参照:https://www.foodmadegood.org/how-foodservice-is-facing-up-to-the-food-waste-challenge/
食料供給コストの高騰、食料不足や飢餓の増加、気候変動の原因となる食品廃棄による温室効果ガス排出量は10%を占めるようになり、食品廃棄を減らすための経済的、社会的、環境的意義はかつてないほど大きくなってきています。
英国の持続可能な資源利用を推進する慈善団体WRAP(Waste & Resources Action Programme)は、接客業や外食産業における食品廃棄物が過去10年間でほぼ20%増加したことを報告しています。そこで英国SRAは、従業員管理および在庫管理ソフトウェアの専門家であるFourth(フォース)と共同で、ネットゼロへの道を阻み、資源を枯渇させ、業界全体の批判の原因となっている問題に、フードサービス業がどのように取り組んでいるのか調査することにしました。
SRAは、英国で最も有名なレストランとパブのグループ12社、2,300店舗を対象に調査を行い、そのうち4社の経営者に詳細な聞き取り調査を行いました。ナンドーズ、ピザハットレストラン、ザ・レストラングループ(ワガママ、チキート、ファイヤージャックスなどの人気ブランドを所有)、ウィザースプーンの4社に詳細なインタビューを行いました。
その結果をまとめた報告書が完成しました。この報告書では、ホスピタリティ業界における「食品廃棄物問題」では、一部の企業の廃棄物対策にまだ穴があることが明らかになりました 。個々の成功事例を紹介し、実際に進歩した分野を明らかにします。
また、この報告書では、食品廃棄物報告義務の導入が待ち望まれている中、事業者がどの程度対応する準備ができているか、どれくらい意欲と能力があるかについても評価しています。食品廃棄物のコストは平均して年間2万ポンド(約300万円)であり、そのうちの75%は削減することが可能です。
特に大規模な事業者では、少なくともビジネスのフロントエンドで、食品廃棄物を削減するための重要な方法のひとつがテクノロジーです。スマートな注文と在庫管理は、技術的な成功の代表的なものです。ピザハット・レストランとザ・レストラングループの2社は、この取り組みに成功し、食品廃棄物全体の80%は顧客の食べ残しが占めていて、、業界平均の約33%を大幅に上回っています。
トレーニング – 食品廃棄物削減の「何を」「どのように」行うかだけでなく、「なぜ」行うかをチームに伝えることも効果的であると管理者は報告しています。
再分配 – 食品ロスを減らすアプリ「Too Good To Go」や食品がフードロスになる前に必要な人に無料で寄付できるサービス「Olio」などを通じて、余ってしまった食品をお腹を空かせた人々に運ぶためのツールとして成功していますが、この方向での取り組みは、COVID-19での制限と、2021年末からナターシャ法(食品関連事業者に対して、パッケージ食品にすべての成分リストを記載することを義務付ける法律)が導入されるため、いくつかの地域では動きが遅くなっています。
このレポートでは、提供した料理の食べ残しについて取り上げています。事業者が腐らせてしまった物や調理の際に出た廃棄物を真剣に管理する一方で、提供した料理の食べ残しは依然としてハードルが高いです。代金を支払った料理は顧客の責任とみなされるため、見過ごされる傾向があります。
しかし、このレポートでは、ザ・レストラングループがSRAと共同で行った、食べ残しの主な原因を特定し、最も人気のある料理の一部を減らして試したという、非常に洞察に満ちたケーススタディが紹介されています
また、単純な視覚的観察が大きな変化をもたらすことも魅力的です。ウェザースプーンの多くのお客さまが、朝食のプレートのトマトを残していました。これをオプションにすることで、年間600万個のトマトを節約することができました。
また、大手事業者を対象とした調査では、以下のことが明らかになりました。
・90%の事業者が食品廃棄物のモニタリングを行っています
・45%が現場で定期的に生ごみ監査を行っています
・生ごみの排出量を監視するためにテクノロジーを利用しているのは、わずか10%です。
・60%の企業が、食品廃棄物削減に関する何らかのトレーニングをスタッフに提供しています。
・100%の参加者が、食品廃棄物と一般廃棄物を分別しています
・80%の参加者がすべての生ごみをまとめて測定しているます
待望の食品廃棄物報告義務の導入に関して、インタビューに応じた4つの企業は、根本的かつ全体的な変革のためには、このような公平な競争の場が必要であり、実際、歓迎すべきことであるという共通の感想を述べています。
SRAのマネージング・ディレクターであるジュリアン・カイユエット・ノーブル氏は、次のように述べています。「食品廃棄物は、気候変動、商業、地域社会にとって大きな問題です。問題の規模は計り知れないが、大量削減によって得られる賞賛も同様に大きいのです」
「WRAPの食品廃棄物削減ロードマップにあるように、2025年までに25%の削減目標を達成すれば、90万トンの炭素排出を削減することができます。
英国SRAとFourthと共同で制作した報告書はこちら(英語のみ)
https://www.fourth.com/en-gb/resource/the-challenge-of-food-waste-in-hospitality/
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