、責任ある選択になることを示す必要があります。今年の最もエキサイティングだったニュースは、現在30以上のスコットランドのサーモンの養殖場がASC規格に認証されているか、認証取得のための初期審査中であるということです。これは、英国のシェフが、責任を持って地元で生産されたサーモンを選ぶことができるということを意味します。
(SAR-J補足:日本においてASC認証を取得した養殖場は90あります。こちらから確認することができますので調達の際の参考になさってください。)

 

養殖は、世界中で食される魚介類の半分以上を生産しており、将来、急速に増加する世界の人口に健康的で安価なタンパク質を供給し、危機に瀕した野生資源を保護するために不可欠なものとなるでしょう。また、エネルギー、淡水、土地をあまり必要としない傾向にあるため、陸上の食肉に代わるタンパク源にもなっています。サーモンの需要は今後も衰えることはなく、養殖サーモンはその需要を満たすための唯一の選択肢となります。

グラフ:(ASC HPより引用)

 

多忙な外食産業従事者にとって、養殖魚に関する環境、倫理、動物福祉の基準をすべて把握し、どのように供給されているのかを監視し、何を質問すべきかを知ることは、非常に困難なことでしょう。そこで、私たち(ASC)は英国サステイナブル・レストラン協会と協力して、持続可能な養殖ガイドを作成していく予定です。(SRA-J補足:WWFジャパンからはお魚ハンドブックが発行されていますので是非参考になさってください。)

 

ASC認証養殖場の養殖魚は、環境要素だけでなく、動物福祉や社会的責任も含む、世界で最も厳しい基準をクリアしなければなりません。私たちが守っている基準の一部を簡単にご紹介します。

動物福祉

「海シラミ」の一種のサケジラミ(Lepeophtheirus salmonis)の管理:サケジラミはおそらく反養殖運動家が一番に口にする問題であり、重要な問題です。サケジラミは魚が密集しているサケの個体群に蔓延し、養殖サケの身体的な健康を損なうだけでなく、野生のサケの個体群にも広がる可能性があるのです。私たちの基準では、一般的および希少な海シラミのレベルを監視し、発生を最小限に抑えるために多くの対策を行なっていますが、これらを防ぐためには特定の薬のみ認可されているなどなど、非常に厳しい条件があります。生産者は、サケの生存率が上がるように、養殖場を管理する必要があります。

 

環境

汚染:ASC認証を受けたサーモン養殖場は、様々な水質パラメータ(リン、酸素濃度など)を定期的に測定し、設定された範囲内に収めることが要求されます。責任ある養殖は、(EU水枠組み指令などで)「良好」または「非常に良好」と分類された水域でのみ行うことができます。さらに、水域への銅の放出は最小限にとどめ、監視していかなければなりません。

 

社会

公正な労働: 私たちの認証は、国際労働機関(ILO)の基本原則に基づく厳しい要件を課しています。児童労働やあらゆる形態の強制労働が禁止されています。ASC認証養殖場はすべて、安全で公平な労働環境であり、従業員は適正な賃金を得て、決められた労働時間内で働ける環境となっています。また、生産者は地域社会と協議し、潜在的な健康リスクについて知らせ、重要な情報へのアクセスを提供する必要があるのです。

エネルギーコストの上昇に対し、持続的に対処する方法

エネルギーコストの上昇に対し、持続的に対処する方法

参考記事:https://www.google.com/url?q=https://www.codehospitality.co.uk/sponsored/how-to-tackle-rising-energy-costs-sustainably/&sa=D&source=editors&ust=1669262827867963&usg=AOvVaw38Ny26Cz1C1Pfc46-N9gy4

 2022年5月に、イングランド銀行が年末までにインフレ率が10%に上昇すると予測したとき、それがそれほど衝撃的でなかったのは、今の経済状況を物語っています。今、レストランを経営している人は、一律10%の値上げを提示したら反感を買うでしょう。多くの人が直面している現実は、もっと悲惨だからです。

