1年に一度開催される「Food Made Good Awards」。

日本サステイナブル・レストラン協会(SRA-J)として2年目の開催となった本アワードは、11月14日(月)14時から、3×3 Lab Futureの会場とオンライン配信のハイブリッドで開催されました。

FOOD MADE GOODのフレームワークの10の主要分野に関して、2022年度に実施した成功事例や模範事例、また革新的なアイデアをご紹介しています。

アーカイブ動画は公式YouTubeからご覧ください。

アワードの各賞について

加盟店の中でも、特に取り組みを推進し、FOOD MADE GOODのレーティングにおいて高評価を得たレストランを、大賞と部門賞(調達・環境・社会)において表彰しました。

大賞

Sponsored by 三菱地所

BOTTEGA BLU.

受賞理由

全ての項目で高いレーティングを獲得。 調達面では、有機野菜やフェアトレード原料の調達など、広い分野で丁寧な対応を行ってる。魚はWWFジャパンのお魚ハンドブックを参照し、魚種、漁法などを確認しながら調達するなど、地域の市場の現状に即した形で改善を推進。持続可能な調達や、社会への貢献、資源循環、気候変動対策を包括的に実施できている。 社会面では、トラットリアケナルへの指導など、他のレストランに食品ロス削減のノウハウを積極的に伝えることで、レストラン業界全体のサステナビリティ向上に取り組んでいる。 環境面では、再生可能エネルギーを100%使用うほか、食品ロス対策として自店舗のみならず提携農家での食品ロスが出ないようにサポートし、メニュー構成から廃棄物削減に取り組むなど、食品ロス・廃棄物対策をフードシステム全体で行えている。 全体的な取り組みの幅広さや持続可能な調達の徹底、レストランスタッフへのサステナビリティ研修や提携農家の食品ロス削減サポートなど、自店舗だけではなく農業・レストラン業界全体の発展に貢献する姿勢が大変素晴らしい。

部門賞「調達」

PIZZERIA GITALIA DA FILIPPO

受賞理由

調達方針に則り食材を購入。魚は近隣の魚屋さんから環境に配慮した漁法や漁獲海域を指定したものを優先調達し、あえて市場に出回らない未利用魚も仕入れ、レストラン内で使えないものは、ふりかけなどの商品開発にも力を入れている。これは、漁業資源や生態系に配慮した調達と食品ロス・廃棄物削減の双方に貢献する。食品ロス対策として、生産者との協働も未利用魚の仕入れなどで実践できている。 また、海外食材に関しても、フェアトレード認証のものを積極的に使用し、環境・社会に配慮した質の高い食材を提供しようという姿勢が見られる。食品関連企業にとって、調達は最も土台となる部分で、「調達」の4項目すべて70%以上の高い評価を得られたのは、対象レストランの中でもこの1店舗だけだった。

部門賞「社会」

haishop cafe

受賞理由

全従業員がサステナブルデザイナーとして活動し、従業員がより課題解決に向けて積極的に行動に移せるような仕組みが見受けられ評価できる。フェアトレードや水産物もさることながら、店舗全体へのサステナブルな配慮を広げたり、ヴィーガンメニューをはじめ、多様な価値観や国、嗜好など、様々なお客様のニーズに応えられる店づくりが出来る店舗だと感じた。また従業員とともに提携農家に農作業支援を行ったり、シェフが1週間漁業体験を行う等、材料の生産者達と素晴らしい信頼関係を構築している。フェアトレードのキャンペーンの企画推進や調理専門学校でのSDGs授業等、自店舗に留まらない社会への貢献が大きく、生涯教育と次世代教育を同時に進めていくことの重要性を理解している店舗だと考えられる。

部門賞「環境」

トラットリア ケナル

受賞理由

リユースや再生資材を積極活用し、サーキュラー・エコノミーを推進している。すべての生ごみを廃棄せず、すべて肥料として活用、省エネ・節水ツールの導入や、廃油の「バイオ・ディーゼル・ヒューエル」として地元に還元するなど、廃棄物を出さずに資源として活用することを実践できている。 毎日食品ロスの量を計測してスタッフ全員を巻き込んで対策のアイデア出しをする等、日々改善を生み出すオペレーションの設計が素晴らしい。

サーキュラーエコノミー賞

Sponsored by 全国牛乳容器環境協議会(容環協)

今年日本では初の試みとして、紙パックリサイクルの推進プロジェクトを協働した、SRA-Jの団体パートナー「容環協」より、サーキュラーエコノミー賞が表彰されました。

BOTTEGA BLU.

