SRAジャパンは、2024年1月の能登半島地震から、多くの方から寄付金をお預かりし、関係機関と連携しながら、料理人の派遣や資金提供という形で炊き出しを行い、被災地を支援してまいりました。最近では、災害直後の「命をつなぐ糧」から、「心を元気にする食」に支援のフェーズが変化してきています。

そのため、今回の輪島訪問では、心の栄養に加え、飲食店やコミュニティを応援することをテーマに、輪島市内でいち早くコミュニティの拠点として営業再開された、hosibosi coffeeさんをベースに、地域のみなさまにスイーツを楽しんでいただくイベント「FOOD MADE GOOD PROJECT : NOTO POP-UP ー  こころとからだを想うスイーツとともに」を開催しました。

シェフパティシエの加藤峰子さんと平瀬祥子さん

たくさんの手作りスイーツを携えて参加してくださったのは、シェフパティシエの加藤峰子さんと平瀬祥子さんです。

加藤峰子 シェフパティシエ

2024年の「ASIA’S 50 BEST RESTAURANTS」の「Asia’s Best Pastry Chef 2024, sponsored by Valrhona 」をはじめとする、数々の賞を受賞し世界レベルで注目されている加藤峰子さん。ペイストリーシェフをつとめるレストランFAROでは、スイーツに使用する食材の7−8割を、石川県産のものを使用されていらっしゃるそうです。今回の輪島訪問には特別な思いを持って参加してくださいました。

平瀬祥子 シェフパティシエ

平瀬祥子さんは、2020年にフランス発祥のレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」でベストパティシエ賞を受賞され、8年連続でミシュラン 一つ星を獲得している東京・東麻布のフレンチ「レストラン・ローブ」でデザートを手がけるほか、石川県金沢市でもお店を構えていらっしゃいます。石川県は第二の地元でもあり、平瀬さんもまた、被災地訪問について特別な思いをもって参加してくださいました。

チョコレートで幸せな気持ちになっていただきたい

「厳しい冷え込みに見舞われる輪島のみなさまに、少しでも暖かな、幸せな気もちになれるようにと、心を込めてお作りしました。」と語るのは、加藤峰子シェフパティシエ。

今回、お二人がフォーカスした素材はチョコレート。非日常な日常を送る被災地の方に、食べて欲しいから。チョコレートに含まれる必須アミノ酸のトリプトファンは、幸せホルモン「セロトニン」の分泌を活発化させ、抗うつ作用があり、特にハイカカオはその成分が多く含まれているそう。

加藤さんの輪島訪問への思いを聞いて、真っ先にサポートを申し出てくださったのは、フランスの老舗ブランド ヴァローナジャポン様。ヴァローナ様からは、2種類のチョコレートをご協賛いただき、2人のシェフパティシエがとても贅沢なで素晴らしい味わいのホットチョコレートに仕上げてくださいました。

能登の牛乳を調達し生産者の支援も

能登ミルクさんは、石川県七尾市のジェラートが名物のカフェ。こちらで使われているのは、能登半島で無農薬の牧草だけで育てられた牛のミルクだそうです。今回のホットチョコレートのために160本の牛乳を購入しました。

復興を目指す、輪島工房長屋の店先で

周辺の家屋が倒壊する中、しっかり残った輪島工房長屋。この一角で営業するHosibosi coffeeさんをイベント会場に。

「ひさしぶり!」地域の方が顔を合わせる機会にもなり、あちこちで笑顔で会話される姿が見られました。

販売したスイーツは、ビスケットとガトーショコラと焼きもなか。また心掛けたのは、販売イベントにすること。トップシェフが作るスイーツを、通常価格よりお得な価格に設定。ホットチョコレートは、無料配布です。

加藤峰子さんのイルビスコットーネ(写真:手前左の2つ)
イタリアでは大きなビスケットのことをそう呼ぶそう。とてもシンプルだけど生活にそっと寄り添える愛情たっぷりのビスケットで「食べると幸せになれる」のだとか。プレーンとチョコレートの2種。

平瀬祥子さんの焼きもなか(写真:手前右)
北陸産の米を使用したサクサクのもなかの皮に、ポン菓子やナッツやチョコレートが詰まっています。棒ほうじ茶ショコラ、ソルトショコラ、紅茶ショコラの3種。

平瀬祥子さんのガトーショコラとテリーヌショコラ(写真:奥)

フランスの老舗ヴァローナののチョコレートを使い、丁寧に焼き上げ、しっとりした味わいに。

近くで居酒屋「mebuki」を営む、ミシュラン一つ星のフレンチレストラン「ラトリエ・ドゥ・ノト」の池端シェフも遊びにきてくださいました。

どんどん人が集まり、笑顔があふれてきます。

前を通る車を呼び止めて。

今回イベント会場をコーディネイトしてくださった、輪島でいしるの製造販売を行うへぐら屋の岩崎さんご夫婦。震災後、事業再開に向けて活動されていますが、まだまだ時間がかかりそうです。ただいまクラウドファンディングに挑戦されています!

