Food Made Goodは世界でどのように拡大しているのか?7つの質問

Food Made Goodは世界でどのように拡大しているのか?7つの質問

SRAの成長責任者であるウィル・ブラウニングに、SRAに出会うまでの経歴、そしてFood Made Goodが世界中のホスピタリティ業界に持続可能性のゴールド・スタンダードをどのように提供しているかについて話を聞きました。

Food Made Goodスタンダードを更新し改良することはなぜ重要だったのですか?

私はFood Made Good スタンダードの更新後にSRAに入社しましたが、スタンダードチームとの議論の中で、更新と改良の決定には非常に重要な2つの理由があったと聞きました。

まず第一に、トレンドや私たちが扱う持続可能性のトピックについての理解の変化を認定に反映させることが非常に重要です。これは、SRAが長期的に継続していかなければならないことです。私たちが社会的に先進的で環境を回復することが可能なホスピタリティ業界を推進したいのであれば、私たちが支援する企業に提供するアドバイスが、それを実現するための最新の情報を反映していなければなりません。私たちが直面している現実を反映させるために、調達、社会、環境というすべての柱に対して更新が必要でした。これには、スタッフのウェルビーイング、ダイバーシティ&インクルージョン、生物多様性、循環型社会といったトピックにさらに注力していくことも含まれます。

私たちのビジョンは、英国内だけでの活動では達成することはできないため、内容だけでなく、Food Made Goodが世界のどこの企業にも適用でき、利用できるようにすることも、スタンダードチームにとって重要なことです。私たちが組織として注力することは、地球上のあらゆる場所にあるレストランを通じて、いかに良い影響を拡大できるかということです。そして、ウェブサイトプロセスだけでなく、スタンダードを刷新することで、Food Made Goodはユーザーにとってより使いやすく、世界規模で利用できるようになりました。

今回の更新はどのように行われ、何が変わったのですか?

Food Made Goodが、飲食事業における持続可能性のために価値のある包括的かつ総合的なフレームワークであることを保証する上で、SRAは単独でこれを開発することはできませんでした。そのため、フレームワークの各分野の専門家のアドバイスや意見を取り入れ、このスタンダードが適切かつ有用で、最新のものになるように努めました。協力者は、エレン・マッカーサー財団フード・イニシアチブやWRAPといった組織から、CH&Coやハート・ウィズ・スマート・グループといったホスピタリティの専門家まで多岐にわたり、各テーマに関する専門知識と、飲食事業の運営実態に最も近い現場の人々からの洞察もバランス良く取り入れました。このような協力を得て、スタンダードチームは、その中で持続可能性を推進する上で実用的な価値を提供するフレームワークを作成することができました。

この協議とプロセスにより、最新のアドバイスとベストプラクティスの進展に基づいて、すべての柱に変更が加えられました。調達面では、範囲が拡大され、サプライヤーとの関係やトレーサビリティなど、より深く掘り下げることができるようになりました。社会面では、専門職の育成や雇用の安定に関する情報がより多く求められるようになったほか、企業が地域社会とどのように関わっているかをより詳細に調査するようになりました。また、環境面では、気候変動危機への対応が急務であることを反映し、二酸化炭素排出量に重点を置き、汚染に関する項目を新設しました。

FMGスタンダードの最も独特でユニークな部分は何だと思われますか?

ホスピタリティビジネスをより持続可能なものにするための支援手段として、Food Made Goodには独特な2つの側面があります。1つ目は、スタンダード自体が飲食ビジネスに特化してデザインされていることです。飲食業界の目的にそぐわない、理想主義や達成不可能な評価基準などではなく、この業界を熟知し、微妙なニュアンスを理解する人々によって構築されているため、私たちが厨房で直面する現実的な課題を反映しています。

そして、これらの課題をしっかり反映しているだけでなく、どうすれば改善できるかという具体的で実践的な行動計画も示してくれます。アウトプットとして得られるレポートは、あなたの店に合わせて作成され、あなたのビジネスがより持続可能になるために取るべき次のステップを導いてくれます。これがFood Made Good のユニークな点であると私は思います。これは単なる持続可能性のお墨付き以上のものであると思います。そして、世界的に有名なシェフやホスピタリティ企業が、自らの取り組みに役立てるためにレストランでFood Made Good を利用している理由でもあります。

2024年もすでに始まっていますが、現在、Food Made Goodの世界での存在感はどのようになっているのでしょうか?

私たちは、これまで世界中の企業を支援してきましたが、Food Made Goodをグローバルに展開して以来、さまざまな国で認定やフレームワークへの関心が高まっています。すでに22カ国のホスピタリティ企業がこのスタンダードに取り組んでいます。オーストラリアでは初の認定レストラン「Brae」が誕生し、Potato Head(バリでは初)やサンパウロのthe Rosewood Hotelが年初にプロセスを開始しました!