受賞理由

2022年はSRA-Jと容環協の協働で、複数の加盟店に紙パックリサイクルに関する実証実験を実施していただきました。
紙パックの回収ボックスを店舗に設置したり、フライヤーを配布するなど、どの店舗も来店者への啓発を熱心に取り組んでいただきましたが、BOTTEGA BUL.は紙パックの回収量もさることながら、芦屋市の環境局や、芦屋市商工会を巻き込んで同業他社にアピールをし、その結果1ヶ月も経たないうちに芦屋市長からも「一緒にサイクルをしましょう」というお話をいただきました。この実行力、情報発信力を評価させていただきました。

ノミネートレストラン

日本サステイナブル・レストラン協会より、2022年度のサステナビリティ評価(レーティング)が完了している店舗

BOTTEGA BLU. (兵庫・芦屋)★★★

兵庫県芦屋市にあるイタリアンレストラン「ボッテガ・ブルー」。イタリア修行時代に培った「もったいない精神」を守り続け、端材はだし汁に、失敗したお菓子の生地はオーブンシートの代わりにするなど、店内での食品ロスをゼロにする取り組みを当然のこととして実施しています。サステナブルな輪を広げるため、シェフの受け入れや他店舗のメニュー監修を行うなど、さらにリーダーシップを発揮し続ける関西を代表するサステナブルレストランです。

PIZZERIA GTALIA DA FILIPPO (東京・石神井)★★★

東京都練馬区石神井公園にある「ピッツェリア ジターリア ダ フィリッポ」は、地産地消が難しいとされる都内で、地元の練馬の農家と商店街から愛されるピッツェリアです。生産者との信頼関係と支援、また従業員の働く環境整備を優先して行っています。コロナ禍には医療従事者への支援、最近では地域の福祉施設と連携し障害者雇用を後押しする弁当の商品開発を支援。料理人や飲食店の従業員の地位向上を他のレストランのシェフとも連携しながら活動をしています。

トラットリア ケナル(岡山・真庭)★★★

岡山県真庭市にあるトラットリアケナル。開店前から加盟、サステナビリティのフレームワークに則して準備、芦屋のボッテガブルーでスタッフが修行するなど真摯に取り組んだ成果が表れています。環境に配慮し、LED照明や人感センサー使用による省エネ、節水ツールの導入。再生資材で作られた家具、備品の使用。食品ロス0を目標にどうすれば「食べ残し」が減るか、スタッフ全員でアイデアを出して実践しています。廃油はバイオ・ディーゼル燃料として地元に還元しています。

haishop cafe (神奈川・横浜)★★★

神奈川県横浜にあるhaishop cafeは、食のサステナビリティ推進を目的として、”食”を通した社会課題の解決に貢献しています。半径80km以内で収穫された規格外を含む無農薬栽培の野菜を使用し、牛肉は環境負荷が高いので一切使用せず、8割のメニューをヴィーガン対応をしています。社会問題をテーマにした映画の上映会など、レストラン・カフェの枠を飛び出した活動も多く行いながら、環境・社会課題の背景を含めたサステナブルな発信を継続的に行っています。目の前の営業にとどまらず社会への波及的なインパクトを考えて活動している未来に繋がるカフェです。

御料理 茅乃舎(九州・福岡)★★★

福岡県久山町にある「御料理 茅乃舎」は、創業15年前から、スローフードレストランをコンセプトに据え、メニューの半分以上が野菜のお料理を提供しています。昔ながらの出汁や調理方法は地元のおばあちゃんの知恵から日本古来の和食を提供、地元の米農家さんから調達しているお米は、毎朝お店で籾摺りから仕込んでいます。西日本最大と言われる茅葺き屋根は、熊本県阿蘇地方の女性が手刈りした茅で作られました。日本の伝統を守りながら料理だけでなく空間全体で和のサステナビリティを発信しているレストランです。

SELVAGGIO(愛媛県・北宇和郡)★★

SELVAGGIOは、人口270人の限界集落にある愛媛県松野町の目黒滑床渓谷という大自然の中にあるピッツェリアです。四万十川の源流が流れる滑床渓谷の大自然の中で愛媛の地産地消と旬の食材の推進しています。シェフ自らが地元の農家とのコミュニケーションに力を入れ信頼関係を構築し、無農薬・無化学肥料のお米やお野菜、またジビエを含め地産の食材を使用し、地方であるが故に実施することができるサステナビリティの取り組みを行っています。

