CREATIVE CHEFS BOX 2030 Vol.3「ファイナリストレシピ」

今年は、全国の若手シェフや調理師・製菓衛生師養成施設の学生から、
プラントベース/ベターミート」をテーマに未来のレシピをご応募いただき、
その中でも特に優れたファイナリストを10名選出させていただきました。

鴨田陵平さん(辻調理師専門学校)

マーボーどんぶり

今回私は、テーマを錯覚とし、現代社会の環境問題に対する意見を一皿にまとめました。私は本大会主催のプラントベース、ベターミート講座に参加し、一番印象に残っていることは、生江シェフが話されていた「毎日肉を食べている人が週5日に減らすことができたら環境にやさしい食事ができる」という一節でした。

そこで私は、毎日肉を食べている人でも食べたくなるようなパンチのあるプラントベースの一皿にしようと考えました。水なすは、大阪の泉州の特産品で、本来生でも食べれるほどあくが少なくみずみずしい野菜ですが、栽培効率の観点から生産量が低下しています。そんな水ナスの素晴らしさを伝えるべく、この食材を使用しました。

プラントベース/ベターミート食材

ぶなしめじ
・産地:福岡県産/いしずきを再利用する、循環型農業により生産されたぶなしめじ/いしづきの再利用

材料リスト

肉みそ作り
・サラダ油/5g(東京都産)*油脂(国内生造)乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)
・豆板醬/10g(中国産)*塩蔵唐辛子、中華大豆みそ、そら豆みそ、砂糖、唐辛子、にんにく、大豆油
・生姜/5g(高知県産)
・にんにく/5g(青森県産)
・高野豆腐/25g(長野県産) *国産大豆100% *大豆の栽培に使われるエネルギーは太陽光発電で作られたもの
・しめじ/25g(大阪府和泉市産) * 石附の再利用により作られたしめじ
・酒/5g(大阪府高槻市産) *国産米100% *大阪府の特産品國乃長、添加物不使用
・醬油/2g(大阪府堺市産) *食塩(国内製造)、小麦(国産)、脱脂加工大豆、大豆、ぶどう糖、小麦たんぱく、米
・大阪さくらみそ/4g(大阪府吹田市産) *米みそ(大豆、米、食塩)豆みそ(大豆、食塩)、水飴、カラメル色素、調味料(アミノ酸)、保存料 *本来甜麵醬を使用するところ、大阪の桜みそを使用して、輸送による環境負荷を抑えた
タレ作り
・酢/5g(大阪府堺市産) *醸造酢(国内製造)、果糖ブドウ糖液糖、蜂蜜、食塩 *大阪府堺市製造、地産地消により、輸送による環境負荷を軽減
・酒/5g(大阪府高槻市産) *国産米粉100% *大阪府の特産品國乃長、添加物不使用
・醬油/2g(大阪府堺市産) *食塩(国内製造)、小麦(国産)、脱脂加工大豆、大豆、ぶどう糖、小麦たんぱく、米 *大阪府で生産、地産地消のため輸送による環境負荷の軽減
・三温糖/12g(北海道産) *原料糖(国内製造)、カラメル色素
・水ナス/50g(大阪府泉州産) * *地産地消、近くの野菜直売所で購入
仕上げ
・ライスペーパー/4(広島県産) *国産米粉100% *輸送による環境負荷を軽減した
・マイクロチャービル/2(奈良県葛城市産) * 国産ハーブ

調理手順

下準備
・高野豆腐:25g/常温で一晩水につけて、戻しておく *エネルギーを使用しない
下準備
・水ナス:100g/ぬか床に24時間つける *エネルギーを使用しない
切り出し
・生姜:4g/みじん切り *よく洗浄し、皮ごと切る
・にんにく:4g/みじん切り
・高野豆腐:25g/水分をよくふき取り、5ミリ角に切る
・しめじ:25g/高野豆腐の半分の大きさに切る
・水ナス:100g/1センチ角に切りそろえる
肉みそ作り
・サラダ油、豆板醬:5g/弱火で豆板醬を炒め、発酵臭を飛ばすガスコンロ1分 *一枚のフライパン、一回の加熱で、完結するのでエネルギー消費や、洗い物で使用う洗剤の量を抑える
・生姜、にんにく:10g/弱火で加熱し、香りを出すガスコンロ30秒
・高野豆腐、しめじ:50g/火を中火にして、焼き目をつけるガスコンロ1分 *焼き目が付きやすいようにしめじと高野豆腐を動かさない
・酒、醬油:10g/高野豆腐、しめじに吸わせるようにして、下味をつけるガスコンロ30秒
タレ作り
・酢、酒、醬油、砂糖:22g/強火にし、混ぜながら加熱し、とろみがついたら火を消すガスコンロ30秒
・さくらみそ:5g/余熱で火を通して、和える *火を消し、余熱で加熱することで、桜みそ特有の風味を残しつつ、エネルギー消費を抑える
・水ナス:100g/肉みそ、たれと一緒に和える *和えるだけなので、過熱によるエネルギー消費を抑える
仕上げ
・ライスペーパー:4g/クレープ上に巻き上げる *フィンガーフードにすることで使用するプラ食器を出さない
・マイクロチャービル:2g/上部に飾る

三浦有生さん(フランス料理ビストロやま)

リコッタチーズとヨーグルトクリームのムラングシャンティー~甘酒のソースアーモンドミルクアイスを添えて~

 ・先端技術とレシピで温暖化対策ができることを伝える
カギケノリを使用したメタンガスの排出抑制はまだ投資・研究段階ですが、飼料に海藻由来の成分を混ぜるだけで(ローコスト、低負荷)具体的な効果が現れるため、酪農・牧畜業界ではゲームチェンジャーといわれるほど大きな可能性を秘めています。技術・研究者の力で世界が良くなること、生産者・消費者に向けた啓蒙活動で効果的な温暖化対策ができることを伝えていきたいと考えています。

・フードロスの削減
ただの牛乳:現在日本では需給のバランスによって牛乳が廃棄されています。
将来の食料保全を真剣に考えるために目の前の廃棄されがちな牛乳を大量に消費できるメニューを作る事も意義があると考えます。あえてですが、どこでも買える牛乳を使用し、牛乳を多く使うリコッタチーズを自分で作り使用しました。

・本テーマ プラントベースに対する思い
私自身が胃腸に持病を患っており、乳製品よりも植物性のものを摂取するように気を付けて生活をしています。そのため、乳製品の美味しさや植物性の食事の意義は人一倍感じています。

①プラントベースへの完全な代替を目指すのではなく、乳製品の課題を解決するアプローチをする事②地元埼玉の食材(甘酒、蜂蜜)を使用する事③いつかくる将来だけでなく目先の課題(牛乳の廃棄、米不足)も対策する事

この3点を重視して食材選びとレシピづくりを行いました。

・アシェットデセールとしての特徴・味わい
ベターミートによる温暖化対策がメインテーマですが、ひんやりとしたスイーツにしました。日陰を作る雲をモチーフに全体的に白く仕上げています。アーモンドミルクアイスの風味、ハチミツと甘酒由来のコク、リコッタチーズはムース上にしてふんわりと、雲をイメージした焼きメレンゲのドームで包んでサクサクとした食感も加えています。

プラントベース/ベターミート食材

富士の卵
・産地:静岡県の循環型の養鶏場を営む会社の卵/鶏糞を肥料化して栽培した飼料米で育てられた平飼いの鶏の有精卵。
廃棄牛乳・生クリーム
・産地:日本全国/牛乳の廃棄が多い時期などに多く購入し、リコッタチーズへ加工し、冷凍するなど保管をします。
BIOヨーグルト
・カギケノリ飼料化の投資や調達目標を掲げるダノン社のヨーグルト

