アフターコロナ、
営業を再開する時に役立つ
チェック項目

アフターコロナ、営業を再開する時に役立つ
チェック項目

飲食業界は新型コロナウイルスによる影響を甚大に受け、混沌のなかにあると思います。 新型コロナウイルスの感染拡大は、飲食業界が直面している非常に大きな困難であり、収益性と事業のレジリエンスについて、非常に難しい判断を迫られていることと思います。

これまでに掲げてきた理念、一緒に働いてくれている従業員/スタッフや、お客様との信頼関係や評判をここで途絶えさせてしまうのではなく、この状況下で、お客様、従業員/スタッフ、サプライヤー・取引先の方々とより連携を取って業務を行い、透明性を高めながら解決策を見つけていき、そのリスクを下げることを考えてみましょう。
Food Made Good Japan(サステイナブル・レストラン協会)では、新型コロナウィルスの状況下において、飲食業界に向けたアドバイスや最新情報を提供しています。
ここで発信をしている情報は、どのように飲食店・レストランの業務を適切に行っていくことができるかをお伝えしています。今回は、一旦営業を停止した飲食店・レストランの方々が、営業を再開するにあたっての準備についてお伝えいたします。
英国の調査では、消費者の半数以上が、ロックダウン以降、外食をためらうと回答しており、飲食店・レストランは、消費者の皆さんにお店に来ていただくための努力をしなくてはなりません。これらの努力は容易ではないかもしれませんが、新型コロナウイルス以降(アフターコロナ)の世界を生き抜くためにとても必要となります。この変化に対して、いち早くスタートを切り、そして対処することで、安全で持続可能な営業として再開することができると思います。

 

<ソーシャルディスタンス>
消費者の皆さんにお店に戻ってきてもらうためには、何よりも、その場所が安全だと感じてもらえるようにすることが必要です。飲食店・レストランを再開するための安全衛生に関する様々な要件が設定されています。ソーシャルディスタンスや衛生対策を適切に行うことで通常の業務の一部にすぐに組み込むことができます。


<予約>

□ これまで予約を受け付けていなかったレストランも、入店者数の管理や行列の回避のために予約システムの導入を検討する時が来ているかもしれません。
□ 予約と予約の間隔は十分に時間を空け、一組ごとにテーブルの消毒を徹底的に行うようにしましょう。

 

<ダイニング・エリア(食事の場所)>
□ 可能な限りドアを開けたままにし、人々の入店、退店の際にドアノブに触らなくて良いようにしましょう。
□ 間隔を空けるためにテーブルや椅子を取り除く、もしくは使わないテーブルや椅子は塞いでおきましょう。
□ 個室の有無をお客様に伝えるようにしましょう。
□ 屋外のスペースがあれば、この機会にぜひ綺麗にしてみましょう。天気が良い時には、屋外の方が良いというお客様もいらっしゃるかもしれません。
□ テーブルの上はは常に片付けを行い、清潔にしましょう。
□ テーブルに醤油などの調味料の設置を止め、要望があった時に適度な量を小皿で提供することを検討しましょう。
□ テーブルの上にカバーや蓋のされていない食べ物は置かないようにしましょう。
□ 店内のスペースについて考えてみましょう。どこか人が集まってしまうようなところはないか確認をして、スペースをアレンジしてみましょう。より人と人との距離をとるようにするとともに、極力席が真向いにならないようにしましょう。また会計の際に、レジカウンターの場所を検討して移動することで、座席の方まで列ができて人との距離が近くなることがないようにすることができます。