L’OSIER(東京・銀座)★★

ロオジエは「美しい環境を守らなければ、美しい食材を得ることができず、美しい食文化も次世代に残せない」という危機感を持ちながら、「食」という側面から、サステナブルな取り組みを本格的に進めています。使われる食材は持続可能な漁を実践している一本釣りの魚、環境に配慮した養鶏場からの地鶏・卵、また有機無農薬栽培で収穫される野菜です。また2022年1月からは100%再生可能エネルギー由来の電力へ切替えをしています。オリヴィエ・シェニョン・シェフは「マイクロバイオータ農法」というリジェネラティブな農法を普及する活動を日本において行っています。

日本料理 富成(石川・輪島)★

日本料理「富成」は、石川県輪島にある和食レストラン。『料理をとおして 能登の里山と人を元気にする』ことを理念に掲げ、能登の自然の中で育まれた海や山の幸を使用。オーナーシェフ自ら食材を獲りに行きます。また店舗の近隣で自家農園を行い、全て無農薬無化学肥料で栽培しています。使用するお肉も地産地消で、放牧・平飼いでアニマルウェルフェアに配慮されたものです。富成シェフは近隣の町野川漁協の事務局を務め、環境保護活動の一環として「町野川再生プロジェクト」を推進し、小学校への食育活動も行っています。

Graal(宮城・仙台)

宮城県仙台市にあるGraal。Graalという店名の意味はフランス語で「聖杯」。東北の食材・食文化の魅力を発信し続け、生産者との連携で地方の食材をクローズアップしたローカルガストロノミーで地産地消を実現しています。Graalでは、サステナビリティの考え方を顧客に浸透させる努力を行っており、できるだけ同じ考えを持った人を増やしていくことを考えています。

Oppla da Gtalia(東京・石神井)

東京都練馬区、武蔵関にある「オップラダジターリア」は、地元農家の思いのある生産者から食材を仕入れ、ピッツァだけでなく、パスタや前菜など、野菜をふんだんに活用したメニューを提供しています。また、子供向けのピッツァ作り教室なども開催したり、障害のある方々が生産に携わっている農作物を仕入れたり、障害者の方の労働支援として、商品のパック詰めを福祉施設にお願いしたりするなど、地域コミュニティへの貢献にも積極的に取り組んでいます。

BAR芦屋日記(兵庫・芦屋)

兵庫県芦屋市にあるBAR芦屋日記。バーとしては日本初の加盟店。地元の果物や日本産の茶葉を利用したカクテルを提供。またカクテルに使用したフルーツの皮を加工してサイドメニューにするなど、食品ロスにも取り組みをしています。芦屋商工会を巻き込み、紙パックリサイクルの実証実験を推進するなど、阪神間の感度の高い顧客と共に進化を続けるサステナビリティのリーダーシップを発揮している老舗バーです。

伊たこ焼(大阪府・大阪市)

大阪梅田にあるたこ焼き屋、伊たこ焼。たこ焼きのタコが絶滅の危機にあることを憂慮し、タコの代わりに地元の伝統野菜などを使用した「ベジたこ」を考案。「タコ入ってないやん」と突っ込まれながらも、大阪の伝統食が持続可能であるために、さまざまな課題に挑戦を続ける、たこ焼き屋さんです。

お野菜料理ふれんちん(大阪・東大阪)

大阪東花園にある、お野菜料理ふれんちん。ラグビーの聖地「花園ラグビー場」の近くの商店街で、地元の野菜をふんだんに使用したフレンチを提供。幼少期の旅先で食べた一皿に感動し、食で人々の心を動かせるシェフを志すオーナー。現在は持続可能な食の未来を見つめ、地元小学校に出前授業も行いつつ、地元商店街や生産者とのつながりを大切にするレストランです。

能勢 日本料理 新(大阪・能勢)

