新型コロナウイルス(COVID-19)とは何か?
新型コロナウイルスは飲食業界にとってなぜ問題なのか?
新型コロナウイルス(COVID-19)とは何か?
その問題は?
- 新型コロナウイルスは肺や呼吸器に影響を及ぼす疾患です。風邪やインフルエンザに似た症状を発症し、時として重症化や死亡につながります。
- 自覚なく保菌者となることがあります。
- 鼻、口、目が新型コロナウイルスに汚染された体液に直接触れることで感染します。人との接触、空気中の飛沫、手や、布、エプロン、調味料の瓶、カトラリーや洋服といった様々な物の表面に付着した汚染された体液に触れることで感染します。
- 高齢者や疾患のある方は新型コロナウイルス感染による重症化や死亡の可能性が高くなります。
- 潜伏期間は、無症状のまま何日にもおよぶ場合があり、症状がなくとも他の人に感染する可能性があります。
- 風邪やインフルエンザに似た新型コロナウイルスの症状を発症し始めた段階が最も感染リスクが高いとされています。
- 新型コロナウイルスの感染が拡大すると、医療システムの崩壊につながります。既にイタリアや中国では医療システムの崩壊が起きています。これにより、新型コロナウイルス以外の疾患で医療サービスが必要な人々が治療を受けることが難しくなる、あるいは不可能になります。また、経済的にも、一時的な不況ではなく長期的な景気後退をもたらす可能性があります。
新型コロナウイルスは飲食業界にとってなぜ問題なのか?
- レストラン、バー、カフェやパブなどは、従業員にとっても、お客様にとっても新型コロナウイルスの感染が特に拡大しやすい場所です。自身が感染していなかったとしても、あなたの行動が多くの命を救うことになるのです。
- 具体的な時間はまだ良く分かっていませんが、新型コロナウイルスは何時間もの間、感染力を持ったまま物質の表面に留まり続けます。レストランでいえば、カウンター、布、衣服、皿、グラス、ナイフ、フォーク、スプーン、保存容器、梱包箱、ドアノブ、蛇口、クレジットカード、クレジットカード端末、販売時点情報管理システム、キーボード、マウス、タブレット端末、携帯電話、現金など、あらゆるものに付着します。
- 通常の衛生管理を徹底していたとしても、新型コロナウイルスの感染リスクを防ぐためには特別な予防が必要です。
- 一時的に休業しない限り、従業員やお客様を新型コロナウイルスに感染させてしまうリスクが常にあるのです。自分のお店から感染するリスクを根絶するには、他の方法はありません。リスクを減らすためには休業という選択をしなければならないのです。
新型コロナウイルスのリスクを減らすために、店舗で何ができるか?
今以下の情報の全てを読む時間がないようでした、この3つを行うだけでも、新型コロナウイルスの拡散を緩やかにすることができます。
- スタッフに手洗いの回数を劇的に増やしてもらう
- 全ての器具の表面の掃除や消毒を徹底的に行い、消毒の回数も増やす
- 忘れないでください:あなたやあなたの従業員がこの状況を変えることができるのです。手洗いや掃除をより頻繁に行うことが文字通り命を救うことに繋がります。
新型コロナウイルスに無意識に感染してしまう、あるいはお客様に感染させてしまうリスクを下げるためにできることが他にもたくさんあります。ぜひ、続きも読んでみてください。
最も重要なこと
- レストラン、バー、カフェ、パブは無意識のうちに多くの人を感染させてしまう可能性があります。
- これまでのプラクティスを変えることは、常に重要ですが、特に休業期間が解除されたり、地域での感染が収束に向かってきた段階が重要です。事業プラクティスを変えることは、状況の悪化や、感染拡大が再度起こるのを防ぐことにつながります。
- 体調不良のスタッフは出勤しないようにし、勤務開始前には、非接触体温計により体温を測り、熱がないことを確認します。
- 通常の衛生や消毒は徹底して行い、可能であれば、これまでよりも徹底して行うようにしてください。(具体的な方法は以下にご紹介します。)