<メニューの開発>
□ いままで提供してきている料理のメニューを改めて見てみましょう。メニューは収益を生み出すツールです。
□ ソーシャルディスタンス、健康、衛生面、仕入れの面も考慮に入れ、現実的に何ができるかという視点で、メニューをもう一度考案してみましょう。現段階で自信を持って提供できるメニューに絞ることもあり得るでしょう。
□ 地元の食材や旬の食材を使用し、素材へのこだわりや思いを示しましょう。
□  一人前の量を見直し、想定される食品の廃棄量を最小限にしましょう。このことからコスト面でもメリットが出てきます。
□ 健康への配慮は、個人レベルでもこれまで以上に重要になってきていますので、健康の要素をメニューに取り入れましょう。一人前の量を少なくしたり、メニューにカロリー表示や栄養価を表示したり、お肉の量を減らしたりすることなどができるでしょう。
□ 店舗のキッチンが狭く、ソーシャルディスタンスを確保できない場合には、クラウドキッチンやシェアキッチンを検討してみましょう。もしくは、下ごしらえは一人のスタッフが一度に行い、他の作業と同時に行わないようにするなど、キッチンの使用時間を分けてみましょう。
  ※クラウドキッチン:デリバリーサービスに特化した新しい飲食店の業態
  ※シェアキッチン:飲食店や菓子店の厨房設備を共同で使う

<注文>
□ バーは廃止し、テーブルサービスやアプリから注文できるようなサービスに切り替えましょう。
□ 当面は、多くの人が触るメニュー表は使用しないようにしましょう。使い捨ての紙メニューや、カード形式のメニューが良いでしょう。これらのメニューの素材はサステナビリティに配慮されて調達されているもので、容易にリサイクルができるもので準備しましょう。


<料理の提供>

□ 接触をできる限り最小限にするために、同じスタッフが同じテーブルを給仕するようにしましょう。
□ ワインや水は、顧客が自分で注げるようにしましょう。
□ トレイ、カート、近くのテーブルの使用、また料理がテーブルに並べられるまで席を離れていることなどを顧客に確認することなどによって、顧客になるべく接近せずにサービスができる方法を検討してみましょう。


<支払い>

□ 接触することなく支払いができるよう、支払いアプリの導入を検討しましょう。
□ キャッシュレスにするために、クレジットカードの受け入れもできるようにすると良いでしょう。
□ キャッシュレス導入によりスタッフが慌てることのないように事前に研修を行うようにしましょう。
□ 必要に応じて、値上げが必要になるかもしれません。このような場合には、顧客にも価格改定に理解をしていただくことも必要になります。

 

<健康、安全&衛生>
□ 基本的なことですが、全てのものにシミや汚れが付いていないことを確認しましょう。
□ お手洗い、ドアの取っ手、カウンターなどを清掃する回数を増やし、清掃記録をつけるようにしましょう。
□ お手洗いやバックヤードの石鹸は切らさないように気をつけましょう。


<スタッフ>

□ 衛生面や清掃の決まりについて徹底できるように、スタッフに改めて研修を行いましょう。
□ 定期的に手を洗うようにスタッフに徹底しましょう。スタッフに徹底してもらうために、手洗いの張り紙やポスターをバックヤードに掲示すること検討しましょう。
□ スタッフが手袋やマスクを利用できるようにしましょう。
□ 業務に対するスタッフの配置を見直す必要があるかもしれません。例えば、バーやカウンター対応のスタッフは最小限にし、入店者数を管理するドアの対応を行うスタッフや、入店時の検温を行うスタッフが必要になるかもしれません。
□ スタッフが自分の役割や、新たな業務に満足しているか、自信を持てているか、定期的に確認しましょう。


<ビジネスモデルの適応>

□ 全てが「日常に戻る」まで、この危機をやり過ごそうという姿勢では、上手くいかないかもしれません。アフターコロナ禍におけるビジネスモデルを考え直すことが必要となります。

 

<代替の提供>
□  収入源として、様々な方法で生み出すことが最も必要となるでしょう。配達(デリバリー)やテイクアウトが行えるようにメニューを改訂し、今までのやり方を改善していきましょう。
□ 配達(デリバリー)に向いている料理はどのようなものが提供できるかを検討します。
□ これまでに一番人気のあった料理は何だったか、注文の多い料理は何か、それをどのようにアレンジできるかを検討することも必要です。
□ インスピレーションを得るため、他のお店で参考になる事例はないかなど情報を仕入れることも重要です。収入を増やすことができる情報を得て、あらたなビジネスモデルを創造してみましょう。

