ファイナリスト一覧
ご応募いただいたみなさんの素晴らしいレシピの中から、特に優れたファイナリストのレシピをご紹介します。

田代愛花理さん(大阪調理製菓専門学校

夏のベジパフェ ~エビのチュイル添え~

思わずシャッターをきってしまうような、華やかなパフェをイメージしたコールドオードブルです。季節の食べ物を楽しみ、そしてその食材を食する意味を大切にしました。

材料であるぶどう・枝豆・かぼちゃ・卵・海老はすべて丸ごと使用しております。

果物のスッキリとした甘みと野菜の自然な甘みがマッチし、卵の優しい風味が楽しめます。さらに食感のアクセントとして、エビの殻で作ったチュイルを添えました。

丸ごと素材の味わい引き立たせた一品です。

基本条件

食料の無駄をなくす(食品ロス削減)

材料リスト

2人分

ぶどうの甘酢ジュレ
ぶどう:ひと房(種無し)
レモン汁:小さじ2
酢:30ml
アガー:5g

かぼちゃクリーム
かぼちゃ:4分の1カット
無塩バター:15g
*砂糖:大さじ1
*味醂:大さじ1
*お湯:60ml前後
(かぼちゃの水分によって変わる)
※ * は合わせておく
塩:少々

かぼちゃの種のロースト
かぼちゃの種:20粒前後

卵豆腐
卵:2個
淡口:小さじ1
出汁:150ml
>エビ 枝豆の殻 かぼちゃの皮とヘタを使用

枝豆ペースト
枝豆:300g
塩:小さじ1
牛乳:大さじ1

海老チュイル
エビの殻:15尾分
塩:小さじ1
出汁:大さじ3
油:小さじ2

飾り
枝豆の薄皮:10枚前後
枝豆の殻 :人数分
枝豆のスジ :人数分
かぼちゃの種:20粒前後

調理手順

・ぶどうの甘酢ジュレ
皮と果肉に分けて、皮は軽く揉み果肉はあられ切りにする。沸騰したお湯に皮を入れて色を抽出する。お湯の量は色の薄さや濃さに合わせて調節。この時卵の殻を入れてアク取りに使用。綺麗な赤紫色になるまで煮出す。煮出した汁200mlに、レモン汁(変色防止)、酢、アガーを加えて沸騰させる。果肉を散らしたバットに流して常温で固める。

・枝豆ペースト/トッピング
湯掻いて殻と実にわける。実を覆っている薄皮を剥がす。
薄皮と殻は150度のオーブンで30分乾燥させる。乾燥した殻のスジをとる。実はすり潰して塩と牛乳を加えペーストにする。

・かぼちゃ/かぼちゃの種ロースト
種をくり抜き、種を火にかけてローストした後、白くて固い部分を割って中の緑色の種を取り出す。周りの白くて固い部分をスモークチップとして使用して緑の種に香りを移し、さらに香りを引き立たせる。蒸かしたかぼちゃはすり潰して熱いうちに無塩バターと調味料を加えて滑らかにし、クリーム状に。絞り袋に入れて絞る。

・エビのチュイル
エビの殻を焼いて水分を飛ばし、さらにオーブン160度で15分。すり鉢で粉々にしたら出汁・小麦粉・油・塩を混ぜ合わせてクッキングシートの上に薄く伸ばし再びオーブン160度で水分を飛ばす。加熱時間はパリパリ具合を確認しながら追加していく。エビの身は1口大にカットして玉子豆腐の具に。

・玉子豆腐
卵を割って(からは捨てないアク取りに使用)、出汁と淡口を合わせてこす。かぼちゃ・海老・枝豆が入った容器移して蒸す。

・出汁
水とかぼちゃの皮とヘタ、枝豆の殻、海老をいれて煮出す。

・盛り付け
玉子豆腐の上にかぼちゃクリームを絞り、スモークした種を飾る。再びクリームを絞って隙間を埋める。その上に海老のチュイルのせる。その上に丸く成型した枝豆ペーストを乗せる。パリパリした枝豆を覆っている薄い皮と、枝豆の殻、さらにスジをトッピングして、周りに固めておいたジュレを崩してかける。最後に海老のチュイルをトッピングして完成。