私たちは、さまざまなコストのプレッシャーについて思い出す必要はほとんどないでしょうが、ここでは、エネルギー料金の高騰、食品価格の高騰、過去数十年間見られなかった賃金上昇の3つを簡単に挙げておきます。

 

コロナのパンデミックを乗り切るためのガイドがなかったように、レストラン経営者にとっても、このコスト高騰に備えるものは何もありません。

 

ウクライナ戦争とコロナの影響により、2022年後半以降、歴史的なエネルギー価格の高騰が生じています。現時点でのインフレ圧力の強さは極端ですが、気候危機のため、変動性は当面続く可能性が非常に高いというのが実情です。日本の現状においても、大手電力会社は、今年5月の電気料金の値上げを発表し、過去5年間で最も高い水準になっています

 

サステイナブル・レストラン協会(SRA)は、ホスピタリティ産業(飲食・宿泊業など)を人と地球に配慮した未来に向けてさらに加速させることを約束する組織です。

ここではで、今こそビジネスの将来を見据え、財務的な負担を軽減する機会を提供するだけでなく、レストランが環境に与える影響を軽減し、労働力にも良い影響を与えるような取り組みに投資することをご紹介していきます。

 

エネルギーアナリストのコーンウォール・インサイトの調査によると、2022年の最初の3カ月間に中小企業が支払ったガス料金は、2021年の同時期に比べ250%高かったといいます。

 

このセクターのエネルギーコストは、この危機の前からすでに十分に高く、合計で年間13億ポンド以上(約2184億円)、炭素排出量は800万トンにのぼります。UK Power(英国の電力会社)の試算によると、英国のレストランの総支出の5%がガスと電気に費やされる可能性があります。そして、それは増加の一途をたどっています。

 

フードサービス・エクイップメント・アソシエーション(英国最大の独立したフードサービス機器の業界団体 )のキース・ウォーレン 氏は、設備投資にまだ慎重な企業にとって、リースの選択肢がますます広がっていることを示唆しています。

 

「厨房を羨ましく思うことはよくあることです。シェフが働きたくなるような厨房を作ることで、スタッフを引き付け、定着させることができます。シフトの終わりにレンジの焦げを落とす代わりに、拭き掃除をすればいいのです」。

設備投資が困難な場合でも、電気代を節約し、二酸化炭素排出量を削減する方法はたくさんあります。具体的な方法としては、以下のようなものがあります。

 

掃除

カーボントラストは、エネルギーコストの20%が非効率的な機器によって浪費されていると推定しています。フィルターが汚れた冷蔵庫は、新品時より25%エネルギーを消費し、スケールの大きい暖房器具は、温度に達するまでに50%以上のエネルギーとかなり多くの時間を消費します。

大切なことは、主要な機器の清掃と点検を行うことです。

 

賢く使う

レストランの中でガスや電気を最も消費しているのは何か、ご存知ですか?

そうでない場合は、スマートメーター(毎月の検針業務の自動化などで電気使用状況の見える化を可能にする電力量計です)を設置しましょう。日本でもさまざまな電力会社が導入を進めています。ぜひお近くの電力会社に問い合わせしてみてください。

 

チームの力を引き出す

光熱費の請求書をチームで共有し、エネルギーやコスト削減の方法を考えたり、基本的な行動を見直すことで、チームのモチベーションを高めることができるかもしれません。

 

スイッチを入れる

まだ従来の電球を小型蛍光灯(CFL:Compact Fluorescent Light)に交換していないなら、今すぐ交換しましょう。標準的な電球に比べ、消費電力が75%少なくなります。

 

グリーン化

コストをかけずにレストランの二酸化炭素排出量に大きな影響を与える方法として、100%再生可能エネルギーの料金体系に切り替えることに匹敵するものはありません。実際、SRAのパートナーでもあるネットゼロナウが行った「ネット・ゼロ・レストラン」の取り組みを完了したロンドンのレストランでその効果を計算したところ、なんと年間600トンもの二酸化炭素を削減することができました。

 

以上、エネルギー価格が高騰している今とこれからを乗り切るためのヒントをご紹介しました。