- 自分の顔、携帯電話、服、ナイフ、フォーク、スプーン、食器、調味料のボトルやサービス用の物を入れている容器など必要のないものには触らないよう、スタッフに意識してもらいましょう。
- 正しい手洗いの方法を全てのスタッフに教えましょう。
- スタッフにできる限り頻繁に手を洗い、消毒してもらいます。理想的には10分から15分おき、あるいは汚染されているかもしれない表面、例えば携帯電話、服、販売時点情報管理や支払い端末、ドアや設備の取っ手、使用済みの食器やカトラリー、使用済みのテーブルナプキンや、調味料のボトル、他の人などに触れた後には毎回手洗いや消毒をするようにしてもらいます。
- テイクアウトやデリバリーをできる限り増やすための努力を行います。 ・レシピを変更して配送をしやすくします。
・お客様の玄関先で食べ物をお渡しするなど、接触を排除する配送を行うために最善を尽くしてください。例えば、接触を排除している配送方法を取っている配送会社を選択します。この場合、配送会社は安全な距離を保ち、顧客が確実に配達を受け取ることができるようにしています。
新型コロナウイルスのリスクを減らすために、低価格もしくは費用をかけずにできることが多くあります。
- 安価なもので構いませんので、全てのスタッフに体温計を配布しましょう。
- スタッフにハグ、グータッチ、握手、ハイタッチなどは行わないように注意喚起しましょう。できれば、肘タッチもしない方が良いです。接触しない方法で愛情を示す方法を探しましょう。
- 店舗の入口やウェブサイトに分かりやすいサインを掲げ、体調の悪い人や年配の方は入店しないように呼びかけましょう。
- シェフのジャケット、ユニフォーム、タオル、布、エプロン、テーブルクロスなど、全てのリネンが適切に選択されているかどうかチェックします。
- リネンサービスの担当に、全てのサービスリネンが衛生管理の規制に沿って行われているか確認をする。
- リネンを現場で洗濯する場合、160F/70C以上のお湯を使用し(念のため、ラベルに記載されている濃度まで漂白剤を加えます)。洗濯用の水温が160F/70C以下の場合には、次亜塩素酸塩の漂白剤やその他の消毒薬製品をラベルに記載されている濃度まで入れます。
- 掃除、衛生製品を確認し、全てが抗ウイルス性であることを確認します。石鹸、アルコール消毒、食品衛生スプレー、漂白剤、過酸化水素水は抗ウイルス性でなければなりません。酢、エッセンシャルオイルといった天然のものや、低毒性洗浄剤は抗ウイルス性ではありません。
- 掃除、衛生製品やスプレーボトルを見て、推奨される希釈濃度であることを確認しましょう。
- 洗ったグラス、食器、ナイフ、フォーク、スプーンの扱い方を変え、それぞれのアイテムを触る回数を最小限に抑えるようにします。食器を磨く布は大変汚染されやすいです。
- ナイフ、フォーク、スプーンとガラス食器類を一緒に磨くのはやめましょう。
- 食器類を磨く場合、アイテムを触る前と後には必ず手を洗い、布は毎回、交換するようにします。
- 磨いてからはお客様にサービスするまで、ナイフ、フォーク、スプーンに触らないようにしましょう。
- 調理法を変え、スプーンとピンセットのみを使用するようにしましょう。手袋の着用に関わらず、手は使わないようにしましょう。
- 調理場と店舗の入り口にはポンプ式の消毒液/アルコールジェルを置きます。(消毒液/アルコールジェルは60%以上のエタノールであることを確認してください。)
- 可能であれば、接触を避けた支払い方法を導入しましょう。
- サービスカウンターでは、抗ウイルス消毒布を置き、携帯電話、販売時点情報管理システム、支払い端末、キーボード、マウス、タブレット端末などを拭けるようにしておきましょう。
- 手や腕を徹底的に洗う方法を知っている人は少ないでしょう。スタッフやお客様が使用する洗面台に正しい手洗いの方法を示した図を貼りましょう。
-
厚生労働省 手洗い方法PDF:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000593494.pdf
毎週行うこと。
- 爪を切り、サービスを行っている間には少なくとも10分から15分ごとに、可能な限り頻繁に最低20秒は手を洗うよう、全てのスタッフに注意喚起しましょう。