材料リスト

ムラング
・卵白/100g(静岡県産) * 米を飼料にして平外で育てられた有精卵。卵黄は生地や調理場で使用。
・グラニュー糖/120g(沖縄県産)
・コーンスターチ/10g(北海道産)
クリーム
・リコッタ/150g(自家製産) * *自家製です。牛乳の廃棄が多い時期などに多く購入し、冷凍するなど保管をします。
・ダノン社ビオヨーグルト/75g(群馬県産) *BIOヨーグルト *カギケノリ飼料化の投資や調達目標を掲げるダノン社のヨーグルト
・生クリーム35%/50g(北海道産) * 牛乳の廃棄が多い時期などに多く購入し、リコッタチーズへ加工し、冷凍するなど保管をします。
・はちみつ/85g(埼玉県産) *さいたま市見沼 *地場の畑で作られるハチミツです
・レモン/40g(埼玉県産)
生地作り
・卵白/200g(静岡県産) * 米を飼料にして平外で育てられた有精卵。卵黄は生地や調理場で使用。
・卵黄/60g(静岡県産) * 米を飼料にして平外で育てられた有精卵。卵黄は生地や調理場で使用。
・全卵/180g(静岡県産) *米を飼料にして平外で育てられた有精卵。卵黄は生地や調理場で使用。
・グラニュー糖/240g(沖縄県産)
・アーモンドパウダー/150g(アメリカ産)
・薄力粉/80g(アメリカ産)
・ラム酒(一枚あたり)/5g(神奈川県産)
アイス作り
・アーモンドホール/500g(アメリカ産)
・アーモンドミルク/800g(茨城県産) *ダノン社のアーモンドミルク *カギケノリ飼料化の投資や調達目標を掲げるダノン社のヨーグルト
・アマレット/65g(イタリア産)
・はちみつ/100g(埼玉県産) *さいたま市見沼 *地場の畑で作られるハチミツです
・きび砂糖/208g(沖縄県産)
ソース作り
・甘酒/300g(埼玉県産) *熊谷産の甘酒 *日本一暑い街で知られる熊谷で作られる甘酒です
グラニテ作り
・甘酒/300g(埼玉県産) *熊谷産の甘酒 *日本一暑い街で知られる熊谷で作られる甘酒です
・きび砂糖/25g(沖縄県産)
・寒天/2g(長野県産) *海藻
チーズ作り
・牛乳/1000g(北海道産) * *牛乳の廃棄が多い時期などに多く購入し、リコッタチーズへ加工し、冷凍するなど保管をします。
・生クリーム35%/100g(北海道産) * *牛乳の廃棄が多い時期などに多く購入し、リコッタチーズへ加工し、冷凍するなど保管をします。
・塩/10g(愛知県産) 輸入天日海塩
・レモン汁/60g(スペイン産)
飾り作り
・パラチニット/100g(兵庫県産)
仕上げ
・生クリーム42%/100g(北海道産) * *牛乳の廃棄が多い時期などに多く購入し、リコッタチーズへ加工し、冷凍するなど保管をします。
・グラニュー糖/10g(沖縄県産)
・食用花/1g(埼玉県産)

調理手順

自家製リコッタチーズ
・牛乳:牛乳、生クリーム、塩を手鍋に入れ、75度まで加熱。レモン汁を入れ、混ぜる。沸騰直前まで温度を上げ、分離を促進させる。ざるにさらしを敷き、鍋の中身をあける。ある程度水気が切れたら重しをし、冷蔵庫で一晩寝かせる。
・生クリーム35%:IH中火15分 *ガスコンロではなくIHを使用していることで二酸化炭素およびベンゼン排出を避けている。

ムラング器作り
・卵白にグラニュー糖少量を入れ、ミキサーにかける。泡立ってきたら残りのグラニュー糖を3回に分け入れる。しっかりしたメレンゲが立ったらふるいにかけたコーンスターチを混ぜ入れる(ダマにならないように)。直径6mmの丸口金で半球型のシリコン型ドームに絞る(回転台があるとやりやすい)。80度のオーブンで3時間焼成(実際は営業後の捨て窯での焼成)。 *捨て窯を使用しているためオーブンの熱を余さず使用している。

ビスキュイ・ジョコンド作り
・①卵黄、全卵、グラニュー糖60g、アーモンドパウダーをミキサーボールに入れ泡立てる。
②もう一つのミキサーボールに卵白、グラニュー糖少量を入れ泡立てる。泡立ってきたら残りのグラニュー糖を3回に分けて入れる(メレンゲが立ちすぎないようにする)。
①と②をさっくり合わせ、振るっておいた薄力粉を混ぜ合わせる(潰し過ぎとダマにならないように注意する)。
鉄板にオーブンシートを敷き、生地を均一に広げる。上火190度/下火180度、火力上5/下3で9分30秒焼成(足りない場合は時間を追加)。
焼成後、余熱が取れたら直径3センチの丸抜き型で抜く。仕上げ時にラム酒につける。

飴飾り
・鉄板にシルパットを敷き、パラチニットを広げる。上にもう一枚シルパットを敷き、上から鉄板を乗せ上下200度のオーブンに10分間入れる。飴が溶けているのを確認したら取り出し、上から圧をかけてさらに薄くする。冷めて飴が固まったら適度な大きさに割り、乾燥剤の入った容器で保管する。オーブン200度10分

アーモンドアイス作り
・アーモンドホール:500g/アーモンドホール(皮がついていた場合は湯むきする)130度のオーブンで25分ロースト。手鍋にアーモンドミルク、はちみつ、きび砂糖、ローストしたアーモンドホールを入れ、沸騰してから10分煮る。
余熱が取れたらバイタミックスで回し、滑らかになったらキッチンポットに移し急速に冷やす。冷やし終えたらアイスクリームメーカで回し、出来上がったら冷凍庫で保存。

甘酒のグラニテ
・甘酒、きび砂糖、寒天を手鍋に入れ、沸騰3分加熱(寒天が溶けるまで)。液体を冷やし固まったら、ホイッパーなどで一度崩し、冷凍庫に入れる。10分〜15分のスパンでかき混ぜる(固まるまで)。 *ガスコンロではなくIHを使用していることで二酸化炭素およびベンゼン排出を避けている。

甘酒ソース作り
・甘酒を手鍋に入れ、ソース状になるまで加熱(焦がさないように)。できたら冷まし、ディスペンサーに詰めて保管。手鍋、IH中火〜弱火20分 *ガスコンロではなくIHを使用していることで二酸化炭素およびベンゼン排出を避けている。

ヨーグルトとリコッタチーズのクリーム
・リコッタチーズをヨーグルトで少しづつ伸ばし、はちみつ、レモン汁を加え混ぜ合わせ、七分立てした生クリームを混ぜ合わせる。

仕上げ作業
・生クリームにグラニュー糖を入れ八分立てにする。絞り袋に星口金10切10番をセットし、生クリームを入れる。

盛り付け
・皿に甘酒ソースを描き、メレンゲを固定するための生クリームを絞る。メレンゲにヨーグルトとリコッタチーズのクリームを入れ、その上にラム酒に漬けたビスキュイを乗せる。固定するための生クリームに乗せた後、ビスキュイの上に生クリームを絞る。皿に描いた甘酒ソースの上に三点生クリームを絞る。甘酒ソースの描き終わりに甘酒のグラニテを広げ、クネル上に抜いたアーモンドアイスを乗せる。最後に飴飾り、食用花を乗せたら完成。

宮川勇気さん(カフェモーツァルトテオ)

庄内鴨を使った2種の味わい
七つ森ふもと舞茸のXO醬を添えて

山形県の三井農場で育てられた庄内鴨は、雛の孵化から精肉に至るまでの一貫生産や、地域の農家との連携による地域内循環の取り組みを行っています。今回は庄内鴨のロースとササミの部位を中国四川料理の名菜の樟茶鴨(スモークダック)と灯影牛肉(麻辣ビーフジャーキー)から発想を経て、一皿に表現しました。

また、持続可能な農業(SDGs)を推進する地元の宮城県の七つ森ふもと舞茸を使い、付け合わせのキノコXO醤を作りました。庄内鴨で食感の違いや味の変化を楽しんでほしいと思います。

山形・宮城の食材や環境に対する取り組みを、伝統的な中国料理で昇華させ、東北から日本全体に活動を伝えていく一皿にしたいです。

プラントベース/ベターミート食材

山形県三井農場産ブランド鴨 庄内鴨
・産地:庄内鴨のフンを堆肥として、育った小麦やとうもろこしをエサにしている(地域内循環)/薬剤を使用しないオリジナルレシピのエサ 雛の孵化から精肉に至るまでの一貫生産 広大な飼育スペースによるストレス軽減、抗生物質の不必要

材料リスト

スモークダック
・庄内鴨ロース/250g(山形県鶴岡市産)
調味液a
・キーマン紅茶/20g(中国産)
・お湯/400g(宮城県産)
調味液b
・スターアニス/2g(中国産)
・クローブ/1.5g(中国産)
・シナモンスティック/2g(中国産)
・花椒/2g(中国産)
・陳皮/10g(京都府産)
・ネギの青い部分/30g(宮城県産)
・生姜スライス/8g(宮城県産)
・塩/100g(岡山県産)
・水/1000g(宮城県産)
燻製用
・米/15g(宮城県産)
・砂糖/15g(栃木県産)
・キーマン紅茶/10g(中国産)
仕上げ
・陳皮パウダー/2g(京都府産)
・/(産) * *
麻辣ダックジャーキー
・庄内鴨ササミ/100g(山形県鶴岡市産)
調味料c
・塩/2g(岡山県産)
・昆布だし(粉末)/7g(北海道産)
・砂糖/15g(栃木県産)
・日本酒/10g(宮城県産)
・辣油/10g(香川県産)
・花椒油/10g(中国産)
・ごま油/10g(香川県産)
仕上げ
・炒りごま/15g(大阪府産)
仕上げ
・香菜/1g(宮城県産)
キノコXO醬
・七つ森ふもと舞茸/200g(宮城県黒川郡大和町産)
材料
・庄内鴨ササミ/50g(山形県鶴岡市産)
材料
・生姜/15g(宮城県産)
調味料d
・塩/3g(岡山県産)
・砂糖/3g(栃木県産)
・ごま油/30g(神奈川県産)
仕上げ
・ディル/2g(宮城県産)

