第3回Creative Chefs Box 2030は、これまで以上に調理方法や見せ方などのレベルが高く、
試行錯誤されたレシピがたくさんありました。
環境負荷軽減とおいしさの両輪と、食の好循環化の担い手に
是非、皆さんになっていただきたいと思います。
一方、本年度のテーマである
「食のサステナビリティで地域を活性化するにはどうすればよいか」の点においては
例えば、生産者から消費者までの地域に具体的にどのようにインパクトを与えるかなど、
もう少しイメージが湧くものであると、力強いものになると思いました。
最優秀賞
吉川 琴晴 さん(ザ・キャピトルホテル東急)
プッチィーニカボチャのウニリゾット
~スープ仕立て~
キャベツウニという言葉を耳にしたことはありますか?
近年、温暖化による磯焼けで大量発生したムラサキウニが海藻を食い荒らしたことが問題になりました。餌不足で身入りが悪く食用に適さない為、地元神奈川でも駆除されていましが、三浦特産のキャベツを与えた所甘みが増し身入りの良い「キャベツウニ」が誕生しました。
ウニの餌は端材や規格外野菜を使い食品ロスに貢献しています。
磯焼けの解消×食品ロスの一石二鳥であるウニと、同じ三浦で採れた規格外の南瓜を組み合わせ地産地消を意識したレシピを考案しました。
濃厚なリゾットに香ばしくとろっと溶けたチーズ、柔らかく煮込んだ南瓜を丸ごと崩しながら野菜スープと共に楽しめる季節感のある家庭でも作りやすい一皿に仕上げました。
この一皿が海洋問題の解消や食品ロス・地産地消の推奨になると私は考えます。藻場は生命のゆりかごともいえる神秘の場。私達の料理がこの場所を守る一助となる事を願って。
2030年に向けた環境・社会・経済の課題に対しての「問い」
海を取り巻く問題は2030年どうなっているだろうか
材料リスト
4人分
<器に使うプッチィーニカボチャ>
直径9㎝程度のもの4つ(計320g)
<野菜ブイヨン>
くり抜いた南瓜の種・ワタ 玉ねぎ 1/2
皮ごと使った人参 1/4
キャベツの葉 1/6
水 800cc
紅芯大根 1/8
塩 適量
<リゾット>
玄米-よく洗い水に1日浸しておく 2合(360㏄)
玄米を炊く時の水 450cc
野菜ブイヨン 280cc
南瓜(くり抜いた中身) 160g
キャベツウニ 80g
カチョカヴァロ‐削っておく 80g
オリーブオイル 大さじ1
塩・胡椒 適量
<リゾット仕上げ>
カチョカヴァロ‐削っておく(以下チーズ)60g
キャベツウニ 20g
青ミカン 適量
<最後の仕上げ>
野菜ブイヨン 360cc(1人前90cc)
調理手順
<下準備>南瓜-
①よく洗い軽く水気を切ってラップする
②スチームコンベクションで100℃20分加熱。串がスッと通り軽く指が入る程度が目安
③蓋になる部分をカットし中身をくり抜き、種とワタはブイヨンに、中身はリゾット用に分ける
<野菜ブイヨン>
①スライスした野菜と南瓜の種・ワタ、水を手鍋に入れ蓋をして中火にかける
②野菜に火が入り、紅芯大根から色が出たらシノワで濾す
③味を見て塩を加え再度火にかけ沸かす
<南瓜火入れ>