- デモンストレーションを行い、全てのスタッフが正しく手を洗うようにしましょう。
- 毎日、体温を測るよう全てのスタッフに注意喚起しましょう。熱がある場合には、病欠の連絡を入れましょう。
- 正常体温37C/98.6Fより0.数度高い程度であっても微熱があった場合や、その他の風邪やインフルエンザのような症状がある場合、また新型コロナウイルスの疑いがある方と接触を持った場合には、自宅待機し、電話で報告するようスタッフに徹底してください。
毎日行うこと。
- 毎日体温を測り、微熱を含む風邪やインフルエンザ症状が出た場合には、軽い症状であったとしても報告をし、自宅待機するように徹底してください。
- 食器洗いのシステムが正しく行われていることを確認しましょう。適切な温度で、十分な消毒薬が使用されていることを確認してください。
- スタッフに徹底してください:
• 顔を触らないようにする。
• ハグ、グータッチ、握手、ハイタッチをしないようにし、接触をせずに愛情を示す方法を探しましょう。
• 他の人に触れてしまった場合には手を洗うようにしましょう。
• サービスを行っている間は可能か限り頻繁に、少なくとも10分から15分おきに手を洗うようにしましょう。また、カトラリー、ガラス食器やテーブルリネンを扱う前に手を洗うようにしましょう。
サービスの前に毎回行うこと
- サービスの前には全てのスタッフに行ってもらうようにしましょう:
• 10分から15分おきに抗ウイルス消毒の布で携帯電話を拭きましょう。セキュリティボックスを配布し、勤務の前には携帯電話を入れてもらう(任意)ようにできると、なお良いでしょう。
• 頻繁に手を洗うようにしましょう。
• テーブルにカトラリーを並べる時には持ち手の部分だけに触れるようにしましょう。
• 顔を触るのを避けましょう。
• 同僚が顔を触っているのを見たら、控えめに指摘しましょう。
• タオルは通常よりも頻繁に交換し、可能であれば10分から15分ごとに変えましょう。
サービスの前後に毎回行うこと
- 蛇口、便座、ドアの取っ手、お手洗いのフラッシュハンドル、テーブルの表面、椅子の背もたれ、販売時点情報管理システム、キーボード、マウス、タブレット端末、カード端末、メニュー、テーブル備え付けの調味料ボトル、その他のサービスアイテム(砂糖、塩、胡椒など)、スタッフやお客様が頻繁に触る表面を抗ウイルス消毒液を使用して徹底的に消毒します。
サービス中に行うこと
- 抗ウイルス消毒液を使用して、ダイニングルーム、調理場、お手洗いなどの良く手に触れる表面、蛇口、便座、ドアの取っ手、お手洗いのフラッシュハンドル、販売情報管理システム、キーボード、マウス、タブレット端末、カード端末、テーブル備え付けの調味料ボトル、その他のサービスアイテム(砂糖、塩、胡椒など)を拭く。これらを、可能な限り頻繁に行い、最低でも1時間に1回は行うようにしましょう。
店舗入り口でのサービス方法を変える
- 可能な場合にはドアを開けておくようにし、入退店の際にスタッフやお客様がドアの取っ手に触らなくて良いようにしましょう。
- 特に個包装されていない商品や、加熱しない商品などについては、お客様が直接扱うことのないように調整しましょう。
- ペイストリーやお菓子、フルーツなど包み紙に包まれていない商品や、加熱しない商品などを扱う際には、トングを使用しましょう。
- 試食、サンプルやサンプルボトルなどは廃止しましょう。
- メニューの提示方法を変え、お客様がメニューに触れる回数を減らす、あるいはゼロにしましょう。例えば、メニューボードを見やすい場所に掲示したり、テーブルの上に立てたり、ウエイターがメニューボードを運ぶようにしましょう。
- もともと使用していたメニューが消毒しにくい素材でできているようでしたら、ラミネート加工したものと交換しましょう。
- 食事の前にお客様が手を洗える場所を積極的に掲載し、食器や調理器具を共有して良いかどうか確認しましょう。
- テーブルに手の消毒液を置きましょう。