 

<サプライヤー&サプライチェーン>
□ 電気、水道、ガス、インターネットや通話料金の確認をしてみましょう。料金プランの見直しをする良いタイミングとなり、節約につながるかもしれません。
□ この機会にサプライチェーンについて改めて考え、交渉を進めてみましょう。サステイナビリティにより配慮したサプライヤーとの関係性を新たに築くことで、より付加価値を付けることにも繋がるでしょう。
□ 良いパートナーシップを築くことができそうな、サプライヤーがあるか調べてみましょう。


<集客し、お客様を繋ぎとめる>

□ 旅行や観光業は、回復に長期間かかると思われます。観光客だけでなく地元のコミュニティを対象としコミュニケーションやエンゲージメントを行っていくことが、これまで以上に重要となります。
常連の顧客に誠実であることが、前に進み続ける秘訣となります。


<前向きな情報開示>

□ この危機的な状況において、適切なマーケティングを行いましょう。
□ ウェブサイトの更新を続け、営業中であることを示しましょう。
□ ソーシャルメディアとメールを毎日確認するようにしましょう。漏れなく全ての問い合わせに目を通せるよう、利用するメディアは1つに絞ったほうが良いかもしれません。
□ 問い合わせが入ったら、お客様のニーズや質問に対して、誠意をもって回答をするようにしましょう。適切な対策が取られていると感じることで、顧客は安心してレストランを利用することができます。
□ 提供している料理、予約の手順、サービスなどの変更点に対して、スタッフが理解できるように研修を行うなど準備をして、スタッフ全員が対応できるようにしましょう。
□ お店で提示しているメニューやウェブサイトのメニューなど、改訂したメニューが全て更新されていることを確認しましょう。
□ オンラインの飲食店・レストランの情報サイトに掲載されている営業時間や電話番号、メールアドレスなどの情報が更新されているか確認しましょう。
□ 責任ある行動を心掛けるだけでなく、衛生面の配慮など企業努力を行っていることについても発信していきましょう。そうすることで、顧客は安心してレストランを利用することができます。


<コミュニティとの関わり>

□ 地元の企業や飲食・レストランとも協働し、お互いに情報交換しましょう。
□ 地域レベルで、コミュニティを巻き込んで取り組めることを探しましょう。
□ 地域コミュニティの関連のある勉強会や作業部会などに積極的に関わりましょう。
□ 地域イベントを開催して、地域でどのような動きがあるか顧客やコミュニティに発信しましょう。

 

<テクノロジー>
□ 接触をしないで支払ができる方法や、オンライン予約サービス、メールでのマーケティングなど、テクノロジーを活用できる部分を考えてみましょう。日々のサービスにとって最も有益なものは何かを考え、投資する価値があるかどうか検討しましょう。


<サステナビリティ>

□ これまでサステナビリティに配慮し一生懸命取り組んできたことを、断念してはいけません。この時間を使って、メニューの内容や、材料の調達先など、これまで、なかなか変えるのが難しかった部分について再度検討したり、強化したりしていきましょう。
□ 再利用ができないものについて、リサイクル資源から作られたものや、リサイクルできるものを探してみましょう。
□ ストローやマドラーなど、いつも無意識に調達している必ずしも必要ではないものを削減する良い機会になるかもしれません。
□ 再利用可能なカップなど安全性を十分に維持するようにしましょう。
□ 情報収集をして、最新のニュース、規制、変更を正確に把握するようにしましょう。
□ 営業再開には、財政面での店舗の存続だけでなく、公共の利益やサステナビリティについても考えるようにしましょう。
□ サステナビリティ取り組みを確認するツールとしては、無料ツールのFMG 50をお試しください。

 

<重要なことトップ3>
1. 新しい働き方を推進するための準備をし、計画を立てましょう。
2. 常に情報を受け取るようにし、入手できる情報を最大限利用しましょう
3. 事業主を対象にした政府のガイダンスを日々確認しましょう。

 

                                              以上