調理手順

スモークダックの調味液を作る
・調味液aを5分煮立て紅茶を作る。別の鍋に調味液bを合わせて沸かし、冷ます。冷めたら調味液aの紅茶と合わせる。ガスコンロ強火5分 
スモークダックを作る
・庄内鴨ロースを手順1の調味液に6時間浸ける。引き上げてお湯をかけて皮を張らせる。フライパンに燻製用の材料を合わせて10分燻す。ガスコンロ中火10分 
スモークダックを仕上げる
・手順2の庄内鴨ロースを真空し、68℃40分で低温調理する。仕上げに200℃程の油を皮目に掛け、パリッとさせる。ガスコンロと低温調理器具ガス強火、低音調理68℃5分と40分

麻辣ダックジャーキーを作る
・庄内鴨ササミを冷凍の状態で極薄に切り、クッキングシートに並べ、一晩乾燥させる。 
麻辣ダックジャーキーを仕上げる
・手順4の庄内鴨ササミを弱火で水分を抜くように揚げる。調味料cをフライパンに全て入れて、泡が立つまで加熱する。そこに揚げた庄内鴨ササミを入れて絡め、仕上げに炒りごまを入れる。ガスコンロ弱火15分

キノコXO醬を作る
・キノコXO醬の材料を全て細かく切る。 
キノコXO醬を仕上げる
・フライパンにごま油と手順6の材料を入れて、弱火でじっくり炒める。途中で塩、砂糖を入れ、さらに炒める。キノコ全体に油が染み込んだら完成。ガスコンロ弱火20分

器に盛り付ける
・セルクルにキノコXO醬を敷いて、ディルを飾る。その上にカットしたスモールダックを盛る。隣に麻辣ダックジャーキーを盛り、香菜を飾る。仕上げに陳皮パウダーを上から散らす。 

横井瑚子さん(学校法人糸菊学園 名古屋調理師専門学校)

鹿ロース肉の炭火焼き
-岐阜の恵みと玉味噌チミチュリソース添え-

大学時代に岐阜県で一次産業やまちづくりを学び、有機農家や獣害で駆除された鹿を廃棄せず食肉として活かす人々に出会った。

そこで「食」は自然の循環と生態系の調和の上に成り立つと実感した。しかし鹿肉は日本ではまだ受け入れられにくい。

今回は県内産の炭で焼いた鹿肉に伝統的製法で作られた玉味噌をベースとしたフレッシュソースを合わせ、岐阜県産の有機野菜を用い、環境と衛生に配慮した循環の一皿を探った。

プラントベース/ベターミート食材

鹿肉
・産地:岐阜県恵那市の里山/鳥獣害対策として捕獲された鹿。

材料リスト

鹿ハンバーグ
・鹿ロース肉/60g(岐阜県産) * 鳥獣被害防止のために捕獲された鹿。仕入先:株式会社恵那ジビエ。
・玉ねぎ/10g(岐阜県産) * 遊休農地を活用した有機無農薬栽培。仕入先:そばのカフェおくど。
・塩漬けタケノコ/10g(岐阜県産) *岐阜県産竹の子100% *山で収穫後、薪で火を焚き土鍋で米ぬかを入れてあく抜きし、乾燥させ、塩蔵した保存食。仕入先:そばのカフェおくど。
・塩/0.4g(三重県産) *伊勢湾海水100% *にがり、固結防止の添加物不使用。岐阜県は江戸時代には伊勢の塩商人によって塩が運ばれてきたため、伊勢の塩を使用。仕入先:株式会社岩戸の塩工房。
・酒/4ml(岐阜県産) *兵庫県産有機米100% *有機純米酒。仕入先:千代菊酒造。
・こめ油/10ml(愛知県(元岐阜県企業)産) *国産食用こめ油(米ぬか) *低温抽出法で抽出(1982年に世界特許取得)。仕入先:オリザ油化株式会社。
鹿ロースト
・鹿ロース肉/200g(岐阜県産) * 鳥獣被害防止のために捕獲された鹿。仕入先:株式会社恵那ジビエ。
・塩/1.6g(三重県産) *伊勢湾海水100% *にがり、固結防止の添加物不使用。岐阜県は江戸時代には伊勢の塩商人によって塩が運ばれてきたため、伊勢の塩を使用。仕入先:株式会社岩戸の塩工房。
・こめ油/30ml(愛知県(元岐阜県企業)産) *国産食用こめ油(米ぬか) *低温抽出法で抽出(1982年に世界特許取得)。仕入先:オリザ油化株式会社。
ソース
・赤玉ねぎ/30g(岐阜県産) * 遊休農地を活用した有機無農薬栽培。仕入先:そばのカフェおくど。
・ニンニク/0.5g(岐阜県産) * 遊休農地を活用した有機無農薬栽培。仕入先:そばのカフェおくど。
・クレソン/10g(岐阜県産) * 路地水流栽培。仕入先:さすてなファーム。
・玉味噌/6g(岐阜県産) *岐阜県産大豆100%、愛知県産本だまり醤油100% *遊休農地を活用した有機無農薬栽培大豆を、3年間発酵熟成した小麦不使用のグルテンフリー本だまり醤油に漬け込み1年半発酵させる伝統的製法で製造。仕入先:そばのカフェおくど。
・酢/12ml(岐阜県産) *有機米(アメリカ産、国産) *有機JAS認証商品。有機米を用い、伝統的技法(多段仕込み)をもちいた酒造りの工程を経て酢に醸造。仕入先:内堀醸造株式会社。
・こめ油/12ml(愛知県(元岐阜県企業)産) *国産食用こめ油(米ぬか) *低温抽出法で抽出(1982年に世界特許取得)。仕入先:オリザ油化株式会社。
・塩/0.5(三重県産) *伊勢湾海水100% *にがり、固結防止の添加物不使用。岐阜県は江戸時代には伊勢の塩商人によって塩が運ばれてきたため、伊勢の塩を使用。仕入先:株式会社岩戸の塩工房。
もち麦ピラフ
・もち麦/65g(岐阜県産) * 遊休農地を活用した有機無農薬栽培仕入先:そばのカフェおくど。
・ニンニク/1g(岐阜県産) * 遊休農地を活用した有機無農薬栽培。仕入先:そばのカフェおくど。
・しいたけ/10g(岐阜県産) * 原木しいたけ。仕入先:道の駅平成。
・空心菜/4g(岐阜県産) * 有機栽培。仕入先:和ごころ農園。
・こめ油/15ml(愛知県(元岐阜県企業)産) *国産食用こめ油(米ぬか) *低温抽出法で抽出(1982年に世界特許取得)。仕入先:オリザ油化株式会社。
・塩/2g(三重県産) *伊勢湾海水100% *にがり、固結防止の添加物不使用。岐阜県は江戸時代には伊勢の塩商人によって塩が運ばれてきたため、伊勢の塩を使用。仕入先:株式会社岩戸の塩工房。
栗ペースト
・栗/50g(岐阜県産) *農薬化学肥料不使用。仕入先:恵那はやし農園。
・塩/1g(三重県産) *伊勢湾海水100% *にがり、固結防止の添加物不使用。岐阜県は江戸時代には伊勢の塩商人によって塩が運ばれてきたため、伊勢の塩を使用。仕入先:株式会社岩戸の塩工房。
付け合わせ
(季節野菜)
・栗/40g(岐阜県産) * 農薬化学肥料不使用。仕入先:恵那はやし農園。
・クレソン/6g(岐阜県産) * 路地水流栽培。仕入先:さすてなファーム。
・空心菜/20g(岐阜県産) * 有機栽培。仕入先:和ごころ農園。
・しいたけ/15g(岐阜県産) * 原木しいたけ。仕入先:道の駅平成。
・塩/2.5g(三重県産) *伊勢湾海水100% *にがり、固結防止の添加物不使用。岐阜県は江戸時代には伊勢の塩商人によって塩が運ばれてきたため、伊勢の塩を使用。仕入先:株式会社岩戸の塩工房。
・こめ油/15ml(愛知県(元岐阜県企業)産) *国産食用こめ油(米ぬか) *低温抽出法で抽出(1982年に世界特許取得)。仕入先:オリザ油化株式会社。
・クレソンパウダー/3g(岐阜県産) *岐阜県産クレソン100% *天然クレソンを天日干しして粉末化。仕入先:さすてなファーム。