①小鍋に南瓜と浸るくらいの野菜ブイヨンを入れ中火にかけ、沸いたら火を弱め3分煮る
②皮が柔らかくなったら、冷めるときに味が染みていくので鍋ごと冷ます
<リゾット>(下準備)玄米を炊く‐
①玄米をザルにあげ水気をしっかり切り、鍋に玄米と水を入れ中火にかける
②沸騰したら塩を加えひと混ぜして3分加熱、蓋をし弱火で30分炊き火を止めて30分蒸らす
<リゾット>
①玄米と野菜ブイヨンを手鍋に入れ中火にかける
②玄米をほぐし水分を飛ばす 焦げないよう常に混ぜる
③8割水分が飛んだら塩・胡椒・オリーブオイルを入れ、南瓜を食感が残るよう軽く潰し入れる
④火から離しウニとチーズを入れ、再度火にかけチーズの粘りが出るようしっかり混ぜる
⑤くり抜いた南瓜に90gリゾットを詰める
審査コメント
一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会関係者と、審査員のシェフの合計7名による審査により選出させていただきました。
料理人の視点から抱く環境・社会・経済に対しての「問い」を起点に、食のサステナビリティで地域活性化する未来のレシピかどうか、という本年度のテーマ適合性が高く、また、「従来までの調理方法に対して、どのくらいサステナブルか」と、「ストーリー性、メッセージ性に優れているか」において、「地産地消と旬の食材の推進」、「食料の無駄をなくす」という点で加点が得られました。
三浦の磯焼けの解消と食品ロス低減の一石二鳥のウニと、規格外の南京を組みわせたことで、三浦という地域の可能性が広がるかもしれないという期待感や、海と山の素敵な出会いだと感じました。
藻場を守る取り組みに美味しさでアプローチできることが、本当に食卓と環境を近い場所にする気がします。未来は藻類にもあると言えます。
素晴らしい気づきを料理からご提案してくださりありがとうございます。
一つ加えるならば、リゾットの作り方はリゾットと言うならば、本格的に出来たらもっと素晴らしかったです。
審査員特別賞
薬師神シェフ賞
白井 翔太郎 さん(株式会社ひらまつ レストランひらまつ高台寺)
京都府産のお野菜を使った
古代米のお茶漬け
ある日、畑の前を通りかかった際に出荷用に綺麗に陳列されたたくさんのお野菜やお米の稲などの隣に形が悪い物や少し傷がついた物などが置いてあるのを見て疑問に思いました。
市場やスーパーに並ぶ野菜類の価格は近年、高騰している中で農業内で廃棄する物があることを知り、野菜を多く取り入れた料理を作ろうと考えました。
また、漁業に関しては水揚げしたが市場に出せない「未利用魚」の存在を漁業関係者の方に聞き、そのような一般に出回っていないものではありますが命に変わりはなく廃棄することはいけないと思い、身と骨やアラを使える料理を考えました。
さらに食材全体の価格高騰が問題視されていることから、地産地消という点にこだわる事で遠方からの配送にかかる送料やその際に発生する汚染ガスを抑える事ができないだろうかと考え、京都府産の食材を使ったレシピを作成しました。
2030年に向けた環境・社会・経済の課題に対しての「問い」
地産地消を活用し農業漁業の抱える廃棄率問題を解決できないか?