- 同じ食器を使用する場合には、通常のスプーンと見分けがつくサーブ用のスプーンを使いましょう。お客様が、自分のスプーンと間違えて取り分け用のスプーンを使ってしまわないよう、見分けがつくようにします。
- 予約の電話を受けた際には、風邪やインフルエンザの症状が出た時には、予約当日であってもいつでもキャンセルができることをお客様に伝えるようにしましょう。専用の番号やメールアドレスを用意し、サービスを行っている間の予約対応の負担を減らしましょう。
- 混雑を避けるため、可能な限り予約の数を減らし、飛び込みのお客様の受け入れを制限しましょう。
- 座席を調整し、それぞれのテーブルの間隔を十分に空けるようにしましょう。
- コーヒーカップなど、お客様が自分の物を持ってきた場合には、消毒がされているか、使用する前に確認をするようにしましょう。
飲料の提供の方法を変える
- ジュースの販売業者やジュース用の冷圧業者を利用することを検討しましょう。カウンターで絞る作業をすることで、感染ポイントを余分に生み出してしまします。
- バーで使用する調味料ボトルなどは、もともとの容器から移し替えている場合には、全て消毒をします。シロップやジュースなど、アルコールが含まれていない液体を入れている場合には、消毒は特に重要になります。
- アイスティなど、大量の冷たい飲料には、消毒したピッチャーを使用し、準備の直前に手を洗うようにします。レモネードなども、1回分を作るよりも、まとめて作っておくと良いでしょう。
- 付け合わせには、専用のトングを用い、柑橘ピールを飾り付ける時にも専用のトングを使用します。これは、国際バーテンダー協会でも要件とされています。
- 柑橘ピールは事前に切っておくようにしましょう。
メニューや調理場の業務を変える
- 大きなブロック肉、尾頭付きの魚や鳥の丸焼き、大皿に入ったお米やパスタなどテーブルでシェアするサービススタイルを最小限、あるいは廃止、もしくは再考しましょう。
- パン、大皿のシェア、手羽先、ナゲットといったフィンガーフードなど、カトラリーを使用せず、手でつまんで食べるスタイルは最小限、あるいは廃止、もしくは再考しましょう。
- デリバリーやテイクアウトのサービスを行うことも検討し、お客様の数が常に最小限になるようにしましょう。
- 味見用のスプーンは一度のみの使用とし、使用後は毎回、流しに入れるようにしましょう。
休業の延長やイートインの制限に対応する
- 全て、あるいは大部分のメニューをテイクアウトやデリバリーに変えることを検討しましょう
• 何時間か経った後でも美味しく安全なテイクアウトに適した食材のためのメニューを再評価しましょう。
• テイクアウト用のパッケージ(使い捨てプラスチック以外)を生産する業者を探し確保しましょう。
• 店舗スタッフと話し、商品の配達ができるか、実施したいかどうかを確認しましょう。 - 新型コロナウイルスの影響を受けた企業に対する政府のサービスを知りましょう。
- スタッフを解雇することなく一時的に賃金コストを削減する計画を立てましょう。
• 時間給スタッフのそれぞれの勤務時間を減らす
• 開店時間を遅らせたり、閉店時間を早くする
• 一週間のうちお客様の少ない日は休業にする - 商品券を作成し販売し現金を作る。またクラウドファンディングを募る。
- 「必要とする人のために食べ物を提供する」プログラムを立ち上げることで、テイクアウトの食事を用意する費用をお客様が支払い、必要とする人々が無料で食事を受け取ることができます。
- フードバンク、協会、ホームレス緊急一時宿泊施設(シェルター)など必要な人々に食べ物を提供する地元の機関に連絡を取り、食べ物を供給できるかどうか確認しましょう。
Adapted from:https://foodmadegood.hk/covid-19/
注意事項
本記事は、飲食店・レストランが新型コロナウイルスへの対応の際に有益となる情報を提供することのみを目的としています。その正確性や完全性に関して、明瞭または間接的であるかに関わらずいかなる表明や保証をするものでもありません。また、本情報により発生したいかなる損失や損害について法的責任を一切負いかねます。