審査員コメント

卵の殻や、南瓜の皮、海老の殻なども、余すことなく丸ごと使用し、捨てられてしまう端材に価値をつけ美しく仕上げたレシピです。
特に、枝豆の皮をリボン状にして見せることで、捨ててしまうものに付加価値を出しながらメッセージを伝えている点が、高く評価されました。

Giulia Rofi Palloneさん(FARO)

La genuinità del pane(パンの真価)

本来なら廃棄されてもおかしくない食材がデセールとしてアップデートされることに興味を持ち始め、使い終わってもまだ意味のある自然が与えてくれた大切な食材の中には、生産者の想いや吹き込まれた命があって、そこから救ってもう一度命を生み出す方法は無限にあると思います。

廃棄食品はそれを生み出す企業や社会で目立つことはありませんが、存在は計り知れません。だからこそまだ誰にも試されていない解決法は無数に広がるのではないでしょうか?

小さなアクションでも想像力を働かせてクリエイティブに未来の世界を築くレシピを作っていきたいと思います。

基本条件

食料の無駄をなくす(食品ロス削減)

材料リスト

5人分

・ビアンコマンジャーレ:アーモンドミルク750ml/古くなったパン150g/使い終わったバニラの鞘2本/カラギーナンアガー9g/有機甜菜糖80g/天然塩適量
・桃のグラニテ:自然農法の和歌山の桃の皮、種/水1L /桃の果肉(小さめ2個分)
・パンのクリーム:古くなったパン100g/高知有機きび砂糖100g/国産有機豆乳800ml/水大さじ3
・パンの飾り:古くなったパン/パウダーにした有機甜菜糖18g/ココアバター70g/アーモンドペースト70g/使用済みのバニラの鞘
・ジェル状のピーチソース:グラニテと同じベース400g/バーベナシロップ50g/淡路島産有機ライム半子分の果汁/国産伊那寒天5g
・パンのクランブル:北海道産有機小麦粉55g/ふるいパンから作ったパン粉14g/甜菜糖(パウダー状にしたもの)8g/アーモンドパウダー30g/コーンスターチ15g/天然塩0.5g/ゴマ油43g/メープルシロップ33g/バニラのカス適量/マカデミアナッツパウダー15g
・パンと出がらしのコーヒーのスポンジケーキ:北海道産有機小麦粉50g/ベーキングパウダー5g/ブレッドパウダー70g/重曹2.5g/有機甜菜糖80g/塩少々/国産有機豆乳184g/ごま油40g/バニラのカス少々/国産リンゴ酢7.5g/使用済みコーヒー粉15g

調理手順

・ビアンコマンジャーレ:水とアーモンドでアーモンドミルクを作り、パンを浸して一晩寝かせたのち、全てをフードプロセッサーにかけ、濾過する。砂糖、塩、寒天をサーモミックスまたは鍋で95度で3分熱する。型に流し込み冷蔵庫で冷やす

・桃のグラニテ:鍋に水とフルーツ(桃の皮、種、熟した部分)を入れ、3~4時間煮込む。 この後、液体をろ過し、桃のピューレを加え、凍ったらパコジェットでかき混ぜるーパンのクリーム:鍋にパンと砂糖を入れて中火でキャラメル状にする。 半分の豆乳を入れて煮詰める。 残りの豆乳と水を加えて、沸騰させる。 鍋を火から下ろし冷ます。 ブレンダーに移し、 25gのココナッツオイルをゆっくりと加える。 クリームを細かいふるいにかける。冷蔵庫で休ませる。 冷えたら、豆乳を加えてホイップする。

・パンの飾り:パンは冷蔵庫に入れておき、 切る前に冷凍庫で15分ほど冷やす。 スライスし、焼いて、ヴィーガン用ホワイトチョコレートをつける。

・ジェル状のピーチソース:グラニテと同じベースに、バーベナシロップ、ライム果汁 寒天を入れ、鍋で沸騰させる。冷まし固めた後ブレンダーで、ジェル状の液体になるまでかき混ぜる。