材料リスト
6人分
<A>
人参60g
蕪60g
バターナッツ60g
じゃがいも60g ※上記は皮付きの状態
・黒枝豆30粒分
・古代米15g
・大麦35g
・お水500cc
・未利用魚60g
・魚の骨やアラ50~75g
・宇治煎茶 茶殻(乾燥)適量
・宇治煎茶茶殻(生)40g
<B>
水50cc
砂糖15g
醤油20~25g
味醂15g
調理手順
①野菜(A)の皮を剥き、皮は捨てずに自然乾燥させておく。
②皮を剥いた野菜(A)を0.5cm角に切り揃える。
③黒枝豆は塩1%のお湯で7~8分茹で、冷水に落とす。黒枝豆は粗熱が取れたら外の皮、薄皮まで剥く。
④お魚を3枚に卸し、アラは血合いを綺麗に洗い流水にかけておく。身は薄く切ったものを3切用意し、盛り付け前にお出汁でしゃぶしゃぶにする。
⑤鍋に水と乾燥させた野菜の皮、魚のアラを入れ中火にかける。沸いてきたら灰汁を丁寧に取り弱火で10~12分旨みを抽出する。旨みが抽出できれば細かい濾し器で濾して塩のみで調味する。
⑥大麦と古代米「朝紫」、1.2倍の調味したお出汁を入れ炊いておく。
⑦宇治煎茶の茶殻で乾燥させたものはミルサーでパウダー状にする。生の茶殻は佃煮にする。浅い鍋に調味料(B)を全て入れ軽く煮立て、茶殻を入れる。水分がほぼ無くなるまで煮詰めて完成。
⑧切り揃えた野菜(A)を調味したお出汁で1.5~2分程、茹でて火入れする。火入れ出来れば野菜のみを取り出して、出汁は野菜の旨みがさらに加わっている為そのまま使う。
⑨大麦と古代米を深鍋に入れ、20ccほどのお出汁を加えて水分を飛ばしながら温め直す。
⑩お皿にセルクルを置いて大麦と古代米、野菜類、魚の順番で積み重ねていき、セルクルを抜く。お魚の上に茶殻の佃煮を添える。周りに茶殻パウダーを振る。お出汁を温めて注いで完成。
薬師神 陸氏unis(ユニ)エグゼクティブシェフ
薬師神氏 コメント
非常に美しく、かつ京都産にこだわり「その土地らしさ」もお料理に出ていて、海外の方、日本の方それぞれが楽しめるお料理。
以前大原の里の駅に伺いましたが、季節によって多種多様な野菜や山菜、がエネルギーに溢れています。
季節が変わればまた違う仕立てで。季節が変わっても仕立てをそのままに変化できるのも大きなポイントとなりました。
様々な視点から「身体がよろこぶ料理」だと思い選びました。
加藤シェフ賞
遠藤 泰希 さん(ザ・キャピトルホテル東急)
そば粉100%のフルーツガレット
輸入品に頼り失われつつある地産地消文化。意識して国産や地元の食材を使用される方は限られていると思います。
近年、食品ロス問題でまだ食べれるのに捨てられてしまう現状があり、それを変えていきたいと考えるようになりました。
私は国産、地元の食材を使用して2030年に少しでも地産地消に目を向ける人を増やすためにレシピを考案させていただきました。この料理は地元の食材のそばを捨てる部分をなくす意識で考えていて、そば殻を出さないように全粒粉100%を使用することで捨てるとこをなくし、ヴィーガンにも食べていただけるようにしました。
今回使用しているりんごの皮を活用してコンポートにする際にミルサーで撹拌して一緒に煮詰めることで赤く染めました。捨てられてしまいがちですが洗えば食べられます。
完熟をすぎたフルーツや売れ残ってしまった食品ロスの現状を知ってもらいたいという想いを乗せた一皿です。
2030年に向けた環境・社会・経済の課題に対しての「問い」
輸入品に頼った日本人たち。2030年に名産品残せるのか?