また、私たちのミッションを世界中で推進するために、多様なチームとパートナーのネットワークによる支援があることは、非常に幸運なことです。私たちのグローバル・オフィスは英国、アイルランド、フランス、香港まで広がっており、それ以外にも私たちの活動を支援してくれるパートナー団体があります。アラブ首長国連邦(UAE)では、パートナー団体がBOCAの認定をサポートし、見事に三ツ星を獲得しました。第1回Food Made Goodイタリア・アワードの受賞者は3月に発表される予定なので、まもなくイタリアで認定を受ける最初のレストランにお会いできるのが非常に楽しみです。

World’s 50 Best との協力や、フロール・デ・カーニャのサステナブル・カクテル・チャレンジの審査など、パートナーシップは、Food Made Goodを広める素晴らしい方法です。ホスピタリティビジネスがより持続可能なものになれるよう熱心に協力して取り組みを行っているパートナー団体から話を聞けることを、私はいつも楽しみにしています。

あなたの経歴とSRAで働くようになった経緯を教えてください。

私はディアジオのホスピタリティ部門でキャリアをスタートさせ、コマーシャルチームや戦略チームでさまざまな職務を経験しました。最初の仕事では、ギネス、プレミアム・ジンやウォッカなどを、ノッティンガムとレスターのあらゆるパブ、レストラン、ホテルに販売しました。週の初めに卸売業者から仕入れ、1日に顧客を10軒回って販売しました。毎日いろいろな人や企業と話すことで多くのことを学びましたが、何よりもこの業界で働くことの素晴らしさを学びました。

ディアジオを退職後、非営利団体のセクターに転職し、最初はProstate Cancer UK(前立腺がんの研究支援組織)で働き、その後フェアトレードに転職しました。フェアトレードでは、屋外広告チームのリーダーや、グレッグスなどの大手フェアトレード小売業者を担当するチームのリーダーをした後、パートナーシップ開発チームを立ち上げました。The SRAの求人を見た時、サステナビリティの分野で大きな理念を持った職務に就きたいという思いと、そして、それを自分の大好きな業界でやるという、この2つの希望をまとめて実現できる絶好の機会だと思いました!

SRAでの仕事で一番好きなことは何ですか?

私たちがサポートし日々お話しする人々や企業の種類の幅広さとバリエーションの多さです。この仕事を始めて数週間のある日のこと、ノッティング・ヒルにあるファーストフードチェーン店の厨房で朝から打ち合わせをし、その後、三ツ星レストランのリッツの厨房で料理長と打ち合わせをして、その後、アメリカのグループとオンライン会議なんてことがありました!

これらはすべて、国も違えば事業内容もまったく異なりますが、Food Made Goodはすべての企業のサステナビリティの取り組みをサポートできます。つまり私は、世界中のあらゆる分野の多種多様な企業の人々と出会う喜びを経験することができます。

これまでで印象に残っているサステナビリティに関するエピソードを1つか2つ教えてください。

最近、Pastureの従業員の方達とパネルディスカッションをする機会があったのですが、彼らがブリストルとカーディフでやっている取り組みは本当に印象的でした。彼らのコンセプトは、サステナビリティを中心に構築されています。可能な限り自社農園で野菜を栽培し、そうでない場合は地元のサプライヤーとの強固な関係を重視しています。レシピの多くは、食品廃棄物を最小限に抑えるよう配慮されていますが、廃棄物を堆肥に変えて自家農園で再利用するための好気性消化処理機も備えています。これは循環型社会の素晴らしい取り組み事例です!最近、ウェールズの個人経営のレストランで初めて三ツ星を獲得しましたが、持続可能性に取り組む彼らのチームは今でもFood Made Goodから改善のアイデアや力をもらっていると言ってくれています。

Pastureの活動はもちろん素晴らしいですが、昨日より少し良いことを着実に実行している企業からも、私は日々刺激をもらっています。例えば、Wahaca ではステーキタコス(同社で3番目に売れている料理)を、あまり一般的に使用されていない牛肉の部位に変えたり、最近私が関わったデンマークの個人経営のレストランが、テーブルに出した未使用のを厨房に戻して、調理に使用しています。すべてのレストランがすぐに完璧になる必要はありませんが、それぞれのレストランが1%でも改善すれば大きな違いを生み出します。私たちのネットワークには、このような小さいけれど賢明な取り組みをしているレストランの素晴らしい事例がたくさんあります。私たちはそのような店をできるだけ称賛したいのです。

【参照サイト】HOW IS ‘FOOD MADE GOOD’ GROWING ACROSS THE GLOBE? 7 KEY QUESTIONS