調理手順

下準備
・タケノコを水につけ、塩抜きをする。 *タケノコを春のうちに下処理し、常温で保存できるように塩漬けされた素材を、必要分だけ塩抜きし、使用。
・炭をおこす。炭おこし中の 熱を利用して加熱20分 *岐阜県産の炭を使うことで調理工程をきっかけとした二酸化炭素排出を増加させない。
・朴葉を水につけておく。

栗のペースト
・栗の皮を剥き、水から炭火でゆでる。炭おこし中の 熱を利用して加熱30分

もち麦ピラフ
・炭火で沸かしたお湯でもち麦をゆでる。炭おこし中の 熱を利用して加熱20分

鹿のハンバーグ
・タケノコを炭火で炙り香ばしさを出す。炭おこし中の 熱を利用して加熱5分

下準備
・鹿肉の筋を取る。
ソース
・赤玉ねぎ、ニンニク、クレソンをできるだけ細かくみじん切りする。

鹿のハンバーグ
・玉ねぎ、タケノコをみじん切りにする。

ソース
・玉味噌を溶かしながら混ぜ合わせる。

もち麦ピラフ
・空心菜の茎、シイタケの軸、ニンニクをみじん切りにする。

栗のペースト
・栗がゆであがったら栗の実を取り出し、漉す。
・漉した栗に栗のゆで汁を加え、ペーストにする。

鹿ロースト
・鹿肉にこめ油を塗り、網の上で転がしながら炭火で表面を焼く。炭強火5分

・炭火の火力が弱いところに移動させ朴葉で包み保温保湿し中心温度が約30度になるまで休ませる。炭横火5分 *アルミホイル等は使用せず、朴葉(自然)の力で保温、殺菌を行う。
・中心温度が約30度を超えたら、再度炭火の火力の強い部分に移動させ、表面を焼き、火力が弱い位置に移動させる。お酒をスプレーでかけて湿らせた朴葉で包み保温保湿しながら、中心温度が45度を超えるまで休ませる。炭強火、炭横火10分
・中心温度が約45度を超えたら、再度火力の強い部分に移動させ表面を焼き、炭横火に移動させる。朴葉に包み保温保湿しながら中心温度63度になるまで休ませる。2枚のバットで箱を作り、朴葉に包んだ鹿肉を入れる。中に温度計を置いて、庫内温度63‐65度を維持した環境で30分間休ませる。炭強火、
炭横火35分 *バッドは63‐65度を維持し、温度上昇を防止するために使用する。

鹿のハンバーグ
・鹿肉のうち、端の部分をミンチにする。 (A)
・鹿ロース肉、玉ねぎ、タケノコ、ニンニク、塩を合わせ、こねる。15gずつに丸める。
・(A)にこめ油を塗る。
・(A)を網に転がしながら炭火で焼く。表面が焼けたら炭火の火力が弱い位置でじっくり焼く。炭強火、炭横火15分

もち麦ピラフ
・鉄鍋にこめ油をひき、炭火で加熱する。温まったらニンニク、シイタケを炒める。空心菜の茎も加え炒めたら、もち麦を加えさらに炒め、塩で味付けをする。炭強火10分

付け合わせ
・栗の皮を剥き、炭火でじっくり焼き色を付けるように香ばしく焼く。炭強火、炭横火20分
・しいたけに油を塗り、塩を振り、炭火で焼き目が付くように丁寧に焼く。炭強火5分
・炭火で沸かせたお湯でさっとゆで、冷水にとる。炭強火2分
・塩を振り、炭火でかりっとなるまで焼く。炭強火10分

鹿ロースト
・63度30分維持したら、塩を振り、カットする。 *本来、加熱前に塩を振ることで味が決まると考えられるが、加熱時の水分蒸発を防止するため、盛り付け直前に塩を振る。

盛り付け
・自然の循環やつながりが伝わるように、それぞれの食材に動きが出るように盛り付ける。山に暮らす鹿を意識して、ピラフを小さな山にし、その上に鹿肉を配置する。そして、その周りに栗やシイタケなど、山にで育つ食材を並べ、食の循環をイメージさせる。クレソンパウダーをハンバーグにかけ、岩苔を表現する。鹿肉に合わせて食べてほしい岐阜県の伝統的製法で作られた玉味噌をベースにしたソースは鹿肉の近くに添える。色合いは、茶色の食材が多い中で、鹿肉の断面を見せの赤色をポイントにし、野菜の緑、栗の黄色で彩ることで華やかな1皿にする。最後に、お皿にもクレソンパウダーを振りかけることで、盛り付けのデザインパランスを取り、山のイメージを強める。

片桐理乃さん(学校法人糸菊学園 名古屋調理師専門学校)

鹿肉のハンバーグ 〜神山の恵みと未来への循環〜

旬の食材を育て、自然とともに暮らす営みが根付いている神山町で私は高校3年間を過ごしました。


そこで学んだことは「食べることは共に生きること」。

しかし、残念ながら多くの生産現場では旬を外れた食材、規格野菜を育てるために余計なエネルギーや農薬が使われているのが現状です。

私は環境保全のため狩猟された鹿肉、神山の豊かな自然で育まれた有機野菜を一皿に仕上げ、負荷をかけずに育った自然の恵みがこんなにも美味しいのだということを、生産者と消費者の架け橋となり多くの人に伝えていきたいです。

プラントベース/ベターミート食材

鹿背ロース肉
・産地:徳島県神山町産(狩猟なので農場はないので特定の飼料は与えていない)
・駆除方法の例は、罠にかかった鹿を棍棒などで気絶させてからナイフで心臓をつくプロセスをとり、安全にかつ最低限の攻撃で終わらせる。
・鹿が増加すると、彼らの餌が山から消え、人里に降りて農作物を食べるようになる。また畑だけでなく山の木の幹を食べ、枯れ葉が増え土砂災害に発展するリスクを防ぐ効果がある。駆除を通して畑や山の草木を守ることに繋げるために駆除。
・切り落としの部分はペットの餌として活用。
・皮の部分は羊皮紙などに、骨や角、牙はアクセサリーや犬のおもちゃとして加工している。

→今回のレシピには鹿肉をメインに、神山町の旬野菜を添えることで山と里の恵みを食材から彷彿させる。ジビエ肉として鹿から命をいただくことで、私たちの暮らしを守るための選択をより身近に感じてもらう。

材料リスト

ハンバーグ作り
・そば米/10g(徳島県神山町産) *水に20分浸す。 *耕作放棄地を開墾した土地で栽培したもの。
・すだち(皮)/5g(徳島県神山町産) *果汁搾る。(ビーツピュレに使う)皮はみじん切りにする。 *「kinosu fruit farm」有機JAS取得の有機すだち。収穫時期により味が変化するので、今回は皮の爽やかさを残すために初期のすだちを使用。
・たまねぎ/10g(徳島県神山町産) *みじん切りにする。 *「oronono」無農薬野菜。露地栽培。有機 JAS 取得。
(基本的に有機JAS の適合している農薬等使わずに完全無農薬野)太陽熱養生処理の除草対策を行い栽培。
・鹿ロース肉/150g(徳島県神山町産) *手切りで粗みじん切りにする。 *農場ではなく環境保全のため駆除・狩猟された鹿肉。
・しいたけの軸/5g(徳島県神山町産) *石づきを取り、みじん切りにする。 *四国産椎の木100%菌床も徳島県の原料で同施設内で培養。収穫から消費者の手に入るまでの運送コストを削減。
・セージ/1g(自家栽培) *みじん切りにする。(葉のみ) *ハーブを自家栽培をすることにより使いたい時にすぐ手に入る輸送の必要がなく環境負荷がかからない。
・タイム/0.5g(自家栽培)
・ローズマリー/1g(自家栽培) *
・塩(鳴門のうずしお)/1.5g(徳島県鳴門産) * 徳島県鳴門市の海水100%を使用し、イオン交換膜法(化学変化を伴わない電気透析という技術で環境汚染物質を使用せず省エネルギーで環境負荷が低い。
・米油(まいにちの米油)/50ml(山形県産または日本各地) * 山形県で70年以上米油を製造する「三和油脂株式会社」。