材料リスト
3人分
<A>
紅玉りんご3個(630g)
きび砂糖(りんごの重量の30%→189g)
白ワイン10g(ミルサーがまわる程度の分量)
レモン汁10g
<B>
秦野産のピーナッツ63g
きび砂糖15g
グレープシードオイル13g
塩2gB有機豆乳40g
<C>
秦野産のそば100%のそば粉100g
水250g
塩2g
<D>
完熟をすぎたいちご4個
Aのコンポートで使用したシロップ
<E>
レモンバーム10g
パセリ20g
レモン汁10g
塩1g
水100g
<F>
キサンタンガム2g
<G>
ブルーベリー4個
<H>
サラダ油1g
<I>
有機豆乳100g
きび砂糖15g
<J>
完熟をすぎたいちじく3個
<K>ミント3枚
調理手順
①Aのりんごを八つ切りにして重さを量り、その30%のきび砂糖を用意。皮をむきながらりんごにきび砂糖をまぶし、鍋に敷き詰めていく。このときにレモン汁を加える。皮を刻み白ワインを加え、ミルサーで撹拌する。弱火で火をつけて水分がたっぷり出たところで皮を加え、アクを取り除き落とし蓋をして強火で煮る。煮上がったら、一晩このまま置いておく。
②Bのピーナッツを150℃のオーブンで12分ローストする。ローストした物をミルサーで撹拌してきび砂糖、塩、グレープシードオイルを加える。ミルサーから取り出した物を有機豆乳で伸ばす。
③Cをボウルでダマがなくなるまで混ぜ合わせてこし、一晩冷蔵庫で寝かせる。
④Aのシロップといちごを火にかけてゴムベラでつぶしながら煮詰めてソースにする。
⑤レモンバーム以外のEをミキサーに入れて撹拌する。最後にレモンバームの葉を入れて撹拌する。ボウルに取り出してキサンタンガムでとろみをつける。
⑥Iをボウルに入れてホイッパーでツノが立つまで泡立てます。
⑦テフロンのフライパンにペーパーで油をぬり、弱火で加熱する。70ccレードルでCを流して薄く広げて両面に焼き色をつける。折りたたみ①のコンポートをスライスして乗せ、150℃のオーブンに10分入れる。②をディッシャーで抜いて6分の1カットのいちじく4個とブルーベリーを4個乗せ、⑥を少々真ん中に乗せてミントで飾る。④と⑤のソースで点を描く。
加藤 峰子氏FARO(ファロ)シェフパティシエ
加藤氏 コメント
まず日本人の消費傾向について問いを見出すストーリー性の面白さを評価し、ビーガンという少し難しい料理法にチャレンジされたことが素敵だと思います。
植物性の料理の難しさはどのようにして香りとコクを出して味わいを作るかなのですが、ピーナッツや完熟を過ぎたフルーツで味わいを出されたと思います。是非食べてみたかったです。
自然農法のフルーツなどの廃棄品を使うなどの心意気は、料理人(パティシエ?)としてとても素晴らしいです。
アドバイスとしては、キサンタンガムの他にも別のものでとろみをつけた方が断然おいしくなるでしょう。
冨成シェフ賞
鄭 大羽 さん(フリーランス料理人)
宮崎県産食材のタルタル
料理人として活動していく過程で2030年問題は非常に身近な問題だと考えています。
私はフリーランスの料理人として全国を回り生産者を訪問しながらその食材を使って料理をしています。
今回の料理で使われている食材は100%宮崎県産の食材です。なぜ宮崎県の食材を使うことになったのかというと、宮崎県は食料自給率の生産量ベースで全国1位になっています。
今回の問いに対して宮崎県は日本全国の見本になる地域だと思いその土地の食材を使うことにしました。またオーガニックビレッジ宣言をした町もあり、2030年問題に県として取り組んでいる素晴らしい地域です。
今回のレシピは宮崎県の素晴らしい食材を地産地消し、それらの食材を作られている力強く温かい生産者さんに寄り添える優しい料理に仕上げることにしました。
2030年に向けた環境・社会・経済の課題に対しての「問い」
2030年に向け日本が食料自給率を上げるためのお手本?
