皆さま、2020年は大変お世話になりました。2021年もどうぞよろしくお願いいたします。

SRA-J YOUTHの冨塚由希乃がお届けしている「サステナブルコラム」シリーズは、SRA-Jが飲食店に実施しているレーティングの指標の10項目に基づきお届けします。

さて、今回はSRAのサステナビリティにおけるフレームワーク「調達」の分野から。

開発途上国などにおいて生産者の人権や環境を守りながら、公正に取引された農産物などを調達する『世界の農家とサプライヤーの支援』を取り扱います。

サプライヤーの支援にはフェアトレード以外の意味も含まれますが、あえて今回フェアトレードに焦点を当ててご紹介いたします。

フェアトレードには、
・作り手の人権の尊重
・強制労働や児童労働の排除
・公正な取引
・環境保全への配慮
など、SDGsに関連した要素が多く盛り込まれています。

そのため、背景にあるたくさんの課題を深掘りできるワードでもあります。

また、フェアトレードと聞くと、コーヒーや紅茶が頭に思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。

しかし、チョコレートや砂糖、スパイスやナッツ類、調理オイルといった原材料や、それらで作られたクッキーや味噌、タオルなどの繊維製品にいたるまで、どの飲食店でも扱うアイテムに、国際フェアトレード認証の商品を選ぶ選択肢があります。

食べ物以外にもフェアトレードの認証がある事に、少し驚きを感じました。

この国際フェアトレード認証がイギリスで広まったきっかけは、2012年のロンドンオリンピックと言われています。

東京2020オリンピック・パラリンピックにおいても、同組織委員会が定める「持続可能性に配慮した農産物の調達基準」に国際フェアトレード認証が認定されました。
しかし、ロンドンオリンピックを機にイギリスのフェアトレード市場が3倍まで膨らんだのに対して、日本では広がりがイギリスほどは加速していないように感じます。

2021年はSRAもフェアトレード・ラベル・ジャパン主催のフェアトレード「ミリオンアクション・キャンペーン」に参加し、加盟店においても公正な取引を行う原材料の調達を積極的に行なっていますが、日本全体の飲食店ではまだまだ浸透していないのが現状です。

イギリスのようにチェーン店などの多くの飲食店でフェアトレードのアイテムを積極的に取り入れる調達方針が広がれば、消費者の認知にもつながり、ファンを獲得し選ばれるお店作りができると感じています。

*参考
【わかちあいプロジェクト】
フェアトレード、 難民支援、 自立支援の3つの分野で活動している国際協力NGOです。
国際フェアトレード基準に従った生産者とのフェアな取引により、 多種多様なフェアトレード商品・原料を輸入・販売しています。
https://wakachiai.jp/