グリル野菜
・かぼちゃ/30g(徳島県神山町産) *1cmにスライスする。 *「つなぐ農園」無農薬野菜。社会的農業というコンセプトをもとに地域と自立し、地方の抱える課題を受け、野菜を栽培している。かぼちゃの種やわたは廃棄せず、スープやチップスにすることでホールフード(食べ物の廃棄を減らすために、最大限に活用する)を広める。
・おくら/10g(徳島県神山町産) *縦半分のカットする。 *「つなぐ農園」無農薬野菜。
・赤ピーマン/10g(徳島県神山町産) *「つなぐ農園」無農薬野菜。
・ズッキーニ/70g(徳島県神山町産) *真ん中の部分を縦半分の7mmスライスする。 *「つなぐ農園」無農薬野菜。
・白なす/30g(徳島県神山町産) *1.5cm幅の輪切り。切り込み入れる。 *「つなぐ農園」無農薬野菜。
・しいたけ/20g(徳島県神山町産) *石づきを取る。(ハンバーグの肉だねのかさ部分を使用) *四国産椎の木100%、菌床も徳島県の原料で同施設内で培養。
・塩(鳴門のうずしお)/3g(徳島県鳴門産) *食材の産地と同じ徳島県で生産されるものを使用することで地産地食率を下げず、輸送による環境負荷を抑える。( 町内産>県内産>国産有機栽培の優先順位で食材を選ぶことが地産地食を実現すると考える。)
・米油(まいにちの米油)/20ml(山形県産または日本各地) * *国産の米ぬかにこだわった高品質な米油の製造に取り組んでいる。輸送にコストはかかるが国産の米を使用することで国内の米糠の廃棄の削減につながることを期待する。

ビーツピュレ
・ビーツ/50g(徳島県神山町産) *皮のまま1cmスライスにする。 *「oronono」無農薬野菜。露地栽培。有機 JAS 取得。(基本的に有機JAS の適合している農薬等使わずに完全無農薬野菜)
・梅干し/5g(徳島県神山町産) *種を除いて計量する。 *自家製(梅の収穫から)
・すだち果汁/15ml(徳島県神山町産) *果汁を搾る。(ハンバーグの肉だねのすだちの果汁を使用) *「kinosu fruit farm」正しい食材の価値を伝えるための手段の一つとして、有機JASを取得した。食材の背景や生産者の想いに感銘を受け使用。
・水/15ml(徳島県神山町産) *神山町の湧水
・塩(鳴門のうずしお)/2ml(徳島県鳴門産) *
・米油(まいにちの米油)/5g(山形県産または日本各地) * 生食でも使用可能な特徴を生かし、使用する。

チップス
・さつまいも(パープルスイートロード)/10g(徳島県神山町産) *1.5mm幅スライス。 *「里山の会」有機野菜。干し草・米糠などを有機肥料と耕した土で栽培。

煮込み野菜
・なす/30g(徳島県神山町産) *1.5cm幅角切り。 *「oronono」無農薬野菜。露地栽培。有機 JAS 取得。(基本的に有機JAS の適合している農薬等使わずに完全無農薬野菜)
・ズッキーニ/30g(徳島県神山町産) *「oronono」無農薬野菜。
・玉ねぎ(ミニ)/30g(徳島県神山町産) * 「oronono」無農薬野菜。
・赤ピーマン/10g(徳島県神山町産) * 「つなぐ農園」無農薬野菜。有機JAS取得。
・パセリ/2g(自家栽培) *ブーケガルニをつくる。 *調味料を使用して味付けすることで感じる味のおいしさだけでなく、香りからおいしさを感じる料理を広めていきたい。必要な時に使えるようにハーブを自家栽培し、作物が育つ土の恩恵を感じながら料理と向き合いたい。
・タイム/1g(自家栽培)
・エストラゴン/2g(自家栽培)
・レモングラス/2g(自家栽培)
・水/3g(徳島県神山町産) * *神山町の湧水
・塩(鳴門のうずしお)/50ml(徳島県鳴門産)

蒸し野菜
・つるむらさき/15g(徳島県神山町産) * 「つなぐ農園」無農薬野菜。有機JAS取得。

調理手順

チップス
・テフロンパンに米油を入れ揚げる。鮮やかな紫色のチップになったら取り出す。ガスコンロ弱火1分 *加熱時間を短縮するため、薄くスライスする。油を廃棄せずに利用するため、米油の酸化しにくいという特徴を生かし、ハンバーグの前に揚げる。

ハンバーグ作り
・ボウルに全ての材料を入れ、混ぜる。 *下茹でに使う電力を抑えるため、水に浸けて水分を含ませる。玉ねぎは熱源を使わずにしんなりさせるため、塩でもみ洗いする。鹿ロース肉はミンチにする電力を抑えるため、包丁で叩いてミンチにする。
・揚げ焼きする。
(焼き色がついたら火を消し蓋をして余熱で火を通す)ガスコンロ(テフロンパン)中火5分(焼き時間)10分(予熱時間) *油の廃棄を減らすため、チップスで使用した油を利用する。

グリル野菜
・切った野菜の断面にハケで油をそれぞれ塗り、グリルパンに材料を全て並べ、フライパンで抑えながら焼く。ガスコンロ(グリルパン)中火2分(両面) *焼目がつくのに時間がかかるので加熱時間短縮のため、野菜に油を塗ってからグリルする。一度の発火で焼き切れるように全ての野菜を並べ、焼き色を見ながら加熱時間を調整する。時間差でグリルし、焼き時間各1分〜3分。(詳細略)
・焼目がついたら新聞紙を敷いたバット、網の上に取り出し、塩を振りかける。 *限りある資源を大切にするため、油を切るときはキッチンペーパーを新聞紙に代用することでエコ。

ビーツピュレ
・ミキサーに材料を全て入れて攪拌し、なめらかになったらシノワでパッセする。ミキサー低速5分 *ビーツは茹でる加熱時間を短縮するため、生のままミキサーにかける。

煮込み野菜
・ソースパンに野菜を入れて塩を加えてしんなりするまで炒める。(シュエ)ガスコンロ中火3分 *鍋は加熱時間を短縮するため、野菜で鍋の底が隠れるサイズを選ぶ。

煮込み野菜
・しんなりしたらブーケガルニを加えて落とし蓋をして煮込む。ガスコンロ弱火5分 *煮汁を効率よく対流させながらより短時間で加熱に抑えるため、落とし蓋をする。

蒸し野菜
・余熱で火を通す。(落とし蓋と蓋をする)ガスコンロ *ハーブの香りを野菜に残すため盛り付けまでは、蓋を開けない。

一瀬颯真さん(ザ・キャピトルホテル東急 中国料理 星ヶ岡)

雪花秋鶏~比内老鶏の雪花仕立て~

比内地鶏は放し飼いによるストレスフリーな飼育法や専用の飼料を使用する事で食肉も鶏卵も美味として知られている。しかし産卵を終えた老鶏は食用には固くスープ用のがらとなるか廃棄となってしまう。

生育期間の長さにより味、脂がのった老鶏を、余すことなく味わえる一皿を作ることが出来るのではと思い、卵はこれから冬になる秋田の情景に見立て雪花仕立てと鹹蛋(塩漬け卵)に、内臓は凍鶏(鶏肉の煮凝り)端材の筋や骨は清湯スープと伝統的な中国料理の技法を用いて一羽余すことなく一皿の料理へと仕立てた。

老鶏と中国料理の文化の二つの視点からベターミート及びサステナブルへの理解を深め伝統品種の生産持続とアニマルウェルフェアの発展に願いを込めてレシピを考案した。

プラントベース/ベターミート食材

比内地鶏
・産地:秋田県産米ぬか及び牧草等/放し飼い/GMO及びポストハーベストフリーの飼料による育成/認定証による伝統品種の管理

材料リスト

全品
・比内地鶏/150g(秋田県産) *放し飼い、認定証による伝統品種の管理。GMO及びポストハーベストフリー飼料により生育
雪花粒、鹹蛋
・比内地鶏の鶏卵/60g(秋田県産)
あしらい
・渭東ねぎ/5g(徳島県産) *有機農法、生産者同士の取り組みにより一年中栽培及び安定供給可能
あしらい
・赤ピーマン/2g(長野県産) * 有機農法
鹹蛋、ソース
・とっぺん塩/2g(長崎県産) * 天日干し塩、ミネラル分が豊富で自然な旨味を持つ。
ソース作り
・片栗粉/5g(北海道産) *北海道産馬鈴薯澱粉100% *国産馬鈴薯100%使用

調理手順

下準備①
・鶏卵、とっぺん塩:60g/卵白と卵黄を分けて、卵白は漉しておく。卵黄は塩で漬け、2日置いておく。

下準備②
・比内地鶏:2000g/内臓を抜き、鶏油、血や毛を掃除しておく。沸かしたお湯4ℓに入れぽこぽこ沸く温度で45分茹でる。一度冷やして締めてから捌き骨と筋を取っておく。IH中45分 *常温に戻した鶏肉をつかうことにより加熱時間削減