材料リスト
2人分
<ゼリーシート>
まいたけ50g
椎茸5個
廃棄される野菜の皮やくず(玉ねぎ、長ネギ、大根、にんじん等50g)
水500ml
板ゼラチン4g
塩 適量
<タルタル>
サクラマス100g
つきみいくら大さじ1
イシマル製茶園てん茶3g
イシマル製茶園抹茶パウダー小さじ1
マヨネーズ大さじ1
へべす果汁大さじ1/2
へべすゼスト適量
<玉ねぎの醤油漬け>
玉ねぎ30g
醤油30ml
水20ml
砂糖10g
お酢10ml
<バターミルク>
松浦ミルク200ml
レモン汁大さじ1
<抹茶オイル>
イシマル製茶園抹茶1g
太白胡麻油 10g
調理手順
①鍋に水、まいたけ、椎茸、野菜くずを入れ弱火で100mlになるまで煮詰める。 煮詰め濾したものに、塩、水で戻した板ゼラチンを入れ、薄いバットに流し入れ冷やし固める。固まったらセルクルなどで丸く抜く。
②サクラマスの半量はたたき滑らかにし、もう半量は0.5mmのダイスカット。
③玉ねぎの醤油漬けは、醤油、水、砂糖、お酢を鍋に入れ一度沸騰させる。そこにざく切りにした玉ねぎを入れ冷やす。冷えたら玉ねぎをみじん切りにする。
④[タルタル]に入る食材を全て混ぜ合わせる。
⑤常温にした松浦ミルクにレモン汁を入れ軽く混ぜ合わせ、15分放置。その後濾して冷やしておく。
⑥太白胡麻油と、抹茶パウダーを混ぜ合わせ抹茶オイルを作る。
⑦お皿の真ん中にタルタルを乗せ、その上にゼリーシート、へべすのゼストをかける。仕上げにバターミルクと抹茶オイルをかける。
冨成 寿明 氏日本料理 富成(とみなり)オーナーシェフ
冨成氏 コメント
今回のメインテーマ「地域の活性化」にしっかりフォーカスがあたっていることがよいと思いました。
そして、「実際に食べてみたい」と思うレシピに落とし込めているところが素晴らしいと思いました。
協賛特別賞
MATSURI賞
北澤 孝騎 さん(ザ・キャピトルホテル東急)
東京野菜を使った
飛龍頭スピルリナあん
プラントベースが近年注目されているなかで、日本の食文化を守りつつ、サステナブル食材を使った新しくも、懐かしい食を考え、私は、日本人が古くから食べてきた『豆腐』と近年栄養価が高く注目されつつある『スピルリナ』に目を付けました。
スピルリナは今はまだマイナーな食材なうえ危険なイメージや見た目等で嫌悪感をもたれています。
豆腐もまた、味が無く触感も独特なものであまり海外からの反応が良くなく、ベジタリアン、ヴィーガンのための食べ物と言ったイメージがあると海外のつながり等で知りました。
その事実を知った私は、勿体無いと思い豆腐はこんなにも変幻自在で美味しく食べれる物であると少しでも多くの人に知ってもらいたいと思い、伝統的な豆腐料理である飛龍頭をアレンジしたこのレシピを考えました。
2030年に向けた環境・社会・経済の課題に対しての「問い」
日本食文化にサスティナブル食材を取り入れた需要の拡大
材料リスト
2人分
木綿豆腐300g
人参100g
蓮根30g
占地10g
丸十50g
長ネギ20g
もって菊2g
昆布10g
大和芋50g
スピルリナ2g
水1000cc
片栗粉10g
薄口醤油38cc+5cc、味醂38cc+5cc
調理手順
①水に昆布を入れ一日つけおき火にかけ沸く直前に取り出し出汁をとる
②昆布出汁720㏄に薄口38cc、味醂38ccを入れ合わせ地を作る
③人参を紅葉型に4個抜き、蓮根、丸十を四枚ずつスライスし丸十を銀杏型に抜き、それぞれの残りは小角に切る
④スライス蓮根は片栗粉を打ち150℃の油で揚げる、銀杏丸十は150℃の油で揚げる
⑤占地はほぐして、先ほどの合わせ地で紅葉人参と共に炊く
⑥小角に切った人参、蓮根、丸十を茹でておく
⑦長葱を開いて細く切り、もって菊とまぜる
⑧木綿豆腐は茹でてからガーゼに包み重しをして1日置いておく