・パンのクランブル:すべての材料をミキサーで一緒に混ぜる。160℃で約13分焼成する。

・パンと出がらしコーヒーのスポンジケーキ:すべての材料をミキサーで混ぜ、160℃で約25分焼成する。

審査員コメント

まず、ビジュアルに圧倒され、見た目に関する基準では、最も高く評価されたレシピです。廃棄食材の組み合わせが独創的で、お皿に込められたメッセージが、ひしひしと伝わる、料理人としての思想の奥深さが高く評価できました。

星野瑠偉さん(東京山手調理師専門学校

鹿肉のマイタケプロテアーゼ風
〜柿のソースを添えて〜

最近では、温暖化の影響で積雪量の少ない地域が増えたことから、鹿の行動範囲が拡大し人里まで降りてくるようになりました。

農作物にも被害が出ており、その対策として埋却や焼却により廃棄処分されています。元々捨てられていたと考えると環境に優しい(環境負荷が少ない)と言えるのではないでしょうか。

基本条件

より多くの野菜を使用(プラントベース)

材料リスト

1人分

鹿肉 150g 舞茸 6分の1 レンコン 2枚 ブトウ 1個
さつまいも 3枚 人参 4分の1
ソース
柿 1個 白味噌 大さじ1

調理手順

1.初めに、鹿肉の筋を取り除きます
2.取り除いたらおろしニンニクを塗り込み、切り込みをいれ、舞茸を挟み込みます
3.そしたら、鹿肉に塩胡椒をを掛けます
4.真空パックに鹿肉とレンコンを入れて、冷蔵庫で半日寝かします
5.冷蔵庫から出したら、低音調理器を70〜80度設定し、15分加熱、さらに15分〜30分加熱
6.柿はフードプロセッサーに掛け、調味料と合わせソースを作る
7.舞茸とレンコンはフライパンでサッと焼く
8.ブトウは湯むきする
9.さつまいもと柿は薄力粉を付け軽く揚げる
10.人参は紅葉に成形していく
11.鹿肉と付け合わせを盛り、柿のソースを添えて完成です

審査員コメント

フードロスは、キッチンの上だけでなく、サプライチェーン全体を俯瞰してみたときにいろいろなフェーズで生まれています。その中の一つとして、獣害として殺された鹿が産業廃棄物として捨てられている現状があり、そこに着目することは食を扱う料理人に必要不可欠な要素となってくることでしょう。

廣瀬公彦さん(ピッツェリア・ジダーリア・ダ・フィリッポ

練馬野菜

東京23区内で1番畑の多い練馬区のお野菜のみを使い、朝採れ野菜の美味しさを伝えたく作りました。

地元農家さんとコミュニケーションを密に取り、新鮮かつ季節もののお野菜をタイムリーに提供出来るのも強みです。

素材ごとに調理法を変え、色々な食感を楽しんでいただけると思います。

練馬区中村にある都内で唯一の味噌蔵、糀屋三郎右衛門さんの味噌を添えました。

 

基本条件

より多くの野菜を使用(プラントベース)

材料リスト

1人分

野菜
・クレソンアレノア100g
・ルッコラセルヴァチカ100g
・トレビス10g
・エゴマ1枚
・オクラの花1個
・ラディッシュ5g
・穂じそ5g
・紫とうがらし2本
・紅はるか5g
・オクラ1本
・カボチャ10g
・小松菜15g
・ナス10g
・アスパラ1本
・こどもピーマン1本
・ニンジン4g
・小カブ1個
・ミニトマト2個
・ビーツパウダー1g

ハーブオイルオイル 10g
・バジルの芯 50g
・イタリアンパセリの芯 50g
・菜種油 90g

・レモン汁  5g
・矢堅目の塩 2g
・味噌    10g

調理手順

[フレッシュ]
・ラディッシュ 薄くスライス
・クレソンアレノア
・トレビス
・ルッコラセルヴァチカ
・エゴマ
・オクラ花
・穂じそ
水にさらし、張りとツヤを出す。
しっかり水気を切ってから使用。

[フライ]
・紫とうがらし
・紅はるか

フライパンに菜種油を入れ、窯の手前で180℃にまであげる。
紫とうがらしはそのまま素揚げ、紅はるかは薄切りをカリッとチップス状に揚げる。

[ボイル]
・オクラ
・カボチャ

フライパンに水を入れて窯の手前で沸騰させオクラは30秒、カボチャはくし形切りの物を串がスッと入るまで茹でる。
オクラは茹でてからすぐに氷水で冷やし、しっかり水気を切って縦に半分に切る。