スープ作り
・ボイルしたお湯に先程の骨と筋を入れ、湯が半分になるまで煮詰めスープ(清湯)を作る。IH中30分 *フードロス削減のため、端材の筋や骨もスープに使用

下準備
・比内地鶏の内臓:200g/比内地鶏の八ツ、レバー、砂肝を良く洗い、鶏油(先に加熱し溶かしておく)、とっぺん塩3gとともに80℃で20分加熱する。そのまま鶏油が固まるまで冷やす。IH弱20分

凍鶏(煮凝り)造り
・冷した内臓と鶏油をフードプロセッサーで攪拌し、スープ30gを加え、流し缶に厚さ3㎜程度になるように流し入れ冷やし固める。フードプロセッサー *フードロス削減のため内蔵系と塊となってついている鶏油も使用

下準備
・渭東ねぎ、赤ピーマン:20g/渭東ねぎは青、白の両方の部分を極細に切る。赤ピーマンも極細に切る。併せて水に漬けておく

雪花作り
・比内地鶏卵白:40g/60℃に温めた油の中に卵白を流し入れヘラ等でゆっくりと混ぜる。卵白が粒状に凝固したらザルに上げ、水で流し油を落とす。IH弱5分 *
鹹蛋(塩漬け卵)処理
・比内地鶏卵黄:20g/塩から取り出し、塩をよく払落し、目の細かい漉し網等で裏漉す。

ソース作り
・比内地鶏卵白、片栗粉、とっぺん塩:/清湯スープ100gを沸かし、とっぺん塩で調味し、水溶き片栗粉でとろみをつけ雪花粒を加えよく混ぜる。最後に少量鶏油を加える。IH中5分

盛り付け
・比内地鶏の肉をせいろで蒸かし温める。5cmのセルクルで凍鶏を型ぬきし皿の中央に乗せその上に蒸かした鶏肉を盛る。肉の真上から雪花のソースをかけて、まわりに粒上にした鹹蛋を振り掛ける。渭東ねぎと赤ピーマンの細切りをよく水を切り丸く形を整えて盛り付ける。IH、蒸籠中5分 

上田愛奈さん(ザ・キャピトルホテル東急

深煎りの森 – 鹿の食卓と 人が醸す恵み

私は幼い頃から鹿をよく見かけて育ちました。かわいい存在でもありましたが、大人になって知ったのは田畑を荒らし農家の方々を困らせているという事。その鹿の多くが駆除され、食べられることなく捨てられてしまう現実です。

命を無駄にせず循環を大切にする食の在り方を提案し、地域問題と地球環境の両面に考慮した持続可能な社会の実現へ繋げたいと考えます。

鹿以外の食材は植物性の物や有機野菜を使用し、ベターミートプラントベースに仕上げ小さな一口に詰め込みました。

プラントベース/ベターミート食材

遠野鹿
・産地:/遠野ジビエ/飼料栽培、飼育・輸送などのエネルギーを使わない。駆除せざるを得ない命を捨てずに活かす。

材料リスト

鹿肉ロースト
・鹿肉シンタマ/150g(岩手県遠野市産産) * 遠野ジビエの里
・塩/1.2g(静岡県伊豆産産) * 海の精あらしお
・オリーブオイル/3g(静岡県伊豆産産) *伊豆オリーブ100%
・ニンニク/3g(千葉県旭市産) * よしの農園 無農薬
・ローズマリー/2g(千葉県八街市産) * 田澤のハーブ 無農薬 有機栽培 第20回日本農業賞大賞受賞
・炭/1000g(和歌山県みなべ町産産) * 紀州産備長炭(紀州の森)

酒粕と人参のクラッカー
・米粉/50g(千葉県千葉市産産) * 田澤農園 有機JAS認証 無農薬栽培のお米を使用
・酒粕/15g(千葉県香取市産) * 寺田本家(五人娘)無農薬自然栽培の米を使用 添加物一切なし
・人参の皮/10g(千葉県香取市産産) * 加瀬農園 有機栽培
・塩/0.6g(静岡県伊豆産産) * 海の精あらしお
・オリーブオイル/6g(静岡県伊豆産産) *伊豆オリーブ100%
・水/30g *水道水

ソース
・バルサミコ酢/15g(山梨県産産) *山梨県産葡萄100% *アサヤビネガー 添加物不使用
・濃い目に淹れたコーヒー/15g(岡山県岡山市産産) *岡山県産コーヒー豆100% *やまこうファーム 太陽光発電で豆を育てている
・メープルシロップ/2.5g(埼玉県秩父産産) *埼玉県産メープル100% *MAPLE BASE 秩父の森の恵みを活用し、売り上げの一部が秩父の森に返還されるなど、森林保護にも繋がる取り組みが行われている。
・塩/0.7g(静岡県伊豆産産) * 海の精あらしお
・豆乳/5g(岐阜県産) * *マルサンアイ 有機豆乳
・オリーブオイル/2.5g(静岡県伊豆産産) *伊豆オリーブ100%

仕上げ
・くるみ/20g(長野県東御市産) * 皮付きくるみ信州
・山椒の実/1g(岩手県遠野市産)
・アマランサス/1g(千葉県八街市産) * 田澤のハーブ 無農薬 有機栽培 第20回日本農業賞大賞受賞

調理手順

酒粕クラッカー
・酒粕に水を加え伸ばす
・アッシェにした人参の皮を加え混ぜ合わせる
・塩、米粉を加え、混ぜ合わせる
・オリーブオイルを少しずつ加え混ぜ合わせる
・シルパットの上に生地を広げ2ー3mmに伸ばす
・150℃に予熱したオーブンで15分焼成する
・しっかりと冷まし、パリッとさせる150℃ *15分

ソース
・コーヒーを濃い目に淹れる
・手鍋にバルサミコ酢、コーヒー、メープルシロップを入れる
・弱火でじっくり丁寧に水分を飛ばし、半量にするIH弱火 *7分
・半量になったら温めるのをやめる。
・半量になったソースに豆乳、オリーブオイルを加え合わせる
・塩を加えて味を整える

鹿肉のロースト
・鹿肉に塩を全体にまぶす
・潰したニンニク、ローズマリーをのせてオリーブオイルをまわしかけマリネする
・休ませる冷蔵庫 *1時間

炭火の準備
・炭に火をつけ安定させる熾火 *15分
・炎ではなく赤く光ってきたら、肉を網の上で全面にしっかりと焼き色をつける熾火

鹿肉のロースト
・火から少し離れたところで少し休ませながら火を入れる熾火
・焼きあがったらアルミホイルで包み少し休ませて肉汁を落ち着かせる熾火 *7分
・5㎝角にカットする

盛り付け
・鹿肉にピンチョスを刺す
・酒粕クラッカーの上に鹿肉のローストをのせる
・鹿肉の上にアマランサス、山椒の実、くるみをのせる
・お皿の上に温かいソースを引く

橋本夏帆さん(株式会社 海士 Entoダイニング)

隠岐牛と海士の恵みのミルフィーユ

島の恵みを無駄なく生かしたい思いから、この一皿を考えました。隠岐牛が大自然の中でのびのびと育つ姿、生産者の方とお話する機会も多く、動物や作り手の方々の支えの上に私たちの暮らし、食を楽しむ時間があることを感じます。

今回はその隠岐牛の端材と、地の野菜や摘果みかん、完熟赤山椒などを組み合わせ、秋らしい海士の恵みをミルフィーユに仕立てました。

食べることで「おいしく楽しみながら、無駄を減らす選択」ができるようになれば、食の楽しみ方も自然に広がると思います。

プラントベース/ベターミート食材

隠岐牛
・産地:海士町で育った藁など/生れも育ちも隠岐諸島で一貫して飼育。 島特有のミネラル豊富な地元飼料(海士町で育った藁など)と潮風の中で育つ。島で放牧しているため、ストレスがなく、足腰が強くなる。牛の健康面にも配慮した育て方。