⑨大和芋の皮を剥きすりおろし、先ほどの木綿豆腐とフードプロセッサーにかけ生地を作る、できた生地に小角に切って茹でた野菜、細切りにした出汁を取った昆布を混ぜ合わせ、40gに小分けする、160℃の油で小分け生地を成形しながら上げる(手に油をつけながら成形)
⑩ 揚げた飛龍頭を先ほどの合わせ地で炊いておく
⑪残った昆布出汁180ccに薄口5cc、味醂5ccで味付けをして片栗粉でとろみをつけ、スピルリナを加えあんを作る
⑫器にスピルリナあんを敷き、飛龍頭を盛り付け、炊いた人参、占地、揚げた蓮根、丸十を盛り付け、白髪ネギもって菊をのせて完成
藤田 朋弘 氏ちとせグループ創業者 兼 CEO
MATSURIプロジェクト発起人
内閣官房バイオ戦略有識者
藤田氏 コメント
国際機関が「未来の最も理想的な食糧資源」「明日の最も完璧な食品」として注目しているサステナブルで栄養価が高く、かつギルトフリーな「スピルリナ」を日本の伝統的な食文化に取り入れている点が、まさに「未来のレシピ」であると評価し選定させていただきました。
今後も日本では、まだ、サステナブル意識の高い人にだけ普及している食材にも着目して積極的に活用し、自由で柔軟な発想によって食のサステナビリティを切り開いてくださることを期待しております。
ごみの学校賞
遠藤 泰希 さん(ザ・キャピトルホテル東急)
そば粉100%のフルーツガレット
輸入品に頼り失われつつある地産地消文化。意識して国産や地元の食材を使用される方は限られていると思います。
近年、食品ロス問題でまだ食べれるのに捨てられてしまう現状があり、それを変えていきたいと考えるようになりました。
私は国産、地元の食材を使用して2030年に少しでも地産地消に目を向ける人を増やすためにレシピを考案させていただきました。この料理は地元の食材のそばを捨てる部分をなくす意識で考えていて、そば殻を出さないように全粒粉100%を使用することで捨てるとこをなくし、ヴィーガンにも食べていただけるようにしました。
今回使用しているりんごの皮を活用してコンポートにする際にミルサーで撹拌して一緒に煮詰めることで赤く染めました。捨てられてしまいがちですが洗えば食べられます。
完熟をすぎたフルーツや売れ残ってしまった食品ロスの現状を知ってもらいたいという想いを乗せた一皿です。
2030年に向けた環境・社会・経済の課題に対しての「問い」
輸入品に頼った日本人たち。2030年に名産品残せるのか?
材料リスト
3人分
<A>
紅玉りんご3個(630g)
きび砂糖(りんごの重量の30%→189g)
白ワイン10g(ミルサーがまわる程度の分量)
レモン汁10g
<B>
秦野産のピーナッツ63g
きび砂糖15g
グレープシードオイル13g
塩2gB有機豆乳40g
<C>
秦野産のそば100%のそば粉100g
水250g
塩2g
<D>
完熟をすぎたいちご4個
Aのコンポートで使用したシロップ
<E>
レモンバーム10g
パセリ20g
レモン汁10g
塩1g
水100g
<F>
キサンタンガム2g
<G>
ブルーベリー4個
<H>
サラダ油1g
<I>
有機豆乳100g
きび砂糖15g
<J>
完熟をすぎたいちじく3個
<K>ミント3枚
調理手順
①Aのりんごを八つ切りにして重さを量り、その30%のきび砂糖を用意。皮をむきながらりんごにきび砂糖をまぶし、鍋に敷き詰めていく。このときにレモン汁を加える。皮を刻み白ワインを加え、ミルサーで撹拌する。弱火で火をつけて水分がたっぷり出たところで皮を加え、アクを取り除き落とし蓋をして強火で煮る。煮上がったら、一晩このまま置いておく。
②Bのピーナッツを150℃のオーブンで12分ローストする。ローストした物をミルサーで撹拌してきび砂糖、塩、グレープシードオイルを加える。ミルサーから取り出した物を有機豆乳で伸ばす。