[ソテー]
・小松菜

フライパンに菜種油を入れ、窯の手前で熱し程よい色がつき食感が残るぐらいに炒める。

[グリル]
・ナス
・アスパラ
・こどもピーマン

グリルパンを窯の手前で熱し、菜種油を絡ませたナスの輪切り、アスパラ、こどもピーマンをかえしながら両面グリルする。

[低温調理]
・ニンジン
・小カブ

アルミホイルで包み、窯の手前に置きニンジン25分 小カブ10分途中上下を返しながらじっくり火を入れる。
カブは半割り、ニンジンは薄くスライス。

[セミドライ]
・ミニトマト

軽く塩をふったミニトマトを窯の入り口の横で3日間乾かし、菜種油に漬け込んでおく。
盛り付け時よくオイルを切って使用。

[その他]
・ハーブオイル
ジューサーに菜種油とバジルの茎、イタリアンパセリの茎を入れ回し、ボールに移し色を出す。
ある程度色と香りが出たらクッキングペーパーでこす。

ボールに野菜を入れ、レモン汁と矢堅目の塩、ハーブオイルで和える。

お皿に立体的に盛り付け、味噌を添えビーツパウダー
くちなしの実パウダーを散らす。
最後にハーブオイルを全体に回しかけ仕上げる。

審査員コメント

お野菜の素材の良さをそのままいかしたいという想いが伝わる一品。素材ごとに調理法を変えて食感を楽しませる手間暇惜しまぬ料理は、地元の農家さんと密にコミュニケーションをとっているからこそ生まれるお皿でしょう。見た目の美しさも高く評価されました。

岸なつみさん(東京山手調理師専門学校

柿のソースと野菜のミルフィーユ

プラントベース且つフードロスを減らす料理を作りたく思い、豆乳のスープに野菜のミルフィーユを浮かべ、柿と味噌のソースをかけました。

ミルフィーユの間には昆布出汁を使った高野豆腐とおひたしを入れ、豆乳スープには、料理工程で出た野菜の切れ端、ヘタを使った出汁を用いています。柿の皮は醤油で味をつけフレークにしました。

学校のある世田谷区でとれた柿、ほうれん草などを使っていますが、地域や季節で野菜を変えることができ、誰でも地産地消・フードマイレージの削減に取り組めるレシピです。

また、昆布出汁を水出しにする、加熱の工程は全てレンジで行うことで、CO2の排出量を減らすことができています。

基本条件

より多くの野菜を使用(プラントベース)

材料リスト

1人分

・白菜  2〜3枚
・赤パプリカ  1/4個
・黄パプリカ  1/4個
・ほうれん草  2束
・にんじん  1/8個
・高野豆腐  1/2個(5×4センチのもの)
・柿  1個
・豆乳  100ml

A
・薄口醤油  大さじ2
・みりん  大さじ2
・昆布出汁  240ml

B
・味噌 小さじ3
・酒  大さじ1と1/2
・レモン汁  小さじ1
・塩  適量

調理手順

(1)昆布を小さく切り、3時間以上水につけておく。
(2) ほうれん草を電子レンジで3分加熱し、出汁とAを合わせた液体に高野豆腐とほうれん草をつけておく。
(3) 白菜を長方形に切り、その他の野菜も白菜から出ない大きさに切って重ねていく。切れ端やヘタ、種の部分はボウルに集めておく。
(4) 柿の皮を剥き、醤油をハケで塗り180℃に温めたオーブンで5分ほど加熱し、細かく刻む。実をすりおろし、Bと混ぜ合わせ、レンジで2分ほど加熱する。
(5)ほうれん草、高野豆腐と共に野菜を全て重ね、留めるよう竹串を刺し、そのままレンジで3分加熱する。
(6)(3)で出た野菜の切れ端をレンジで2分加熱し、出た水分ごとミキサーにかける。細かくなったら濾す。
(7)(6)で出来上がった野菜出汁50mlと豆乳を混ぜ、塩を入れ味を整えていく。
(8)スープ・野菜のミルフィーユ・ソースを盛り付けて完成。

