【2/16(水)開催】初のフォーハンズ・サステナブルダイニング「持続可能な食の未来 “Future Dining Table”」

【2/16(水)開催】初のフォーハンズ・サステナブルダイニング「持続可能な食の未来 “Future Dining Table”」

SRA-Jは2022年2月16日(水)、「持続可能な食の未来 “Future Dining Table”」を開催いたします。

今回の企画では、SRA-Jの持続可能性の評価項目にもある「プラントベース」と「食品ロス削減」をテーマに、トップシェフ2名にお話いただき、実際にシェフが腕を振るった、この日限りのスペシャル・ヴィーガンコースをお楽しみいただきます。

「プラントベース」とは、植物由来の原材料から作られた食事のこと。
最近では健康的であるだけでなく、動物由来の食材から作られた料理に対して環境負荷が低いことから、今世界的に注目されています。また、本来食べられるにもかかわらず廃棄される「食品ロス」は年間約621万トン。これは全世界の食糧援助量の約2倍にあたります。さらに世界の食料廃棄によって発生するCO2は米国と中国に次ぎ3番目に多く、気候変動の大きな原因なっています。

この企画は、ミシュランガイド一つ星とグリーンスターを獲得したイノベーティブイタリアンレストラン「FARO」エグゼクティブシェフの能田耕太郎氏と、「ONODERA GROUP」エグゼクティブシェフでSRA-Jのプロジェクト・アドバイザー・シェフでもある杉浦仁志氏をパネリストに迎え、食の背景にある環境的・社会的な課題意識と、それらに対するソリューションへの考え方をお聞きしながら、なぜ「プラントベース」の食事を提供しているのか、クリエイションの源泉について深掘りしていきます。

トークセッションの後は、パネリストのシェフ2名によるヴィーガン料理と、「FARO」のシェフパティシエ加藤峰子氏によるデザートをご堪能いただきます。食材は、生産者・レストラン・企業をつなぎ、規格外食材の利用を促進する「株式会社フードロスバンク」からもご提供いただきます。 

持続可能な食の未来を、シェフのトークと料理を味わいながら一緒に考えてみませんか?

【日時】2022年2月16日(水)11時開場/11時30分開演15時終了予定
【会場】「FARO(ファロ)」 (東京都中央区銀座8丁目8−3 東京銀座資生堂ビル10F)
【会費】¥18,000(税・サ込)
【メニュー】食材ロス削減をテーマにしたスペシャル・ヴィーガンコース+ノンアルコール・ペアリングドリンク

【タイムテーブル】
11:00 開場・受付
11:30 開演・SRA-Jについてのご紹介
11:40 能田シェフ・杉浦シェフによるトークショー
12:40 コラボレーションによるスペシャル・ヴィーガンコースのご提供
15:00 終了予定

【登壇者】
●「FARO」エグゼクティブシェフ 能田耕太郎氏
●「ONODERA GROUP」エグゼクティブシェフ 杉浦仁志氏
● 「一般社団法人 日本サステイナブル・レストラン協会 」代表理事 下田屋毅

【こんな方におすすめ】
● 食のサステナビリティの重要性を理解したい方、実際に取り組みが知りたい方
● トップシェフのサステナブルな取り組みに関心がある方
● 「未来のレシピ」や「これからの美食」について、一緒に考えたい方

【定員】大好評につき満席となりました
【主催】一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会

【お申込み方法】下記のURLまたはからお申込みをお願いいたします。

 ※当日の様子を撮影することがございますのでご了承ください。
 ※相席にになることもございますのであらかじめご了承ください。

【登壇者プロフィール】
「FARO」エグゼクティブシェフ 能田耕太郎氏

愛媛県生まれ。1999年に渡伊。2007年までイタリアの名店で修業を積み、その後、現地でシェフとして活躍。2013年、「ノーマ」(コペンハーゲン)など最高峰の北欧料理店での研修を経て再びイタリアへ。自身が共同経営するローマの「bistrot64」では、ネオビストロのスタイルで人気を支える。2016年11月『ミシュランガイド・イタリア 2017』 にて二度目の一つ星を獲得。イタリア料理のシェフとして二度の評価を得るに至った初の日本人となる。2017年には「テイスト・ザ・ワールド(アブダビ)」の最終コンペティションにローマ代表として出場し優勝。「ファロ」では、風情や旬を大切にする日本文化の中、イタリアで培ってきたことを東京・銀座で発揮し、自身の感性とチーム力で“お客さまが楽しむレストラン”を創り上げていく。「ミシュランガイド・東京 2021」にて一つ星を獲得。「ミシュランガイド・東京2022」にてグリーンスターを獲得。