材料リスト

ミルフィーユ作り
・隠岐牛の切れ端/50g(隠岐島内産) *隠岐牛100% *ダイニングにてお肉を捌く際に出た、端切れを使用。隠岐牛は、生れも育ちも隠岐諸島で一貫して飼育。 島特有のミネラル豊富な地元飼料(海士町で育った藁など)と潮風の中で育つ。
・とう立ちレタス/30g(海士町産) * 海士町の福井さんのリーフレタス。暑さが続いたために、とうが立ってしまったレタス。生産者の方から、ダイニングで使えないか?と連絡を頂き、Entoの朝食でもアラメの和え物に使用。
・人参/20g(海士町産) * レタスと同じ生産者の福井さんから仕入れ。
・摘果みかん/20g(海士町産) * 海士町の崎みかん再生プロジェクトで復活した崎みかん。丹後さんの農園での摘果作業の手伝いで頂いたみかん。
・小醤油/10g(海士町産) * 海士町で育てられた小麦と大豆に麹菌を加えて作られる糀を購入し、Entoで仕込んだ小醤油。
・山椒パウダー/5g(海士町産) * 農家の波多さんから仕入れ。
・赤山椒/5g(海士町産) * 農家の山中さんの畑にて調達。
・昆布/100ml(北海道産)
・salan oki/5g(海士町産) *海士町産の海水100% *島根県隠岐郡海士町の保々見湾沖の海水100%を使用した塩で、枝条架式濃縮・平釜薪焚き・天日干しの伝統的な製法で製造されている。

ソース作り
・卵/50g(島根県産)
・飛魚出汁/15ml(海士町産) *国内産飛魚を使用。 *海士町で創業した海士物産の商品。隠岐で昔から食べられている飛魚(あご)を使用。
・salan oki/2g(海士町産) *海士町産の海水100% *島根県隠岐郡海士町の保々見湾沖の海水100%を使用した塩で、枝条架式濃縮・平釜薪焚き・天日干しの伝統的な製法で製造されてい

添え物
・零余子/10g(海士町産) * 近所になっていた零余子。
・摘果みかん/15g(海士町産) * 海士町の崎みかん再生プロジェクトで復活した崎みかん。丹後さんの農園での摘果作業の手伝いで頂いたみかん。
・お米/30g(海士町産) * 山中さんの新米コシヒカリ。Entoの朝食でもお米を使用。
・自家製の茗荷の甘酢漬け/10g(海士町産) * 海士町産の茗荷。近所の商店にて購入。
・人参/15g(海士町産) * レタスと同じ生産者の福井さんから仕入れ。

調理手順

隠岐牛
・隠岐牛の切れ端を、赤身と、脂肪が多い部位に分ける。赤身の部分と昆布だし(水出し)を真空パックに入れて真空する。1時間置く。脂身の多い部位は荒くたたいてパテにし、塩、山椒パウダー、赤山椒(すりこぎでする)を混ぜ込む。脂身が多い部位を食べやすいように香辛料をきかせる。 

レタス
・熱湯に10秒ほどさっと茹で、氷水で締める。ガスコンロ中火 *5分

人参
・3mmほどの厚みにスライスする。

摘果みかん
・皮を剥く。果肉を輪切りにする。


・卵白と卵黄を分ける。あごだしに摘果みかんの皮と卵黄を入れ、漬け込む。

零余子
・スチームで蒸す。スチーム100度 *10分

お米
・朝食の営業で余った白米を型に入れ平らにする。オーブンに入れ、お焼きを作る。オーブン190度 *10分

ミルフィーユ
・丸い型に、下から置き牛のパテ→摘果みかんの果肉→レタス→人参→昆布だしに漬けた置き牛の切れ端の順にいれ、オーブンで焼く。付け合わせの人参を一緒に焼く。オーブン200度 *15分

仕上げ
・焼き上がったミルフィーユの上層に、こじょう油を塗る。上にグラニュー糖をふり、バーナーで炙る。バーナー1,400度 *3秒
・卵白に塩を加えて泡立てる。
・卵白のソース、あごだしに漬けた黄身のソースをかける。
・自家製の茗荷の細切りを箸休みに添える。
・零余子をあしらう

岩下洋汰さん(修文学院高等学校)

未来へ繋ぐ 〜秋の宝物〜

使用させて頂いたお肉は猪の肉でジビエと言われるお肉です、なので薬剤などにも関わりがなく健康への影響が少ない点と自然環境にある資源を活用し、食糧の廃棄物を減らす事にも繋がっていると思ったからです。

また、アーモンドミルクを使用したり植物性の食品を沢山使い動物性の食品を全く使ってない点からプラントベースと言えると思いました。野生の動物を頂く事を当たり前のようにして非人道的な環境で育てられている動物が少しでもいなくなる社会を築きたいです。

この作品では卵や動物性の食品を使わずに野菜の粘度だけでとろみをつけました、地元の食材である味噌やきしめんを最大限に活かしました、秋の美味しい野菜やジビエの魅力をお伝えしたく秋の山をイメージした作品に仕上げました。    

プラントベース/ベターミート食材

猪肉
・産地:豊田市

材料リスト

野菜クリーム
・八丁味噌/24g(愛知県産)
・コンソメ顆粒/15g(東京都産)
・かぼちゃ/35g(愛知県産)
・さつまいも(紅はるか)/60g(愛知県産)
・アーモンドミルク/185g(愛媛県産)
・塩/3g(三重県産)

下茹でほうれん草
・ほうれん草/30g(愛知県産)

パスタに入れる具
・余ったかぼちゃとさつまいもの皮/(愛知県産)
・マッシュルーム/50g(千葉県産)
・エリンギ/25g(千葉県産)
・猪のバラ肉/50g(愛知県産)
・塩/4g(三重県産)
・マーガリン/6g(大阪府産)
・醤油/3g(愛知県産)

カリカリのかぼちゃ種 一次産品
・かぼちゃから取れた種/8g(愛知県産)
・塩/3g(三重県産)
・マーガリン/5g(大阪府産)

きしめん
・きしめん/400g(愛知県産)
・アーモンドミルク/50g(愛媛県産)

調理手順

蒸す
・さつまいも、かぼちゃを濡らしキッチンペーパーで包みラップで包み600Wの電子レンジで7分ほど蒸す蒸したら皮を少しずつ電子レンジ600W *7分

ソース作り
・切り落とし最後らへんまで取っておく、蒸した野菜とソース作りの調味料、アーモンドミルクを全てフードプロセッサーに入れ混ぜる。

下茹で
・沸騰した熱湯で2分ほど茹で水を切っておく。

パスタの具作り
・全て一口大に切り熱したフライパンにマーガリンを入れ熱して、切った野菜を入れ少し炒め、醤油を入れ混ぜながら炒める。そしたら混ぜながら塩を振るう。IH中火 *9分→弱火 *12分

かぼちゃ種
・かぼちゃはわたから種を取り出してよく洗う、種を水に1時間ほど浸す。水気を切りフライパンで中火で焼き表面の水をとばす。マーガリンを入れ弱火で12分ほどじっくり煎る、種がふっくらするまでやる、できたらな種を4等分に切り塩を振るう。

仕上げ
・ソースをフライパンに移しアーモンドミルクを50g入れ混ぜ、加熱してきしめんを入れ混ぜほぐすできたら盛り付けて、上から生クリームをかけて完成です。IH中火 *3分

 

一之瀬愛衣さん(株式会社SOLUNA)

歴史と自然の循環。そして芽吹

かつて日本では肉が乏しく、人々は豆から食文化を育みました。その一つ「厚揚げ」は江戸で肉代わりのたんぱく源として親しまれました。

私はこの厚揚げを主役に未来の食卓を描きます。

牛肉1kgが約27kgのCO₂を排出するのに対し、厚揚げは約2kgと90%以上少ない環境負荷で済みます。厚揚げにきのこのデュクセルを挟み湯葉で包んでミルフィーユ状に仕立て、精進料理の「見立て」を再構築。野菜は皮や葉、きのこの軸まで使い切り、発酵で旨みを引き出しソースに昇華。黒にんにくを加えて酸味・甘味・旨味が調和する深い味わいに仕上げました。

おからも乾燥パウダー化し廃棄ゼロを達成。先人の知恵と科学を重ね、持続可能な未来の食文化を提案します。

プラントベース/ベターミート食材

大豆ミート
・産地:神奈川県葉山産/葉山里山ファームで、地域の落ち葉・木くずを堆肥化した土壌で自然栽培された大豆を使用。
・原材料の産地:神奈川県三浦半島・葉山町の丘陵地(標高約70m)
・森と畑が隣接する自然豊かな土地で、昔からの里山の生態系が残る地域。
・生産方法:落ち葉・竹・木くずを堆肥化し、化学肥料を一切使用しない自然循環農法。近隣の林業や剪定で出た有機残渣を再利用し、外部資材に依存しない地域内完結型土壌循環を実現。耕作放棄地を再生しており、地形や水はけの良さを活かして少量多品目の輪作を実施(大豆→麦→根菜)。雨水や地下水を利用し、灌漑のためのポンプ・燃料を使用せず、自然水循環による無動力灌漑を採用。里山に生息する昆虫や微生物が豊富で、生物多様性を守りながらの共生型農業を実践。
・土地利用における環境効果:耕作放棄地再生により土地の生産性を120%以上改善。外部肥料・化石燃料を使用せず、土壌炭素を維持。落ち葉・竹などの堆肥化により年間約80kgの有機廃棄物を削減。植生の維持によって年間約0.4t-CO₂相当の炭素固定に寄与。