審査員コメント

非常にシンプルなレシピでありながら、昆布だしや細やかな野菜の切り方など、昔ながらの和の調理法を使った日本らしい持続可能なレシピです。プラントベースだけでなく、フードロス、地産地消(カーボンフットプリント)にも気を配っている面で評価されました。

河地悠冶さん(ボッテガブルー

パプリカのリゾット
野菜のデグリネゾン

料理のテーマは「野菜のデグリネゾン」。デグリネゾンとは、フランス語で「形態変化」を意味する言葉です。

2030年の未来のレシピということで、野菜の可能性を表現することをテーマに決めました。

今回はパプリカを「発酵させたソースを添える」「裏漉ししたピュレをリゾット加えてコクを出す」「食感として楽しんでいただくために具材としても加える」といった方法でアプローチをしています。さらにリゾットの中には、乾燥させたドライトマトとリゾットを炊く水分として生のトマトの二種のトマトを加えています。

同じ食材に様々な調理法を使うことで、深い味わいを出すことが出来ました。そんな野菜の可能性を自分なりに表現した一皿です。

基本条件

食料の無駄をなくす(食品ロス削減)

材料リスト

8人分

・米200g
・パプリカ5個
・トマト100g
・ミニトマト20粒
・玉ねぎ40g
・ニンジン40g
・セロリ40g
・蓮根40g
・ニンニク1かけ
・出汁昆布10g
・乾椎茸10g
・バジル8枚
・チーズ40g
・塩
・オリーブ油30g

調理手順

野菜の下処理 

・ミニトマト→ヘタを取って横半分に切り、竹ザルに並べて5日ほど水分が無くなるまで天日干しする。
・パプリカ→1個は種とヘタをとり5mm角に切る。4個は250度のオーブンで、皮が真っ黒になるまで焼き、皮を剥がす。そのうちの2個は重量の2%塩をかけて、殺菌した密封容器に入れ1ヶ月ほど発酵させる。
・発酵が完了したら、ミキサーで攪拌してピュレにする。(発酵パプリカソース)残りの2個はミキサーで撹拌しピュレにする。(パプリカピュレ)
・残りの野菜は全て5mm角に切る。 ※パプリカのヘタやセロリの葉などは捨てずに取っておく。

手順

①昆布、干し椎茸を水に一晩付けておき、椎茸は取り出す。その後65度に保ちながら1時間加熱して出汁を取る。昆布を取り出し、取っておいた野菜のクズを加えて一煮立ちさせて火をとめ、香りを移す。
②フライパンにオリーブ油とトマト以外の5mm角に切った野菜を入れて火にかける。
③野菜に火が入ったら米を加えて②と混ぜ合わせ、漉した出汁500ml、パプリカピュレを加えて強火で一煮立ちさせ、沸騰してきたら弱火で炊いていく。
④米がアルデンテになったらチーズ30gを削り入れ、馴染ませる。
⑤鍋にチーズ10gと出汁100mlを加えて火にかけ、ハンドブレンダーで泡立てる。
⑥盛り付け 器の中心にリゾットを盛り、渦巻くように発酵パプリカソースを引く。リゾットの上に⑤の泡を乗せ、その上からバジルを添える。

盛り付けのコツ

リゾットは少し山になるように盛り付ける。ソースは下に垂れないように細い線を書くイメージで引く。泡が消えてしまうので、手早く盛り付ける。バジルは正面から見たときに赤、白、緑のイタリアカラーがはっきりと見えるように盛り付ける。

審査員コメント

野菜を余すことなく使用し、さらにもう一つのテーマであるより多く野菜を利用、においてもクリアできるほど、野菜の魅力をふんだんに引き出したレシピでした。発酵・乾燥などの調理法を組み合わせながら、野菜のコクや食感などを楽しめるようにさまざまな工夫がされていること、また、野菜が全て地元の有機栽培野菜を使用していることも高く評価されました。

岸田颯太さん(東京山手調理師専門学校

ウシガエルのフリカッセ

ウシガエルは現在の日本において、在来種に悪影響を与えるので駆除対象である特定外来生物に指定されています。

しかし、日本に持ち込まれた原因は食用です。悪者扱いをされるウシガエルですが、悪いのは深く考えず持ち込み、本来の目的を果たせなかった人間です。

なので、ただ殺されるだけではなく美味しく食べて自然を守れるようなメニューがあれば良いなと思い考えました。

基本条件

食料の無駄をなくす(食品ロス削減)