能勢 日本料理 新は、関西各都市よりほど近い里山、大阪府能勢町にあります。里山景色の中、四季折々の旬を山、川、畑、動物から感じ、この景色を未来に繋いでいきたい、そのためにできることをまず学ぼうと日本サステイナブル・レストラン協会に参画しています。地産の能勢の食材を中心に使用し食品ロスを無くし、店舗は築150年の古民家や廃材利用、店内でも器や照明も古いものを大切に使っています。 文化としての日本料理を未来に残したい、その技術と伝統継承を第一に料理を作り続けています。

ザ・キャピトルホテル東急内 オールデイダイニング「ORIGAMI」(東京・千代田区)

ザ・キャピトルホテル東急内のレストランであるオールデイダイニング「ORIGAMI」は、主要シェフやマネージャーが日本サステイナブル・レストラン協会のフードサステナビリティ認定講習を受講し、より効果的で実効性の高いSDGs活動に取り組んでいます。社内での共通認識を持ち推進、地産地消や旬の食材、プラントベース・ヴィーガンを考慮しメニュー開発に活かしています。ホテルとしては、サステナビリティをテーマに年4回のイベントを顧客への意識啓発と社内教育にも活用しています。

TRONCONE(埼玉・所沢市)

トロンコーネとはイタリア語で年輪を意味し、イタリアで学んだスローフードのありかたやワインと食の楽しみ方をベースに、ソムリエの資格を持つ夫婦2人で営んでいます。農産物は地産地消で、無農薬・自然農法を行う農家と直接取引をしています。使用する豚肉は成長ホルモン剤や抗生物質を一切使わないもの。ワインも生産者のストーリーを知り納得いくものを仕入れています。子どもたち、地球の未来を想いながら、その架け橋となるべく活動しています。

naturam(東京・二子多摩川)

Naturamは「自然な、ありのままに」を意味します。国産食材にこだわり、自然の恩恵や日本の四季を感じながら、食材の生産者や器の職人など作り手の「思い」を大切にし、素材の持つ「美味しさ」を一皿に表現していきたいと思っています。都心を離れ二子玉川にある一軒家レストランでご用意する、ナチュラルなお食事で皆様に少しでも元気になっていただきたいと考えています。

協賛団体

後援団体

審査員

生江 史伸

1973年横浜生まれ。大学の政治学科卒業後、イタリア料理店を経て、北海道ミシェルブラストーヤジャポン、英国ザ・ファットダックで二番手シェフを務め、2010年東京レフェルヴェソンスを開店。ミシュラン二つ星、アジアベスト50レストランで「サステナブルレストラン賞」を受賞。

井出 留美

食品ロス問題ジャーナリスト。博士(栄養学)修士(農学)。ライオン(株)研究職、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力。Champions12.3メンバー。食品ロスを全国的注目レベルにまでしたとして第2回食生活ジャーナリスト大賞/Yahooニュース個人オーサーアワード2018受賞。著書『賞味期限のウソ』など。

山口 真奈美

一般社団法人日本サステナブル・ラベル協会代表理事。持続可能な調達や環境社会的配慮、CSR・国際認証・エシカル消費・生物多様性等を専門に活動。研究所等を経て2003年独立。外資認証機関の代表も努め、現在は、国際認証・サステナビリティ専門として主にコンサルティングやアドバイザリー・教育研修の他、様々な理事を兼任。

潮崎 真惟子

認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン 事務局長。デロイトトーマツコンサルティングを経て現職。株式会社オウルズコンサルティンググループにてマネジャーも務める。コンサルタントとしてはサステナビリティ事業戦略や政策立案、人権デュー・ディリジェンスなどを多数担当。「児童労働白書2020」執筆。一橋大学大学院経済学修士(地域開発)

三沢 行弘

企業等で国内外の事業の企画・推進に携わった後に、WWFジャパンに入局。人類が自然と調和して生きられる未来を築くことを目指し、国内外で海洋保全につながる活動を行う。水産物取扱企業の持続可能な調達方針の導入やトレーサビリティの改善支援、違法・無報告・無規制(IUU)漁業を根絶するための政策提言等を通じて、漁獲から食卓まで、サステナブルな水産物サプライチェーンの構築を推進している。また、「2030年までに世界で自然界へのプラスチックの流入を根絶する」というWWFのビジョン実現に向け、政策決定者や企業関係者に働きかけ、プラスチックの大幅削減を前提としたサーキュラーエコノミーの構築に向けても取り組む。水産庁 漁獲証明に係る新たな法制度に関する検討会 委員

司会者

木村千春

このアワードの一部は地球環境基金の助成金によって運営されました

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