「ONODERA GROUP」エグゼクティブシェフ 杉浦仁志氏

大阪府生まれ。2009年に渡米し、料理業界のアカデミー賞とされる「ジェームス・ビアード」受賞シェフであるジョアキム・スプリチャル氏のもと、 LA・NYCのミシュラン星つきレストランで感性を磨き技術を習得。2014年から2年連続で、国連日本代表団レセプションパーティーにて日本代表シェフを務める。海外で培った国際的な食経験を通じ、日本におけるヴィーガン・プラントベース調理の第一人者として活躍。多数の受賞歴を持つ。現在は“Social Food Gastronomy”を提唱し、より多角的な視野から社会貢献とイノベーションを展開。2050年に向けた次世代のシェフモデルとして注目されている。SRA-Jプロジェクト・アドバイザー・シェフ。

 

【株式会社フードロスバンク】
フードロスバンクは、多くの人を繋げることにより、食品ロス削減から始まる環境改善を目指し2020年9月に設立されました。「多様性を尊重し・循環性があり・持続可能である事」この3つを軸に活動をしています。 サーキュラーチェインの中で誰も取り残されることなく、人や食物、生物の多様性を活かしながら、社会課題の解決と同時に地球を支える企業なども経済成長できるスキーム、また個々も一人の力を信じて参加できるモデルを目指し、未来のために地球人としての義務を果たしていきます。  
https://www.foodlossbank.com/

 

(この企画は、地球環境基金の助成金を受けて開催しております)

【サステナブルコラム】「世界の農家とサプライヤーの支援」

【サステナブルコラム】「世界の農家とサプライヤーの支援」

皆さま、2020年は大変お世話になりました。2021年もどうぞよろしくお願いいたします。

SRA-J YOUTHの冨塚由希乃がお届けしている「サステナブルコラム」シリーズは、SRA-Jが飲食店に実施しているレーティングの指標の10項目に基づきお届けします。

さて、今回はSRAのサステナビリティにおけるフレームワーク「調達」の分野から。

開発途上国などにおいて生産者の人権や環境を守りながら、公正に取引された農産物などを調達する『世界の農家とサプライヤーの支援』を取り扱います。

サプライヤーの支援にはフェアトレード以外の意味も含まれますが、あえて今回フェアトレードに焦点を当ててご紹介いたします。

フェアトレードには、
・作り手の人権の尊重
・強制労働や児童労働の排除
・公正な取引
・環境保全への配慮
など、SDGsに関連した要素が多く盛り込まれています。

そのため、背景にあるたくさんの課題を深掘りできるワードでもあります。

また、フェアトレードと聞くと、コーヒーや紅茶が頭に思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。

しかし、チョコレートや砂糖、スパイスやナッツ類、調理オイルといった原材料や、それらで作られたクッキーや味噌、タオルなどの繊維製品にいたるまで、どの飲食店でも扱うアイテムに、国際フェアトレード認証の商品を選ぶ選択肢があります。

食べ物以外にもフェアトレードの認証がある事に、少し驚きを感じました。

この国際フェアトレード認証がイギリスで広まったきっかけは、2012年のロンドンオリンピックと言われています。

東京2020オリンピック・パラリンピックにおいても、同組織委員会が定める「持続可能性に配慮した農産物の調達基準」に国際フェアトレード認証が認定されました。
しかし、ロンドンオリンピックを機にイギリスのフェアトレード市場が3倍まで膨らんだのに対して、日本では広がりがイギリスほどは加速していないように感じます。

2021年はSRAもフェアトレード・ラベル・ジャパン主催のフェアトレード「ミリオンアクション・キャンペーン」に参加し、加盟店においても公正な取引を行う原材料の調達を積極的に行なっていますが、日本全体の飲食店ではまだまだ浸透していないのが現状です。

イギリスのようにチェーン店などの多くの飲食店でフェアトレードのアイテムを積極的に取り入れる調達方針が広がれば、消費者の認知にもつながり、ファンを獲得し選ばれるお店作りができると感じています。

*参考
【わかちあいプロジェクト】
フェアトレード、 難民支援、 自立支援の3つの分野で活動している国際協力NGOです。
国際フェアトレード基準に従った生産者とのフェアな取引により、 多種多様なフェアトレード商品・原料を輸入・販売しています。
https://wakachiai.jp/

【サステナブルコラム】『ミシュランガイド東京2022』でグリーンスターを獲得した加盟店は?

【サステナブルコラム】『ミシュランガイド東京2022』でグリーンスターを獲得した加盟店は?

一年も終わりに近づいてきました。

この時期、多くのレストランや美食家たちが最も注目するのは、今年の『ミシュランガイド』にどんなレストランが選ばれたかということでしょう。

嬉しいことに、先日発表された『ミシュランガイド東京2022』において、SRA-J加盟レストラン2店舗がグリーンスターを獲得されました!

