各国の政府や環境団体などでつくる「国際自然保護連合」(IUCN)は世界の生き物の絶滅危険度を評価したレッドリストの最新版を昨年12月9日に公表しました。高級食材であるアワビですが、日本で採取される3種(クロアワビ、メガイアワビ、マダカアワビ)を含む20種が絶滅危惧種に選定されました。日本で採取される3種は、近い将来に野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危機(EN)」と評価されており、3段階ある絶滅危惧種のランクのうち、2番目に深刻な評価となっています。主な要因に乱獲や密漁、気候変動や環境汚染などが挙げられています。

カナダ・モントリオールで2022年12月7日~12月19日まで開催された国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)の会場で発表され、IUCN事務局長ブルーノ・オベール氏は「人間の持続可能でない活動が、世界の海洋生物を大規模に死なせる最悪の事態を招いている」と、述べました。レッドリストに法的な拘束力はありませんが、今後、保護を求める動きが出る可能性があるといわれています。

 

【参照サイト】“高級食材”3種類のアワビ レッドリストの絶滅危惧種に指定

【参照サイト】IUCNレッドリスト