材料リスト

下準備
・大豆/30g(神奈川県産) * 地産地消,非遺伝子組換え,豆腐と湯葉の両方に使用し、無駄を出さない。
・水/200ml(神奈川県産)
・にがり/(東京都伊豆大島産) * 国産・伝統製法による天然にがり
・塩/0.5ml(神奈川県産) * 塩はシンプルな天然資源で、加工や輸送に大きなエネルギーを必要としない食材。海水塩の場合は、太陽や風など自然の力で結晶化させるため、エネルギー負荷が極めて低い。産地を明記することでトレーサビリティも確保できる。

湯葉
・豆乳/80ml(神奈川県産大豆から自家製産) * 大豆から豆腐と湯葉を同時に作り、循環利用。
・クミンパウダー/0.05ml(神奈川県産産)
・塩/0.2ml(神奈川県産)

きのこデュクセル
・椎茸/25g(神奈川県葉山(里山ファーム産)産) * 木材廃棄物を資源化した里山循環型農業で栽培。自転車輸送でフードマイレージ削減。
・舞茸/25g(神奈川県葉山(里山ファーム産)産) * たい肥や間伐材を培地に活用。ハウス栽培に再生可能エネルギーを導入。
・エシャロット/10g(神奈川県鎌倉市産産) * *近隣小規模農家から調達し、無農薬・低農薬栽培で土壌保全。
・パセリ/1g(神奈川県自家栽培産) * *コンポスト由来の堆肥を使用、必要量だけ収穫しロスゼロ。
・タイム/0.3g(神奈川県自家栽培産)
・日本酒26年古酒/5ml(神奈川県産) * 長期熟成により資源効率を高めた伝統的酒造文化
・グレープシードオイル/5ml(岩手県産産) * ワイン製造の搾りかすから採油。残渣もバイオマス燃料化し循環利用
・塩/0.3ml(神奈川県産)

ビーツのピューレ
・ビーツ/30g(神奈川県鎌倉市(盛田ファーム)産) * 規格外品を活用
・水/15ml(神奈川県産)
・赤ワインビネガー/2ml(山梨県(ルミエール社)産) * 国産ワイン副産物から製造

発酵ソース
・黒にんにくペースト/18g(神奈川県自家製産) * 発酵により長期保存が可能、食品ロス削減に貢献
・玉ねぎ/18g(神奈川県産産) * 規格外品使用
・にんじん/5g(神奈川県産産) * 規格外品使用
・せろり/3g(神奈川県産産) * 規格外品使用
・椎茸出汁/18ml(神奈川県産産) * 神奈川県産椎茸を活用,木材など廃棄物を資源化した里山の循環型農業で栽培。自転車で輸送しフードマイレージ削減
・椎茸/1g(神奈川県産産) * 無農薬、有機たい肥を活用した循環型農業。小規模農家の手作業収穫。近距離調達(鎌倉産)。
・天然酵母/0.05g(国産産)
・海塩/0.4(神奈川県産産)

アンディーブセロリサラダ
・セロリ/10g(神奈川県鎌倉市産産) * 無農薬、有機たい肥を活用した循環型農業。小規模農家の手作業収穫。近距離調達(鎌倉産)
・青リンゴ/10g(神奈川県鎌倉市産産) * 地域果樹園との直取引で流通に伴う包装資材や冷蔵エネルギーを削減。
・すだちゼスト/0.2g(神奈川県鎌倉市産産) * 露地栽培で自然エネルギーを活用。近距離調達(鎌倉産)により輸送時のCO₂排出を最小化。
・シークワーサービネガー/2ml(神奈川県自家製産) * 自家発酵しアップサイクル
・柚子胡椒/0.2g(神奈川県自家製産) * 前年仕込み

セロリオイル
・セロリの葉/5g(神奈川県産産) * 余剰部分をオイル化し廃棄削減。
・エストラゴン/0.3g(神奈川県産産) * 環境負荷が少なく育つハーブで、爽やかな香りが料理の風味を引き立てる。
・パセリ/0.3g(神奈川県自家製産) * 自家栽培
・グレープシードオイル/30g(岩手県産産) * グレープシードオイルは、ワイン製造で出るぶどうの搾りかすから種を取り出して作られる循環型オイル。残った皮や茎もバイオマス燃料として再利用され、廃棄物を出さず環境に優しい。

トッピング
・発芽玄米醤油ロースト/5g(神奈川県産産) * 玄米を発芽させ栄養価を高め、無添加醤油でロースト
・ミニしそ/0.5g(神奈川県産産)

調理手順

下準備
・発酵ソース】
玉ねぎ:皮を剥いて微塵切り。
にんじん:皮を剥いて微塵切り。
セロリ:筋を取り、微塵切り。
きのこ:洗浄後、微塵切り。
椎茸出汁:事前に抽出して準備。

【トッピング(発芽玄米ロースト)】
発芽玄米:水に浸けて発芽処理(約24時間)。水切りをして乾燥。

豆腐・湯葉
・一晩浸水した大豆を石臼で挽き、煮出して豆乳を搾る。豆乳を鍋に入れ、にがりを加えて加熱し豆腐を固める。加熱中に表面にできる湯葉を数回引き上げて乾燥させる。豆腐は成形して冷却、湯葉は豆腐の間にデュクセルを挟んだあと表面に湯葉を巻いて揚げ焼きにしすることで中はしっとり、熱々で切った時に香りと旨みがひろがり水分量と油脂分ガス弱火/300W相当 *20分地元産大豆と伊豆大島にがりを使用。加熱時間を最小限にし、湯葉も副産物として活用して食品ロス削減。オカラは乾燥させてニンニクの皮と一緒にパウダーに活用。100%活用し、廃棄ゼロを実現
・香り付けにクミンを混ぜて豆腐を作成 

きのこデュクセル
・椎茸・舞茸を微塵切り、エシャロットと共にフライパンにオイルを入れ強火でさっとでソテーする。しんなりしたら古酒でデグラッセし、水分を飛ばす。パセリ・タイムを加えて香りを含ませる。冷却後、豆腐の中身として使用。IH中火/600W *10分短時間加熱でエネルギーを抑え、副産物や循環型オイルを活用してロスと環境負荷を削減。

ビーツのピューレ
・ビーツを皮付きのまま弱火で茹で、皮を剥いてカット。赤ワインビネガーと水を加え、ミキサーで撹拌し滑らかなピューレに仕上げる。ガス弱火/300W *15分規格外ビーツを使用し、少量の加熱で柔らかく調理。ピューレ化することで皮まで活用しロス削減

発酵ソース
・野菜を細かく刻み、酵母と混ぜて常温で72時間発酵させる。発酵後、弱火で5分加熱し余分な水分を飛ばして旨味を凝縮させる。常温発酵/加熱IH弱火200W *発酵72時間+加熱5分野菜皮や黒にんにくを発酵させ旨味を引き出す。従来のフォンに比べ調理時間・燃料を90%以上削減

アンディーブセロリサラダ
・セロリと青リンゴを千切りにし、シークワーサービネガーと柚子胡椒で和える。仕上げにすだちゼストを振り、セロリオイルで艶を出す。 *生食を中心にして加熱エネルギーゼロ。規格外リンゴを活用しフードロス削減

セロリオイル
・セロリの葉・エストラゴン・パセリをさっと下茹でして冷却し、オイルと共にブレンダーで撹拌し緑鮮やかな香味油に仕上げる。
IH中火/400W *5分ハーブを軽く下茹で後にオイル化。再利用のグレープシードオイルを使い循環型商品を活用

トッピング
・発芽玄米を水切り後、弱火で乾煎りしながら醤油を加えて香ばしくローストする。カリカリ食感になったら冷却し、仕上げのトッピングとして使用。ミニしそはそのまま添える。IH弱火/300W *8分 乾煎りで油を使わず香ばしさを出し、少量で食感を加える発芽で自然の力を利用し、揚げ油を使わない乾煎り調理でエネルギーと資源を削減。規格外米も活用して食品ロスを防止。

盛り付け
・この一皿は、里山の循環と生命の再生をテーマにしています。
中心に配した発酵ソースは「土壌=命の循環」を、その上に重ねた豆腐と湯葉は「大地から生まれる新しい生命」を象徴。
周囲を走るビーツのピューレは、芽吹きや血流のような生命の息吹を表現し、ピュレの上には発芽玄米と紫蘇のマイクロハーブを飾り「未来へと続く成長」を示しています。

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