昨年からミシュランガイドは、「持続可能なガストロノミー」を最前線で実践する飲食店・レストランの取り組みにも光を当て、“真に献身的で革新的な慣行を行う施設”を「グリーンスター」として紹介しています。

今年は全部で14店舗が獲得し、SRA-J加盟レストランの中では、

・ロオジエ(L’Osier
・ファロ(FARO)

の2店舗が初のグリーンスターを獲得されました。

ロオジエでのサステイナブルな取り組みは多岐にわたりますが、中でも以下の取り組みを実践されています。

「ロオジエで使われる多くの食材は、持続可能な漁を実践している漁師さんからの一本釣りの魚や環境に配慮した養鶏場からの地鶏・卵、有機無農薬栽培の畑からの野菜などを使用しています。

また、キッチンから出る油(廃油)をリサイクルして作られた石鹸や99%リサイクルビニールのゴミ袋を使用するなど、身近なことから取り組みを進めながら、日々進化しています。」

 

FAROでは、サステイナブルな取り組みの一つとして、ヴィーガンコースも用意しています。

ヴィーガンの方のみに限定したコースではなく、「美味しく食べて、体の中から美しく」をコンセプトにヴィーガン料理の可能性を広げています。

ヴィーガンという言葉自体が先進時なもの、海外から来たものというイメージが強いですが、FAROのエグゼクティブシェフである能田シェフは日本の精進料理にも繋がりを感じ、食の制限ととらえるのではなく新しい表現として捉えています。

また、食にかかわらず生産者とのつながりも大事に、お店で取り扱う食器や装飾なども日本の伝統的な匠の技にこだわり取り揃えています。

SRA-Jでは包括的なサステナビリティの評価を行うことで、各レストランの取り組みを可視化し、その上でより持続可能な運営をするサポートするため、加盟レストラン同士や企業パートナーのコミュニティの醸成、サステナビリティのフレームワークに関するイベントを行ってきました。

こうした私たちの活動にご賛同いただき、サステナビリティを推進してこられた2店舗のグリーンスターの獲得は、他のレストランはもちろん、消費者をインスパイアし、よりポジティブなインパクトを生み出すきっかけになると信じています。

 

【FOOD MADE GOOD:サステナビリティへ向かう飲食店の取り組み紹介】

・ロオジエ:シェフ自らが模索する、環境再生型の農法。銀座の三つ星フレンチレストランのサステナビリティ  

・ファロ:革新を生み出し、伝統を継承する。FAROのシェフがこだわる「器」のストーリー

ファロ: 食品ロス問題をスイーツで表現。東京銀座FAROのシェフが語るサステナビリティとは?

【参照記事】 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002070.000005794.html

 

「食」の分野におけるCOP26の成果と課題

「食」の分野におけるCOP26の成果と課題

(画像元:https://ukcop26.org)

この記事は英国SRAのニュースを翻訳し抜粋たものです。

先月イギリス・グラスゴーで開催された気候変動対策に関する最も重要な国際会議『COP26』は、いくつかの成果はあったものの、多くの課題を残したまま閉幕しました。 

 

・ブルーゾーンの議題に「食」はありましたか?  

国連関係者や各国代表が出席する主要な会議「ブルーゾーン」の議題に「食」に関する項目があり、COPで初めて議論がなされました。フードシステムは温室効果ガス排出量の約25%を占めていますが、その議論は充分ではありませんでした。

その中でも、いくつかの措置が講じられました。米国は、アラブ首長国連邦とともに、気候変動のため農業イノベーションミッションに向けて10億ドルの投資を公約。農業と食料システムの革新的な解決策のため、30カ国が署名しました。さらに、 米国は 一部の農業慣行の変更を実施することにより、2030年までに炭素排出量を2005年の半分に削減することを約束しました。また、米国とEUは、牛肉や米の生産で多く発生する温室効果ガス、メタンの排出削減のグローバルなパートナーシップを発表しました。

また、政策施行のためのアジェンダの一部として 、政府は気候変動に配慮した農業慣行への移行を促しました。残念ながら、このアジェンダには16か国しか関与していませんでしたが、これらの国には大規模な温室効果ガス排出国が含まれており、その合計は、農業における世界の温室効果ガス排出量の10%に相当します。また英国は、 開発途上国がより持続可能な農業システへの移行をサポートするために、 6,500万ポンドの農業支援プログラムを開始しました。 

 

・他のゾーンの議題で「食」について語られましたか?