材料リスト

2人分

・ウシガエル 500g
・玉ねぎ 120g
・にんじん 70g
・ねぎ 20g
・白ワイン 50g
・タイム 3枝
・ローリエ 2枚
・バター 85g
・薄力 50g
・生クリーム 90cc
・セロリ 25g
・マッシュルーム 4個
・レモン汁 小さじ1
・こたまねぎ 2個
・グラニュー糖 小さじ2
・米 180g
・セルフィーユ

調理手順

・薄力とバターでルウを作る。
・野菜でブイヨンをつくる。
・シャンピニオンポッシェを作る。
・鍋に小玉ねぎとグラニュー糖やバターを入れて煮詰める。
・アッシェにした玉ねぎをバターで炒め米を入れてバターライスを作る。
・フライパンにバターとオリーブオイルを入れてカエル肉を焼く。
・玉ねぎ、にんじん、ネギを5mm角に切って、カエルを焼いたフライパンで炒め、シャンピニオンのむきくずと白ワインを入れて、アルコールが飛んだらバイヨンとカエル、タイム、ローリエなどを入れて弱火で20分煮る。
・カエルに火が通ったら取り出し、300ccまで煮詰めて生クリームとルウを入れて濃度をつける。
・シノワで濾す。盛り付ける。

審査員コメント

生物多様性・資源の持続可能性は、これからの料理人にとって欠かせない視点です。なぜこうした問題が引き起こされているのか、そしてどのように解決するべきかというところまで考えたお皿で、一貫したストーリーが素晴らしいです。

伊藤春希さん(ボッテガブルー

旨味ギュッと香草香る
エビと椎茸のラビオリ

 

このレシピは、地産地消、フードロスを意識して取り組みました。調理中に出たヘタや皮などの端野菜は、フードロスの削減に繋がると考え、ベジブロスを炊きました。

また、野菜の生産地は兵庫県産にこだわりました。兵庫県押部谷にある山崎農園さんの野菜やレストラン横のスペースで始めた自家菜園で収穫した野菜を使用しました。

「自ら苗を植え、育て、自ら一皿の料理に仕上げる」という事にすごくやりがいを感じました。環境汚染が進んでいる今、野菜の育て方、動物の育てられ方、地球環境について知る事でもっと料理、暮らしに対する考え方が変わり、サスティナビリティーな環境、社会作りが出来ていくと思います。

 

基本条件

食料の無駄をなくす(食品ロス削減)