③Cをボウルでダマがなくなるまで混ぜ合わせてこし、一晩冷蔵庫で寝かせる。
④Aのシロップといちごを火にかけてゴムベラでつぶしながら煮詰めてソースにする。
⑤レモンバーム以外のEをミキサーに入れて撹拌する。最後にレモンバームの葉を入れて撹拌する。ボウルに取り出してキサンタンガムでとろみをつける。
⑥Iをボウルに入れてホイッパーでツノが立つまで泡立てます。
⑦テフロンのフライパンにペーパーで油をぬり、弱火で加熱する。70ccレードルでCを流して薄く広げて両面に焼き色をつける。折りたたみ①のコンポートをスライスして乗せ、150℃のオーブンに10分入れる。②をディッシャーで抜いて6分の1カットのいちじく4個とブルーベリーを4個乗せ、⑥を少々真ん中に乗せてミントで飾る。④と⑤のソースで点を描く。
寺井 正幸氏ごみの学校 運営代表
寺井氏 コメント
そば粉や、フルーツの調達方法に気を配っており、地域で使われなかったものなど選定されている点や、具体的に廃棄となっている理由なども細かく記載されている点が具体性が高く実際に実現できそうだなと感じました。
また、食材の調理の仕方なども、見た目で可愛く、リンゴの皮をつかうなど家庭でも取り入れられそうなアイデアがあり、全体として食品ロスの問題を伝えた行きたい「ごみの学校賞」にふさわしいと考えました。
受賞者の声
最優秀賞
吉川 琴晴さん(ザ・キャピトルホテル東急)
びっくりし過ぎて今、何も考えられないのですが…私の地元の横須賀の三浦をアピールできるものができたのかなと思います。
私一人の力ではここまでできなかったと思いますが、いろんな方からアドバイスをいただいたりして、いいものができたのではないかなと思います。
ありがとうございました。
薬師神シェフ賞
白井 翔太郎さん(ひらまつ レストランひらまつ高台寺)
薬師神シェフに選んでいただけたことは驚きで、と同時に大変嬉しく感じています。
自分がこだわっていた「京都」という点を評価していただけたことや偶然にも薬師神シェフも訪れたことのある地の野菜を使うことができて感動しております。私が社会人となり調理業界に入ってまだ2年目ですが今回の機会で得ることのできた知識をこれから生かしていければと思います。
最後になりますが応募時点から支えてくださった協会の方、審査員の方に改めて感謝いたします。本当にありがとうございました。
加藤シェフ賞 & ごみの学校賞
遠藤 泰希さん(ザ・キャピトルホテル東急)
私がこのレシピを作るにあたって、いかにゴミを出さずに地元の食材を活かすかを考えていたのでゴミの学校賞をいただけて嬉しいです。
審査員特別賞の受賞に関しては、私が働いているレストランでビーガンデザートを提供しており、身近に感じられることでビーガン対応のデザートにしようと意識して食材選びを考えました。
審査コメントにもあったキサンタンガムも他に濃度をつけられる工夫をすることができれば、より完成度の高い料理になると思うので、この経験を踏まえて今後に生かしていきたいと思います。
冨成シェフ賞
鄭 大羽さん(フリーランス料理人)
宮崎に直接伺う機会がなく今回の料理となったのですが、すごい課題だと感じているところを評価していだいたのだよかったですし、この受賞で今後よりがんばれたらなと思います。
ありがとうございます。
MATSURI賞
北澤 孝騎さん(ザ・キャピトルホテル東急)
和食の魅力を少しでも多くの方々に知って貰えればと思い、古くから日本で愛される豆腐を使い、未来へ繋がる【食材食べる藻】も多くの方へ、知って貰い親しみを持って頂きたいと思い考えました。
そのようなことから、今回賞を頂きましたので少しでも多くの方に広まればと思っております。
特別協賛
協賛
後援
協力
*この企画は、地球環境基金の助成金を受けて開催しております。