(画像元:https://ukcop26.org)
この記事は英国SRAのニュースを翻訳し抜粋たものです。
先月イギリス・グラスゴーで開催された気候変動対策に関する最も重要な国際会議『COP26』は、いくつかの成果はあったものの、多くの課題を残したまま閉幕しました。
・ブルーゾーンの議題に「食」はありましたか?
国連関係者や各国代表が出席する主要な会議「ブルーゾーン」の議題に「食」に関する項目があり、COPで初めて議論がなされました。フードシステムは温室効果ガス排出量の約25%を占めていますが、その議論は充分ではありませんでした。
その中でも、いくつかの措置が講じられました。米国は、アラブ首長国連邦とともに、気候変動のための農業イノベーションミッションに向けて10億ドルの投資を公約。農業と食料システムの革新的な解決策のため、30カ国が署名しました。さらに、 米国は 一部の農業慣行の変更を実施することにより、2030年までに炭素排出量を2005年の半分に削減することを約束しました。また、米国とEUは、牛肉や米の生産で多く発生する温室効果ガス、メタンの排出削減のグローバルなパートナーシップを発表しました。
また、政策施行のためのアジェンダの一部として 、政府は気候変動に配慮した農業慣行への移行を促しました。残念ながら、このアジェンダには16か国しか関与していませんでしたが、これらの国には大規模な温室効果ガス排出国が含まれており、その合計は、農業における世界の温室効果ガス排出量の10%に相当します。また英国は、 開発途上国がより持続可能な農業システへの移行をサポートするために、 6,500万ポンドの農業支援プログラムを開始しました。
・他のゾーンの議題で「食」について語られましたか?
他のゾーンやCOP26に関連して開催されたイベントでは、フードシステムに関する多くの議論がありました。サステナブルイノベーションゾーンでは、サプライチェーン、農法、包装方法などのシフトに取り組んでいるさまざまな企業や組織から話を聞くことができました。「Net Zero Now」のパートナーが主催する「Forget 2050:Net Zero Now」などのイベントでは、低炭素型の未来に移行する議論の中心に「食」と「ホスピタリティ」に関するトピックがありました。グリーンゾーンでも「食」だけが議論の焦点ではありませんでしたが、頻繁に言及されました。確かに、「食」は気候危機において大きな課題でしたが、だからこそ解決のために大きな役割を果たすことができます。
・農民の声はどこにありましたか?
ブルーゾーンで は、南部アフリカ農業連合連合(SACAU)のCEOが、「万能の解決策はあり得ない」という理由で、農民に目標を伝えることにリスクがあると警告しました。ソリューションがもたらす影響は、農家と消費者に対して同じとは限りません。畜産は地球環境に負荷を与えていますが、何億人もの人々が畜産の分野で生計を建ていることを言及しました。開発途上国の農民のほとんどがほぼ貧困状態にあることを私たちは知っています。 食品が世界最大の産業の1つであることも皮肉なことですが、それは農民にとって非常に悪い結果をもたらしています。
同様に、持続可能なイノベーションゾーンでのアグリフードサミットの講演の1つ、ケニアのフェアトレードフラワープロデューサーであるメアリーキニュアは、ブルーゾーンでは、農民の慣行を変えることについて決定がされるなか、農民自身がこれらの議論に加わることがないことに対し不満を表明しました。農民の理解が得られなければ実効性がありません。メアリーは「農民の話を聞いてください。私たちは皆さんが求めるコンテキストの中にいます。私たちはソリューションの一部になりたいと思っているのです」 と代弁しました。
・私たちがすべきことは?
行動を変えましょう。 個人として、食生活を変え、持続可能なビジネスを支援し、政策に対しても声をあげましょう。ビジネスに対しても同じことが言えます。企業がどれほど温室効果ガスの排出量を大幅に削減できるか、そのインパクトは非常に大きいのです。
コラボレーションしましょう。世界の排出量とローカルアクションの間のギャップを埋め、一緒に持続可能な未来を作るためにコラボレーションは不可欠です。
あなた自身が希望です。COP26の目標、世界の平均気温の上昇を1.5度に抑えるためには、すぐに行動を起こす必要があります。それは私たち地球市民ひとりひとり、あなたが注文する次の食事、またはあなたが創り出すメニューからはじまります。
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