材料リスト

2人分

①トマトピューレ
・トマト缶:300g
・ミニトマト:200g
・玉ねぎ:200g
・水:200ml
・塩、胡椒:適量

②ラビオリ生地
・薄力粉:100g
・強力粉:40g
・全卵:1個
・卵黄1個
・塩:少々

③バジルオイル
・バジル:20g
・太白ごま油:20g

④香草バター
・植物性バター:20g
・パセリ:5g
・バジル:5g
・ニンニク:半かけ

⑤ベジブロス
・水:1ℓ
・酒:大さじ1.5
・乾燥昆布:2cm×10cm 1枚
・調理中に出た端野菜:ヘタや茎…など

⑥ラビオリ タネ
・有頭ブラックタイガー:10尾
・椎茸:30g

⑦アメリケーヌソース
・玉ねぎ:40g
・人参:30g
・セロリ:15g
・ニンニク:半かけ
・ブランデー:20ml
・白ワイン:20ml

調理手順

ミルポワ野菜は皮を剥き、3mm角にカットしておく。

①トマトはヘタを取り半カット、玉ねぎはスライスし、弱火で炒める。しんなりしたらレシピ①の材料を加え煮込む。とろみがついたらミキサーにかける。
②小麦粉はふるい、レシピ②の材料とフードプロセッサーにかける。軽くまとまったら手でこね、常温で休ませる。
③バジルはさっと茹でて氷まずに落とす。水気を切りごま油とミキサーにかけ、漉す。
④常温に戻したバターとレシピ④の材料をミキサーにかける。
⑤エビは頭、殻をとる。砂袋、背わたを取り5mm角にカット。椎茸も石突を取り、かさを5mm角にカット。処理した端野菜でベジブロスを炊いていく。
⑥椎茸、エビ、④を大1の順で炒める。塩胡椒で味を調整。
⑦、⑥を一度取り出す。同じ鍋でミルポワを炒め、強火にしてからエビのガラを炒める。ブランデーを加えフランベする。白ワイン、①を170g、ベジブロスをひたひたまで入れ、煮込む。
⑧薄く伸ばした②を2枚用意する。4cm間隔にタネをのせ、生地を被せる。手で外に空気を抜く。包丁で切り離しフォークで端を留める。湯を沸かし、1分程茹でる。
⑨、⑦を漉し、煮詰めていく。少し緩い状態で弱火にし、④でとめる。塩胡椒で味を調整。
⑩茹で上がったら、軽くソースに絡めて盛り込む。仕上げに③を垂らして完成。

【ポイント】
・生地作りで出た卵白をラビオリの縁に塗ると、より接着力が増す。
・生パスタで中のタネは火が入ってるので、生地が糊化すれば茹で上がり。アルデンテに仕上げる。
・エビのガラは強火で素早く炒めあげる。
・盛り付けはセルフィーユで立体感を出しつつ、差し色として使う。

審査員コメント

生地作りで出た卵白をラビオリの縁に塗ることでより接着力が増す技法など、食材の無駄をなくす“食品ロスの削減”に合致しており評価されました。
レストラン横に菜園を作り自分で育てた野菜を使用するという【ミニマムな循環生活様式】まで伝えている点も今後のサステナブルな料理人のモデルとなるでしょう。

佐々木瑶介さん(東京山手調理師専門学校

エビと椎ブラックバスのクネル

クネルにはブラックバスのみ身と皮を使いました。ソースのアメリケーヌにはザリガニを。

この2つを使った理由は、どちらの生物も在来種に非常に大きな影響を与えています、ブラックバスは在来種を多く捕食してしまいその量を減らしてしまっています。

ザリガニは、水草を切り川や池の水質を汚染してしまっています。

在来種で、料理人そしてお客様の元へ届く数も減ってしまうため、在来種を減らしている元となるこの2つの生物もそして、在来種も増やして美味しく食べれる料理にしました 。

基本条件

食料の無駄をなくす(食品ロス削減)

材料リスト

2人分 

・A
– ブラックバス 250g (皮をひく)
– 卵白 2P
・生クリーム 200g
・塩
・胡椒

・くず野菜
・カボチャ
・レンコン
・まいたけ

ソース
・ザリガニ 10P
・ニンニク 1P
・B
– にんじん
– 玉ねぎ
– セロリ
・トマト缶 100g
・水 500g
・白ワイン 20g
・ブランデー 40g
・バター 20g

調理手順

①Aをミキサーに入れ、塩胡椒をふり、生クリームを少しずつ伸ばす。
②ブランシュしたくず野菜を入れて混ぜる
③ラップに皮を敷いてすり身をのせて巻く
④180度に設定したオーブンで10〜15分加熱(コンベクション)する
⑤ラップを外して皮面を焼く(焼き目をつける)

ソース

①ザリガニの殻を炒める(香が立つまで)
②①をバットにうつし、Bを炒める(焦げをこそぎとる)
③トマト缶を入れる
④①を戻し、ブランデーを入れる
⑤白ワインを入れる
⑥水を入れ、中火で5分ほど煮込む(アクを取る)
⑦⑥をこす(しっかり身を押しながら)
⑧半量くらいまで煮詰めたら、バターを入れて(バターモンテ)仕上げる
⑨盛り付けをする

審査員コメント

「食料の無駄をなくす、のテーマに対して、外来種が在来種を捕食しているという、水産資源や生態系の問題に着目するという食材調達の視点が高く評価されました。これからの料理人の視点として必要な視点だと思います。

協賛団体

後援団体

農林水産省

企画協力

会場提供・関連イベント開催

会場提供

企画アドバイザー

薬師神 陸

企画アドバイザー

杉浦 仁志

企画アドバイザー

横尾 祐介

企画アドバイザー

キムラ カズヒロ

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