他のゾーンやCOP26に関連して開催されたイベントでは、フードシステムに関する多くの議論がありました。サステナブルイノベーションゾーンでは、サプライチェーン、農法、包装方法などのシフトに取り組んでいるさまざまな企業や組織から話を聞くことができました。「Net Zero Now」のパートナーが主催する「Forget 2050:Net Zero Now」などのイベントでは、低炭素型の未来に移行する議論の中心に「食」と「ホスピタリティ」に関するトピックがありました。グリーンゾーンでも「食」だけが議論の焦点では​​ありませんでしたが、頻繁に言及されました。確かに、「食」は気候危機において大きな課題でしたが、だからこそ解決のために大きな役割を果たすことができます。  

 

・農民の声はどこにありましたか? 

ブルーゾーンで は、南部アフリカ農業連合連合(SACAU)のCEOが、「万能の解決策はあり得ない」という理由で、農民に目標を伝えることにリスクがあると警告しました。ソリューションがもたらす影響は、農家と消費者に対して同じとは限りません。畜産は地球環境に負荷を与えていますが、何億人もの人々が畜産の分野で生計を建ていることを言及しました。開発途上国の農民のほとんどがほぼ貧困状態にあることを私たちは知っています。 食品が世界最大の産業の1つであることも皮肉なことですが、それは農民にとって非常に悪い結果をもたらしています。

同様に、持続可能なイノベーションゾーンでのアグリフードサミットの講演の1つ、ケニアのフェアトレードフラワープロデューサーであるメアリーキニュアは、ブルーゾーンでは、農民の慣行を変えることについて決定がされるなか、農民自身がこれらの議論に加わることがないことに対し不満を表明しました。農民の理解が得られなければ実効性がありません。メアリーは「農民の話を聞いてください。私たちは皆さんが求めるコンテキストの中にいます。私たちはソリューションの一部になりたいと思っているのです」 と代弁しました。

 

・私たちがすべきことは? 

行動を変えましょう。 個人として、食生活を変え、持続可能なビジネスを支援し、政策に対しても声をあげましょう。ビジネスに対しても同じことが言えます。企業がどれほど温室効果ガスの排出量を大幅に削減できるか、そのインパクトは非常に大きいのです。  

コラボレーションしましょう。世界の排出量とローカルアクションの間のギャップを埋め、一緒に持続可能な未来を作るためにコラボレーションは不可欠です。

あなた自身が希望です。COP26の目標、世界の平均気温の上昇を1.5度に抑えるためには、すぐに行動を起こす必要があります。それは私たち地球市民ひとりひとり、あなたが注文する次の食事、またはあなたが創り出すメニューからはじまります。

【サステナブルコラム】「エネルギー資源の有効活用」

【サステナブルコラム】「エネルギー資源の有効活用」

こんにちは、SRA-J YOUTHの冨塚由希乃です。この「サステナブルコラム」シリーズは、SRA-Jが飲食店に実施しているレーティングの指標の10項目に基づきお届けします。

今回のサステナブルコラムは、SRA-Jで位置付けているフレームワークの「環境」から。エネルギー効率を改善し、資源を節約し、環境を保護し、水の使用を管理して、コストを節約し環境影響を減らす「エネルギー資源の有効活用」をテーマにお届けします。

飲食店のサステイナビリティを考える際に、エネルギー問題は一見見落としがちです。
しかし実は飲食店の経営自体にも直結する部分も持っています。

というのも、節電や電力会社の見直しをする事で、長期的に見ると大幅にコスト削減ができる部分でもあるのです。

以下は農林水産省の資料の事例ですが、これだけでも経費削減、さらには経営の安定化に繋がる事が分かります。

1日の売り上げを25万円(750万円/月)とすると…
年間売り上げ: 9,000万円、年間光熱費(5%): 450万円

年間光熱費の10%を削減したとすると…
削減金額: 450万円×10%=45万円 の年間利益を確保

利益率3%とした場合…
1年間あたりの売り上げを1,500万円伸ばしたのと同等の効果

つまり、光熱費を1万円削減すれば、33万円の売り上げに相当します。

この通り試算してみると違いがわかりやすくなるでしょう。
でもすでに節電対策はしていてコストを削っている!という飲食店も多いかと思います。

節電だけでなく、電力の見直しをする事で下がるコストもあります。

『飲食店は電力を選んで差別化する時代!みんな電力が目指す、サスティスナブルな電力供給とは?』

上の記事では、飲食店が再生可能エネルギーを使用した電力を選ぶことで、費用削減だけでない社会への貢献や人材雇用にも繋がることが示唆されています。

選挙の投票と同じように、どの電力を選ぶかが、社会やマーケットに対する大事な一票になります。

日々の節電と、使うエネルギーを見える化し見直しする事が、事業と地球へサステイナビリティにつながるのではないでしょうか。

(参考記事)

・エコマーク「飲食店 Version1」
https://www.ecomark.jp/restaurant/505V1_b.pdf

・飲食店は電力を選んで差別化する時代!?みんな電力が目指す、サスティスナブルな電力供給とは?
https://food-stadium.com/special/27661/