Hosibosi coffeeの山崎里香さん(写真右)心を込めて焙煎したおいしいコーヒーと居心地の良い空間を提供されています。

イベント終了!告知を見てきてくださった方やたまたま通りかかった方。来てくれた方が、友人や知り合いの方に知らせてくださり、時間がすぎるごとに来場者が増えて行きました。多くの方の笑顔があふれる心温まるイベントになりました。

また、今回のガスや鍋などの機材は、日本料理 冨成さんにご協力いただきました。

輪島のみなさま、ありがとうございました。
スイーツの力で、心あたたまる幸せな時間をいっしょに過ごしていただけたなら、なによりです。
これからも応援を続けさせてください。

 

イベント概要

輪島工房長屋内で営業を再開したHosi bosi coffeeを会場に、シェフパティシエの2人が、能登の皆様に心も体も幸せになってほしいと願いを込めて作り上げたホットチョコレートを配布。厳選素材を使った体にやさしいスイーツも特別価格で販売。

タイトル FOOD MADE GOOD PROJECT:NOTO POP-UP
– こころとからだを想うスイーツとともに
日時 2024.12.19 木 10:00-15:00
会場 Hosi bosi coffee  石川県輪島市河井町4-168(輪島工房長屋)
シェフパティシエ 加藤峰子 平瀬祥子
企画・主催 日本サステイナブル・レストラン協会

食材の購入には、SRAジャパンにお寄せいただいた支援金および企業スポンサーからご提供いただいた食材を使わせていただきました。

スイーツの売上は、地元の経済復興と、外食と食文化の再建を目指し、会場となるHosibosi coffeeと、輪島 へぐら屋に、支援金として全額寄付いたしました。

 

ご協賛いただいた企業様(敬称略)

2種類の高品質なチョコレートをご協賛いただきました。  

  • タナリヴァ・ラクテ 33%

ミルキーなキャラメルの香りと、ほのかな酸味のバランスが絶妙なミルクチョコレート。ヴァローナセレクションの傘のもと取り扱っている「リパブリカ デル カカオ」というカカオ豆からチョコレートまで生まれも育ちもラテンアメリカ、というチョコレートブランド

  • マダガスカル産カカオ

エクアドル・アマゾニア 75%

エクアドルのアマゾン地域で栽培されたカカオ豆のみを使用したシングルオリジンで、高いカカオ分、アーモンドやヘーゼルナッツなどのローストナッツの甘いノートと、バランスの取れたプロファイルが特徴的。

SRAジャパン ソーシャルビジネスパートナーである、Co・En Corporation様からは、マダガスカルで、アグロフォレストリで生産されている、バニラビーンズがホットチョコレートに贅沢に使われました。アグロフォレストリとは、自然と共存し自然の力を最大限に生かす、森のような木が生い茂る農園。とても丁寧に生産されています。

石川県白山市の陶器メーカーで、SRAジャパンの企業パートナーのニッコー様には、レスウエイスト(イベント期間中、極力廃棄物を出さないこと)を目指し、マグカップは、ニッコーの食器サブスクリプションサービス「sarasub」(サラサブ)より、リース提供いただきました。sarasubとは、回収した食器のリユース・リペア・リファービッシュを通じて食器の循環を目指す取り組みです。

FOOD MADE GOOD PROJECT NOTO-POP UP

FOOD MADE GOOD PROJECT NOTO POP-UPは、これから復興フェーズに入る能登と全国各地の料理人をつなぎ、 能登の飲食店や生産者のみなさまに元気になっていただくことを目指すプロジェクト。現地の飲食店に料理人を派遣してポップアップレストランを開催したり、全国各地で 能登の食材を使ったり、能登の料理人とコラボしたPOP-UPイベントを開催するなど、 能登の応援を続けてまいります。

皆様の温かいご支援やご協力をお願いいたします。いっしょに能登を応援しませんか。